第12回『他社留学ラボ』開催レポート

「留学前と留学後の変化とは」卒業生の所属企業にて越境経験者同士の交流会を開催

2023年11月16日、第12回『他社留学ラボ』を開催し、他社留学の卒業生と関係者が集まり交流を行いました。
他社への越境経験を思い出すことに繋がればという想いで、今回は初めて他社留学卒業生の所属企業である
「株式会社テレビ朝日」にて開催しました。

株式会社テレビ朝日以外にも、電鉄会社や自動車部品メーカーなど、異業界・異職種で、全く異なる方々にご参加いただき、
今回のテーマ「留学前と留学後の変化とは」について参加者全員で議論を行いました。
皆さん積極的にご発言いただき、興味深い話が次から次へと出て盛り上がりました。


今回は六本木にある株式会社テレビ朝日本社会議室での開催ということで
メインエントランスである総ガラス張りの空間「アトリウム」の受付から入館し、会議室に到着。
ドクターX等のドラマ撮影でも使われた特別会議室に集合し、ディスカッションがスタート。

ファシリテーターは、他社留学のサービス開発から携わっている、
組織変革&事業開発コンサルタントの西村統行氏。「留学後、何か変化はありましたか?」という一言からスタート。

「他社留学を通じて自分の価値を再認識することができ、自己肯定感が上がりました。
それまでは社外に出たことがなかったので、社外で自分が通用するかわからなかったんです」
「外から見える世界(ベンチャー企業や関わる事業)はキラキラしているイメージだったが、
リアルな現実が見えた。周辺視野が広がるのではなく、真ん中の視野が広がった感じです」
留学したからこその、リアルな言葉が続きます。

そして、他社留学の経験をすることで「特異性」が出たという話題も。
「越境経験者は社内だとまだ少数。自分の職場で足りないものを留学先から持ち帰るだけで特異性が出る。
社外に出ればその領域ができる人は多数いると思うけど、社内だと際立つんですよね」

そんな特異性を持つことで、社内で変わったことがあったという方もいました。
「3ヶ月という短期間で、留学先の社長の右腕のような立場で活動したことを社内で報告したのですが、
保守的な当社では衝撃的だったようです。社内の他の越境経験者や似たような想いを持った人から
連絡が来て、仲間が増えました」
「“○○さんはこういう人だから、次は○○を任せよう”と社内で気にかけてもらえるようになりました。
セルフブランディングとしても良かったみたいです」
意外な効果があった話も聞くことができました。

「異質性」の話の後には、「同調性」に関連する話題に。
「ベンチャーは個が強いので、みんなが猪突猛進。留学期間中、お互いに言いにくいことを
間に入って通訳し、全体のコーディネートをしたのが喜ばれました。大手企業で培った調整力には
価値がないと思っていたのですが、評価してもらえることがわかりました」
「留学先の優れた点を社内で取り入れたいと思ったが、すぐに実現できる環境がなかった。
少しでもリスクがあることは受け入れてもらないので、まずは身近なところで結果を出すことから
始めようと地道に取り組んでいるところです。大きい組織だからこそ処世術も必要です」

さらには、留学中の心の葛藤についての話題も出ました。
「最初の数週間は留学先に何も貢献できないかも、と焦りました。不安もありましたが、
一度自分のテリトリーに戻って俯瞰することで、自分が出来ることの中で何をしたら
留学先に喜ばれるかを改めて考えて、残りの期間で何をやるかを決めて実行に移しました」
「どこまで留学先と関わるかについて、多少葛藤がありました。業務を請け負いすぎて
中途半端になるのは嫌だったので、留学先と話し合って線引きした部分があります。
今考えると、もっと深く入り込んでも良かったのかもしれない」

それに対し、現役留学生から
「留学が始まって、今まさにどこまで深く関わっていくか、葛藤しているところです」という発言が。
それに対しては「現職と並行して進めている以上、リソースは限られるし、リスクを取らない選択も
ありだと思う。葛藤すること自体にも価値があるはず。ただ、できる範囲でやると予定調和な結果しか
生まれない。リソースは限られるので、スタンスだけでも変えて“もっと深く、もっと入り込もう”と
意識することで、想像できない何かが生まれるのでは」というアドバイスがありました。

また、留学後の心の葛藤についての話題も出ました。
「特異性を持つことで、何かをしたときに“○○さんだからね”と思われるのはいいが、
“○○さんだからできるのであって、自分には無理です”という反応も一部でありますね」
「他社留学で学んだことをすぐに取り入れられない現状に対し、モヤモヤを感じて
“なぜ自分は他社留学に行ったんだ?”と思うこともありました。しかし、後から徐々に社内の色々な人から
他社留学について聞かれるようになって、自分が留学したことに意味があったなと思えるようになりました。
留学後の社内報告会の動画を社員が閲覧できるように残しておいたのが良かったようです」
とリアルな胸の内も語っていただきました。

最後は、今後実現したいことについて質問されると
「自分が学んだことや考えを後輩・仲間に伝えて、“あの人だからできる”じゃなく、“やればできる文化”を作っていきたい」
「働く誰もが主人公になれる、活き活き働く社会を作りたい」
「仲間が去っていく姿は見たくない。雰囲気を明るくするためにも、自分が新規事業を始めることで、
新しい風を吹かせ、チャレンジを当たり前にしたい」と各自の想いを語っていただき、終了の時間を迎えました。

皆さん、話足りなかったようで、終わってからも立って話し続けており「移動してください」と声をかけるまで
熱心に語っている姿が印象的でした。


他社留学ラボの後は、場所を変えて懇親会を行いました。
皆さん飲食を楽しみながらも、色々な話題で盛り上がりました。
仕事の話だけに限らず、プライベートの話や将来の夢など、色々と語り合いました。
また、他社留学ラボを通じて他の留学生に刺激を受けて資格取得をした話や個別に飲み会を行った話なども出ていました。
徐々に“仲間意識”ができつつある様子を見ることができ、横の繋がりがいかに大切かを感じる時間になりました。

次回、第12回他社留学ラボは2024年5月16日(木)18時半より開催予定です。詳細な時間や場所等、
確定しましたら改めてご連絡させていただきます。数年ぶりの方も、まだ参加したことがない方も大歓迎です。
ラボに対するご質問・ご要望等もございましたら、気軽にご連絡ください。