メンバーの離脱を防ぐ人事評価制度は 「3つの制度の連動が肝」!エックスラボ共催セミナー(前編)

メンバーの離脱を防ぐ人事評価制度は
「3つの制度の連動が肝」

近年、働き方の変化に合わせ、経営理念やミッション・ビジョン・バリューに沿った人事評価制度を導入したり、メンバーが主体的に動ける制度に刷新したりする企業が増加しています。一方で、制度設計をしても適正な運用ができずに形骸化してしまうケースや、組織に適正化されていない制度がメンバーのモチベーション低下を招き、離職率が高まるケースが散見されるようになりました。

今回は、人事評価制度構築のエキスパートである株式会社エックスラボの大久保様を講師にお招きし、メンバーの離脱を防ぐ人事評価制度と、その設計ポイントについてお話いただきました。

畑違いの業種からコンサルティング事業部のマネージャーに

株式会社エックスラボの大久保と申します。

私は、株式会社エックスラボでコンサルティング事業部のマネージャーをしております。1990年生まれで、現在は32歳です。出身は京都の福知山市で、大学は京都産業経営学部を卒業し、畑違いではあるのですが、新卒でアパレル業界に入りました。そこで商品管理業務と、2年目以降は営業職を全うしまして、結果を出したこともありました。
 
しかし、その組織内では評価制度も含め、組織として成り立っていない状況がありましたので成果が反映されることはなかったです。気づけば自分以外の20代が全員辞めてしまうという事態に陥りまして、このままではいけないと思い、マネジメントの経験や知識も培うために、転職を決意いたしました。
 
そして、縁あってエックスラボに入社しました。弊社は、広告代理店が母体事業にはなるのですが、コンサルティング事業に適正を見ていただいてアサインされたという経緯になります。

大久保 貴博(株式会社エックスラボ コンサルティング事業部 マネージャー/コンサルタント)
大学卒業後、レディースアパレル卸の会社に入社。 商品管理業務を経験した後、営業担当として全国の小売店へ自社ブランドの販売やOEM商品の提案営業を行う。 その後、株式会社エックスラボに入社。 現在は、コンサルティング事業部のマネージャーとして、セールスチーム・コンサルチームのマネジメント業務を遂行中。 OGSコンサルタントとしても、様々な業種業態の企業や経営者様へ人事評価制度や組織マネジメントのコンサルティングを実施。 また、アライアンスや業務提携の責任者としても活動中。

トップダウンとボトムアップの循環が組織を強くする

弊社のOGSには提唱している考えがあります。それは、「循環型経営」が組織を強くするという考えです。要は、その組織にある内部資源をフル活用して事業成長していこうという考え方なのですが、特にお伝えしたいのはトップダウンとボトムアップの循環です。現場の意見もしっかりと吸い上げる事で、経営層も幹部層もミスジャッジが減ると考えています。

その手段として僕たちは、我々は「組織サーベイ」というものを用いて、事業のジャッジや適正化を行っております。導入数やNPSスコアという顧客満足度などを示した指標が非常に高いことが、弊社の強みです。業界や業種も特化せず、さまざまな支援をしておりますので、ぜひ何かあればご相談ください。

皆さんも今、評価制度を設計されているということは、組織づくりに舵を切られているのではないかと思います。この組織づくりをするためには属人化から脱却し、仕組み化をしていかなければいけないです。人の主観が入るものではなく、客観的なモノサシものさしである基準を作ること、これが適正な組織づくりになると考えています。

他社様では、人事評価制度を導入した約半年後に、当初最初よりも圧倒的に数値が上がっているという事例もあります。人事評価制度が機能し、各メンバーの求めるものが明確にしたことが大きな要因です。目標が明確になれば、あとは実行するのみ。進捗管理を行い、不足を埋めるためにどうするかも常にPDCAを回してしていきます。結果、メンバーの目標達成が、部署や課の目標達成になり、会社として事業成長している状態になります。人事評価制度の導入は、離職やメンバーの不満を払拭するだけでなく、事業成長の手段としても効果が高いです。

 

