【コロナ対策】空調と換気で快適なオフィスと自宅空間をつくる

総務プロとして活躍されている金英範プロにオフィスでの「新型コロナウイルス対策(空調・換気方法)」についてインタビューしました。

  • 金英範 氏のプロフィール
  • 中間期の空調オペレーション
  • 換気で押さえるべき3つのポイント
  • コロナ禍での総務部の対応4つのポイント
  • コロナ対策を通して空気設備や換気の見直しを

金英範 氏のプロフィール

オフィス設計事務所での勤務経験を経て、米大学院へFM修士留学。帰国後、外資系証券会社を中心にいくつかの企業の総務、FMをインハウスで20年以上実践。またコンサルティング、アウトソーシング事業などサプライヤーとしての経験も豊富。

2012年メリルリンチ日本証券総務部長、2016年日産自動車コーポレートサービス統括部部長を経て、現職Workwell Technologies, Inc.の日本支社長。兼業のHite & Co.にて戦略総務、オフィス移転や自分達らしいワークプレース造り、ファシリティマネジメントの社内側アドバイザリー活動を活発に行っている。

中間期の空調オペレーション

4-5月(春期)、10-11月(秋期)は空調の世界では「中間期」と呼ばれています。この時期は外気が15-20℃となることも多く、冷暖房は使わずに100%外気で空調されているビルも多いです。

総務はコロナ禍において、省エネだけでなくウイルス対策をしなければなりません。両方を同時に実現するには、こまめにその日の天候や外気温度をチェックしながら、100%外気モードに切り替えるオペレーションを実行することが大事です。

コントロールは手作業となりますので、総務担当者はビル管理担当者と連携を図るようにしてください。

100%外気モードになることで省エネ、ウイルス対策になるだけでなく、地球環境にも、社員の方の健康にも良いですし、私のご支援先の社員さんからは「新鮮な空気を感じるので仕事が捗ります」と嬉しいお言葉を頂くこともあります。

注意すべき点として、中間期のオペレーションでよくあるケースは、冬季の運用のままにしてしまい、梅雨の時期に一気に夏運転に切り替えてしまうことです。このようなオペレーションはエネルギーの無駄且つ空気の入れ替えもない(ウイルス対策も出来ない)ので、外気を取り入れることを意識してください。

換気で押さえるべき3つのポイント

総務部として知っておくべき基本的な「換気の3つのポイント」とお勧めのアクションをご紹介させていただきます。

ポイント1:換気回数

換気回数とは「1時間に何回、その空間の空気すべてが外気と入れ替わったか」を指します。つまり「換気1回/1時間」とは、1時間に1回その空間の空気が新鮮になったということです。

以下、換気回数の目安

・通常のオフィス設計では ⇒ 0.5回程度/h
・感染症やウイルス対応 ⇒ 2回程度/h(一般ガイドライン)
・タバコ部屋など ⇒ 10回~20回/h

ポイント2:換気の種類(4つ)とポイント

一種換気=給気と排気をともに機械の設備で行う
オフィスではこれがメイン。外気の温度によって外気を混ぜる割合をコントロールしていきます。

二種換気=給気は機械設備で行い、排気は(排気口や隙間から)自然に行う
クリーンルームや病院の集中治療室などで活用されます。(オフィスでは、ほとんど利用はありません)

三種換気=給気は自然に入り、排気を強制的に機械で行う
トイレやお風呂などでの換気を指します。

四種換気=自然換気、外気を100%取り入れる方法
中間期(春や秋)などでは外気温度が冷房送風温度(15℃~20℃)に近いのでそのまま換気することが有効で、健康にも良い。

ポイント3:空気の流れをイメージ(専門的)

給気と排気を機械設備で行う一種換気の場合は、空気は空調機のリターン(排気)の方向へ流れています。オフィス空間の場合は天井リターンを行っていることがほとんどですので、排気は上へ流れていきます。

会議室などのドアを開けたら、エアバランス(正圧負圧※)にもよりますが多少の2次換気効果(一回空気が巡回し、フィルターを通した空気がもう一回流れてくること)も期待できます。(こちらはビルの管理会社にご相談ください。)

給気は自然に行い排気を機械で行う三種換気による空気の流れは、一般的にご想像できると思いますが、トイレやその他換気扇へ向かって空気が出て行くことになります。(=あらゆる隙間から新鮮な空気が入ってくる方向に空気が流れていきます)

※正圧負圧とは… 通常の外気圧より、気圧が高い状態を正圧といいます。換気において、給気のみを続けると室内に空気が送り込まれ続けるので正圧になり、排気のみ続けると負圧になります。つねに室内外の気圧を同じに保とうとするので、正圧状態の部屋からは、空気が出ていこうとします。そのため、すきま風などは入らなくなります。負圧の部屋には室外から空気が入りこもうとします。

コロナ禍での総務部の対応4つのポイント

○ビル管理会社と確認して、どこまで換気回数を上げられるかトライする

オフィスの大半は一種換気ですが、上記のとおり「外気の混ぜる割合(%)」は調整できます。ビル管理事務所や担当者と相談してぜひ「100%外気入れ替えモード」を検討してください。外気温度によってはエネルギー消費は増えますが、ウイルス対策が優先です。

〇三種換気(トイレ)の確認

ビル管理と相談し「トイレの排気をMAXでお願いします」とすることで、換気量は自然に増えますのでアクションの余地ありです。

○四種換気の推進(窓を極力あける)
○空気の流れをイメージ

新型ウイルスに限らず風邪などの感染者(疑いある場合も)は空気の流れの「川下」へ置くという配慮をしてください。ご家庭でもこのポイントは必須となります。ぜひ社内でアナウンスを。

コロナ対策を通して空気設備や換気の見直しを

ビルやオフィス設計によっては現在の換気方法にも限界がある場合も多いです。その場合は「ウイルス集塵型のフィルター」「湿度調整のコツ「VAV、ペリメータ空調のバランシング」などのあの手この手がございます。急ぎのご相談などありましたら、このご時世ですのでお気軽にお問い合わせください。可能な限りアドバイスいたします。

今回のコロナ対策をしながらも、空調設備や換気の基本を学べる機会でもあります。その意味ではコロナが去ったあとでもこの知識は今後の快適で健康的なオフィス環境を演出できる土台ともなります。オフィス環境へ責任のある総務部門としても身が引き締まりますね。

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