第16回『他社留学ラボ』開催レポート

「拡張キャリア×他社留学:留学経験から自分のキャリアをどのように拡張できるか?」
卒業生の所属企業にて越境経験者同士の交流会を開催

2026年2月5日、第16回『他社留学ラボ』を開催し、他社留学の卒業生と関係者が集まり交流を行いました。
今回のテーマは「拡張キャリア×他社留学:留学経験から自分のキャリアをどのように拡張できるか?」で、
卒業生の所属企業「ベイシス株式会社」にて行いました。
同社は携帯電話やIoTのインフラ・ネットワーク構築・運用保守を手掛ける企業です。
ファシリテーターとして組織変革・事業開発コンサルタントの西村統行氏を迎え、参加者全員で議論を行いました。
少人数での開催でしたが、その分、濃密な議論が展開され、参加者は時間を忘れて熱心に話し込み、盛り上がりを見せました。


昨年9月、ファシリテーターの西村氏が『拡張キャリア』という本を出版し、それに関するセミナーを実施しました。
今回のラボでは、本セミナーの内容をベースに「留学経験から自分のキャリアをどのように拡張できるか?」
というテーマでディスカッションを行いました。
資料を用いたファシリテーターの説明を軸に、参加者同士の意見交換や議論も交えながら進行しました。
【ご参考】「越境学習サービス+拡張キャリア出版」コラボセミナー(2025年9月9日実施)
     レポートはこちらからご覧いただけます。

社会変化と働き方のシフト
2020年以降、日本は人口減少と急速な高齢化が進み、働き方や暮らしは大きな転換期を迎えています。
加えて、AIやロボットなどの技術進展により、仕事のあり方そのものも変化しています。
こうした状況を踏まえ、ファシリテーターからは、定年まで働く従来のモデルは揺らぎ、
資産形成や自己納得を軸に、生涯現役を前提とした「人生二毛作」という複線型キャリアの考え方が示されました。
第一の毛作で培った経験を土台に、50代を一つの転機として、自身の信条や社会との関わりを
軸にした第二の毛作へ移行するという発想が、「最幸のキャリア」につながる可能性があると説明されました。
参加者からは、人口減少や社会の変化を実感する声や、自身のキャリアについて考える契機となったとの意見が聞かれました。

参考:他社留学ラボ当日資料(提供:西村統行氏)

AI時代と人間の価値
議論はAIと人間の役割へと展開しました。AIは構造化・整理・問題解決に優れており、
制度や私たちの仕事の一部を代替する可能性があることが示されました。
経済産業省「未来人材ビジョン」を引用し、現在は「注意深さ・ミスのなさ」「責任感・まじめさ」が
重視される一方で、将来は「問題発見力」「的確な予測」「革新性」といった能力が一層求められるとの説明もありました。
また、キャリアを考えるフレームとして、ファシリテーターからは以下の三つの軸で整理いただきました。

  • お金
  • 技術・価値
  • 想い(何のために仕事をするか=命題)

本当の問題とは何か
「7人の目の不自由な人と象」の寓話を通じて、表面的な問題ではなく、本質的な問題を見極める難しさ、
同調性や集団浅慮の危険性について議論が深まりました。組織における多様性や育成、対応が難しい
メンバーへの関わり方など、現場感のある話題も多く挙がりました。

育成と命題
議論では、マニュアル化された育成が思考力を奪う可能性が指摘される一方、AIには代替できない「育成力」「人間力」
重要性が強調されました。また、体験を重ねることで自分の命題の解像度を高めていくことができるとされました。
さらに、「感情を出すこと」「震える体験」「取捨選択」がキャリア形成において不可欠であるとの意見も共有されました。

参考:他社留学ラボ当日資料(提供:西村統行氏)

終わりの時間を迎えると「あっという間だった」「全然時間が足りない」という声が多く聞かれ、テーマへの
関心の高さがうかがえました。懇親会でも引き続き参加者全員で、「命題とは何か」「生きるとは何か」「仕事の悩み」
について、さらに深い対話が続きました。終了後には
「今回のように抽象的な議論ができる場はなかなかないので、貴重な場だと感じている」
「もっと多くの卒業生ともキャリアについて議論したい。仕事も大事だが、その土台となる自分の人生と向き合う時間も必要だ」
「時間が全然足りなかった。今回のテーマは継続して何度も取り上げるべき内容だと思う。定期的に開催してほしい」
といつも以上に熱意あふれる意見が寄せられました。


冒頭では、参加者それぞれが最近の状況や関心事を共有しました。30代・40代の参加者からは、
仕事やプライベートでの大きな変化に直面している状況が語られ、50代・60代の参加者からは、
加齢に伴う変化や死と向き合うなど、人生後半ならではの課題についての発言がありました。
年代によって見えている課題や視点が異なることが非常に印象的でした。また、今回は少人数
だったこともあり、コンサルタントの西村氏に自身の悩みについて相談できる大変贅沢な時間でもありました。

日々の仕事に追われる中では、「自分は何のために仕事をしているのか」「自分の命題は何か」といった問いを
置き去りにしてしまいがちです。今回の時間を通じて、仕事から一歩離れ、客観的に自分やキャリアを見つめ、
他者の話に耳を傾けることの大切さ
を改めて感じました。
こうした機会を持つことは、誰にとっても欠かせないことであると思います。
ぜひ皆さんも一緒に「自分の命題は何か」を考え、自分にとってのより良い人生について一緒に考えてみませんか?

次回、第17回他社留学ラボの詳細な内容や日時等が確定しましたらご連絡させていただきます。
数年ぶりの方も、まだ参加したことがない方も大歓迎です。
毎回同じメンバーが参加しているわけではないので、安心してご参加ください。
ラボに対するご質問・ご要望等もございましたら、気軽にご連絡ください。