今回のセミナーの目的

今回のセミナーの目的は以下の2つです。

1.人事評価制度の設計に向けて動き出すイメージを持つ
2.共通する失敗パターンを理解する

是非、セミナーを受講して「良い学びがあったな」で終わるのではなく、何らかの目的があり、参加されていると思うので、動き出すイメージを持ってしっかりと行動に移していただければと思います。

人事評価制度でメンバーの離脱を防ぐ

700万円

皆さん、これが何の数字かご存じでしょうか?この数字は、組織のメンバーが1人離脱した場合に出る損失額だと言われています。

この内訳ですが、一般的に1人当たりの採用コストは低く見積もっても約50万円と言われています。また、入社後にかかる教育コストは約50万円。さらに1年間そのメンバーが生産性高く業務を全うしたならば、600万円の付加価値があると言われています。これらの合計が700万円です。

この700万円は、皆さんが数値化していない部分だと思われます。実際にメンバーが離脱したら”1人辞めた”というイメージしか残らないと思いますが、この数値は、是非ご認識いただければと思います。

3つの制度を連動させる

人事評価制度とは、等級制度・報酬制度・評価制度の3つが連動する仕組みのことです。人事評価制度に基づいた、「明確な評価」がメンバーのモチベーションにも寄与すると考えられています。

しかし、「今働いている会社で仕事に対してやる気が出ているか?」というアンケートを行ったところ、「やる気が出る会社です」と答えた人は4割に満たなかったんですね。つまり、多くの会社は「明確な評価」ができていない可能性が高いということです。人のモチベーションは、生産性低下や離職率にも大きく影響すると言われているので、深刻な問題です。

 

ハーズバーグの二要因理論

モチベーションに関してですがハーズバーグの二要因理論というものがあります。これは、動機付け要因(満足要因)と衛生要因(不満足要因)という2つの要因からなるものです。

 

 

満足要因には、達成感や責任感、承認などが該当します。この要素があることで仕事の満足度が上がると言われています。反対に、衛生要因である人間関係や健康、休日は、あっても満足度には繋がらないと言われています。給料もそうです。実際、給料が上がったら嬉しいと思いますが、その嬉しさはとても短期的なのです。

モチベーションを上げるためには、目標に対して成し遂げたという達成感、成し遂げたものをしっかり評価されるという承認、これらが満足度に繋がり、モチベーションの向上に繋がるのです。逆に衛生要因は、なかった場合に不満足に繋がると言われています。動機付け要因と衛生要因の2つのバランスをしっかりとること、これが組織運営に必要な要素なのです。

メンバーの離脱を防ぐ組織の基盤を作る


僕たちは、評価シートに数値化した達成基準を明記したり、3ヶ月後もしくは半年後にここまでできている状態を目指しましょうという状態定義を各メンバーごとに設計しております。この目標を達成したか否かが評価され、報酬テーブルに連動するような仕組みを作っています。

また、皆さんからは「評価制度の目標設定はどうしたらいいですか」という質問が非常に多いです。目標設定もかなり重要ですし、ここが明確に設計できないと失敗してしまうケースとしては多いです。しかし、達成した後どうなるかという未来の軸を作っておかないと、メンバーも路頭に迷ってしまう事になりかねません。

ご相談の中で多いのが、成果と給与の連動、専門職や内勤者の評価が難しい、評価者のスキルにばらつきがあるなどの課題です。これらの課題を放置したことによる弊害、最終的にどうなるかというと、メンバーが離職することに繋がってしまいます。だからこそ僕たちは、人材が離脱しない組織の基盤を作っていきたいと考えています。

エンジャパンさんが出してる本音の退職理由のアンケート結果には、1位が報酬を上げたい、2位は人間関係、3位は会社の将来に不安を感じると出ています。もしそれぞれに基準があったならば、成果に対してどういう風に報酬を上げれば良いか分かる。上司に対しても、主観的ではなく客観的に基準に沿ったマネージメントができる状態。これらが整われます。

結論、1位から3位は人事評価制度で充分払拭することは可能です。まずは、この本音の退職理由を払拭して、メンバーの離脱を防ぐことを考えていただきたいです。
 

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