「留学後の心のモヤモヤについて考える」3年半ぶりに卒業生の交流会をリアル開催

2023年7月5日、第11回『他社留学ラボ』を開催し、他社留学の卒業生と関係者が集まり交流を行いました。
今回は「留学後の心のモヤモヤ」をテーマに“リアル”で開催しました。
第4回他社留学ラボ(2020年6月)以降、オンラインでの実施が続いていたので、３年半ぶりのリアル開催でしたが
非常に満足度の高い会になりました。

参加者は、大手食品メーカーや電力会社、テレビ局など異業界・異職種で、数年ぶりから最近の留学生まで
さらに経営に近い方から現場の方まで、全く異なる方々でしたが、皆さん積極的にご発言いただき議論を深めることができました。

今回のファシリテーターは他社留学のサービス開発から携わっている、組織変革＆事業開発コンサルタントの西村統行氏。
「今回はモヤモヤ語りにしましょう」という一言からスタート。Aさんのモヤモヤについて聞いてみると
「留学後半年くらいは留学先で学んだことを取り入れて、新しいことをどんどん進めて成果に繋がることもありました。
しかし、日々忙しく、目の前のことが優先されるようになって徐々に戻っている感じもしています。
すぐに解決できることはしてしまったので、難易度の高い課題が残ってしまったというのもあります。
私の進めることに対しては共感されないこともあって、人によってかなり差がありました。
頑張っても実らないのは辛いですし、長いものに巻かれた方が楽だなと思ってしまう自分もいて…。」
というリアルなモヤモヤ話が出ました。

Bさんからは
「留学から戻って関連会社へ出向になりました。そもそも新しい環境が得意ではないので、それ自体モヤモヤしました。
また、留学して違う常識を知ったからこそ、元の会社に戻って違う常識があることにフラストレーションが溜まりました。
関連会社といっても同じような文化を引き継ぐ会社だったので。知らない人ばかりの中、
新しいことを実行していくのは大変でした。」と当時のモヤモヤについてお話いただきました。

その後、「Aさんの新しいことを進める姿勢」が素晴らしいという話になった際には
「私はWill(したいこと、やりたいこと)が強すぎるみたいで、社内にはついていけない人もいるようです。
当社はあまりWillを言わない文化です。“わかるけど、現実を見なさい”とMust(しなければいけないこと)を
優先するように言われることもあります。」とＡさんからさらなるモヤモヤ話が出ました。

モヤモヤ語りが進んでからは、どのように解消していったのか、話が展開しました。Bさんからは
「小さなギブから始めたんです。皆が恩恵に預かれることを実行していったので、
徐々に受け入れてくれるようになり味方が増えていきました。」
また、Cさんからは
「自分のWillを少しずつ移植していきました。ちょっとずつ自分がやりたいことを言っていったんです。
“一部だけ試していいですか？”と小出しにしていって、気づいたらどんどん進めることができていました。」
とモヤモヤ解消のヒントをいただきました。

また、Dさんからは
「当社にはWillを言っても大丈夫という心理的安全性があります。それがあるかないかは大きく違いますよね。」
というコメントがあったり、Ｅさんからは
「Willが言えない文化の場合は、“あなたは私に個人として、人としてどうしてほしいと思っていますか？“という問いも有効なのでは？」
という意見が出ました。組織人としてではなく、個人としての本音を問いかけることで、その人の想いが引き出せて
お互いの共感が高まり、頑張ろう！とモチベーションアップに繋がるかもしれない、というお話がありました。

それぞれのモヤモヤから、それを解消するヒントまで、次から次へと意見が出て、あっという間に終了の時間を迎えました。

ラボ終了後には、
「皆さん共通してモヤモヤを持たれていて、安心感に繋がった。」
「前向きな話を聞いてモチベーションが上がったし、自分のモヤモヤを解消する時間になった。
社内でもっと本音ベースで対話してみようと思った。」
「職種柄、他社の方々と交流する機会は多くないし、交流する機会があっても利害関係が発生するので
ピリピリしてしまう。このようにフラットに話せることがありがたかった。」
と皆さん笑顔でご感想をいただきました。また、ある方からは
「やっぱりリアル開催の方がいい。質が全然違うと思った。」という開催方法についてのコメントもいただきました。

他社留学ラボの後は、場所を変えて参加者全員で懇親会を行いました。
他社留学ラボではまだまだ話足りない様子だったので、懇親会に移ってからも話は尽きることなく、色々な話が出ました。
ラボの途中でWillよりMustが強いと言っていた方々からWillの話が出てきたり、会社同士でコラボして
Willを実現しようという話になったり、企業文化を変えるために別の会社の方がお手伝いします！という話になったり、
より関係性が近づいて一歩進んだ議論を展開されていました。
皆さん楽しそうに話をしながら飲食も存分に楽しんでいただけたようで、主催者としては嬉しい限りでした。

今回ご参加いただいた皆さんは「他社留学経験者」という共通点があるだけですが、共感できたり、相談できたり、
意見をもらえる関係性が出来上がっていました。
ご自身の会社内で仲間を増やすのも大事だと思いますが、社外にも同じ想いを持った仲間がいるというのは心強いですね。

次回、第12回他社留学ラボは2023年11月16日(木)18時頃より開催予定です。詳細な時間や場所等、確定しましたら
改めてご連絡させていただきます。数年ぶりの方も、まだ参加したことがない方も大歓迎です。
毎回同じメンバーが参加しているわけではないので、安心してご参加ください。お待ちしております。

【過去の他社留学ラボ開催レポート】
第10回「フリーディスカッションー卒業生と現役留学生の交流会」

第9回「所属企業と留学先のカルチャーの違いについて考える」

第8回「組織の変革の灯火を共創していく」

第7回「越境後の衝撃と小さな行動」

第6回「他社留学を起点に組織を変えるには」

第5回「留学後のチャレンジ」

第4回「イノベーターとして自分・組織をどう変えていくか」

第3回「留学で得た知識と体験を現業にどう活かすのか」

第2回「一体、私たちは何を学んできたのだろう？＜留学生による共有会＞」

第1回　プレキックオフイベント