経営企画部 エグゼクティブパートナー 藤原 弘之 氏
株式会社SAVAWAY
企業PROFILE
ネット通販向けシステム開発(受注・在庫・商品管理、本店構築など)/ネットショップページ制作サービス/ネットショップ運営コンサルティング/ネットショップ関連セミナーの開催
ネットショップの管理を一元化した「サバスタ」や、接客できるカート「コレカゴplus」など、数々のネット通販向けサポートシステムを生み出し続ける株式会社SAVAWAY。注目企業のマーケティング施策策定の舞台裏には、プロパートナーの活躍があった。エグゼクティブ・パートナーを務める藤原氏に、その全容を伺った。
鴻巣 英典 氏
PROFILE
あたまソフト株式会社 取締役 COO
D2C、VOYAGE GROUP のネット企業を経て、2008年Samurai Incubate取締役CMO就任。起業支援、シートドベンチャー向けに営業・マーケティング支援やアライアンスパートナーマッチングに従事。
2009年あたまソフト設立。
経営・営業企画としてメディア事業に従事し現在に至る
5月。タイムリミットは3ヵ月後に迫っていた。
株式会社SAVAWAYの新年度は、8月から始まる。新年度にさらなる成長に向けてスタートダッシュをきるため、 7月までの3ヵ月間で、数あるマーケティング施策の効果・検証を行い、同社にとって必要なマーケティング施策を見極める必要があった。だがそんな折、マーケティング領域の社員が退職し、純粋なマンパワーが減少。また経営企画部に所属する藤原氏も別でアライアンス系の仕事を抱え、フルコミットは難しい。マーケティング施策を専任で検討できる人材が、早急に必要だった。
「当初は従来通り、正社員を探し始めました。でもなかなか見つからなくて。多数存在するマーケティング施策のテストをして、効果検証を行い、その結果を踏まえて来期からはこうあるべしと道筋をつけるところまでやってもらえるような高スペックな人材、かつ今すぐに来てもらえる方を見つけるのは容易ではありませんでした」
リミットが刻々と近づいてくる中、藤原氏が知人を介して当社のプロパートナーズサービスに出会う。「今から3ヵ月でマーケティング施策の効果検証を行い、8月から会社としてとるべき施策を決定したい」という明確な要望に対し、ふさわしい人材として紹介を受けたのが、Samurai Incubate Incで取締役CMOなどを務めた経歴を持つ鴻巣氏だった。
「面談させていただくと、こちらが求めているご経験もお持ちの上、ご自分で経営もされているので、いろいろな勘所もわかっていらっしゃるという感じで。また、いろいろな代理店を知っているなど幅広い人脈は、限られた時間で検証・分析を行う上で重要になると感じました」
「ぜひお願いしたい」。藤原氏、そして代表取締役・中井氏の総意のもと、すぐに同社のマーケティング施策担当として参画することになった鴻巣氏。週に3回、10〜15時の勤務という前例のないワークスタイルであったが、実行すべきことが明確だということもあり、導入当初から反発や混乱はなかった。「むしろ、『めったに仕事を一緒にできるような人じゃないから、何かしら関わって吸収した方がいいよ』と言って、周りの人間に突っついていましたね」、と、藤原氏は語る。
具体的な仕事は、当時すでに取締役会の承認を得ていた、藤原氏作成の資料をもとに始まった。
「3ヵ月の間にこういう活動をする、予算はこれ、という大枠の資料を、最初にお渡しして。細かい施策、つまりどのようなツールを使うか、どこの会社と実施するかなども例としては書いてありますが、そこは鴻巣さんの裁量で随時変えていただきたいとお伝えしました。実際に、候補の会社を試す中で、変わった部分もあります」
重要なのは、一番いいタイミングで、一番いい会社と、一番いいツールを使うこと。その考え方が共有できていれば問題ない。後は鴻巣氏の経験を信頼し、すべてを委ねた。
各種施策の進捗管理、並行して代理店やメディアとの打ち合わせや、社内のワーカーとの認識合わせ。全体のマネジメントから具体的なタスクへの落とし込みまで「どっぷり関わっていただいた」と藤原氏は振り返る。
「鴻巣さんは、『これ以上は契約じゃないからできない』というタイプの方ではないので、必要だと思えば業務後でも代理店にメールで指示を出すなど、柔軟に対応していただいていました。実際の作業を行うワーカーが止まらないように、また3ヵ月で一定数のマーケティング施策を試すというスケジュールが遅れないようにと、広範囲で見ていただいて」
スケジュール管理で思い返されるのが、7月末に施策の一つとしてリリースした新しいカートシステムの件。同施策のウェブページに関しては同社代表・中井氏の思い入れも強く、実はトップページまで制作した段階で、制作会社を変更せよとの指示が現場に舞い降りた。その段階から制作会社を変えるとなると、もちろん当初のスケジュールは狂うことになる。だが、そんな状況下でも経営者の意向をしっかりと汲みとり、かつ自身の豊富な人脈を活かして新たにふさわしい制作会社を紹介するなど、経験と人脈を有する鴻巣氏ならではの的確な対応で事なきを得た。
今回の契約は当初の予定通り3ヵ月間。引き継ぎ期間である現在は、実際の各施策が現場で回るよう、仕組み化を図る。
優秀な人材を限られた時間でパートナーとして受け入れるプロパートナーズという形態は、「評価プロジェクトや調査プロジェクトなど、スポット的なプロジェクトにもよくマッチする」と藤原氏は言う。
「優秀な人材をいかに安く採用するかは誰しも考えるところですが、現実はそうはいかない。良い人材は良いタイミングで来てくれるとは限らないし、フィーも高い。でもプロパートナーズのように時間でラインを引いて、コミットする範囲も決め、それに互いが合意し、決められた範囲において全力を出す。そういうやり方だとアサインできる人の幅がぐっと広がります。普通だと力を借りれないような人と一緒に仕事をすることができるのです」
鴻巣氏の参画から3ヵ月間の激動をともにし、間近でその結果を目の当たりにしてきた藤原氏。経営課題が出てきたときには、プロパートナーズも解決策のひとつとして検討したいと言う。経営企画の視点からもプロパートナーたちの存在が会社の成長にとって見逃せないものであることは、どうやら間違いないようだ。