【コロナ対策】空調と換気で快適なオフィスと自宅空間をつくる

 総務プロとして活躍されている金英範プロに聞く「新型コロナウイルス対策」。今回は空調・換気方法について寄稿いただきました。多くの県では外出自粛も解かれ、会社への出社を再開された方も多いかもしれません。一方で、感染対策としての換気は継続する必要があります。

 普段、空調コントロールというと真夏や真冬などの季節に意識することが多いと思いますが、実は通年でコントロールすることで、ウイルス対策はもちろん、健康経営にも一役買うことができるそうなのです。

 総務プロが語る「空調と換気対策」、是非ご覧ください。

金 英範 氏
オフィス設計事務所での勤務経験を経て、米大学院へFM修士留学。帰国後、外資系証券会社を中心にいくつかの企業の総務、FMをインハウスで20年以上実践。またコンサルティング、アウトソーシング事業などサプライヤーとしての経験も豊富。2012年メリルリンチ日本証券総務部長、2016年日産自動車コーポレートサービス統括部部長を経て、現職Workwell Technologies, Inc.の日本支社長。兼業のHite & Co.にて戦略総務、オフィス移転や自分達らしいワークプレース造り、ファシリティマネジメントの社内側アドバイザリー活動を活発に行っている。

実は奥が深い「空調の世界」

省エネと換気を同時に実現

 空調的には「中間期」と言われるこの春の時期、外気が程よく15〜20℃となることも多く、冷房空調に適した温度でもあり「100%外気を導入する」ことで空調されているビルも多いです。

 省エネという観点だけでなく、換気を良くしてウイルス対策を行うのは総務業務の基本のキです。ポイントは「こまめにその日の天候や外気温度をチェックしながら、100%外気モードに切り替えるオペレーション」を実行することです。

 コントロールは手作業となりますので、ビル側との連携が必要です。外気を100%導入すると、地域やビル立地によっては「普段は感じない外のそよ風や深緑の新鮮な空気を感じます!」というユーザーの声をいただくこともあります。御社には空調担当者はいらっしゃいますか。念のため御社の空調担当者、または、ビル側と確認してみる価値があるのではないでしょうか。

 全国展開されている会社様は、この基準の確認と対応プロセスを全国で実行されると良いでしょう。地球環境に良いだけでなく、ビル内で働く社員の方の健康にもとても良いです。

100%外気モードで無駄を防ぐ

 たまにありますが、そのような配慮なしに部分的な外気導入モード(冬季の運用)のままにしてしまい「梅雨の時期に一気に夏運転に切り替えてしまう」というエネルギーの無駄、かつ、換気に悪い…というオペレーションをされているケースも散見されますので注意が必要です。

 総務部としてビル側と話し合い、何が出来るか?をぜひ検討してみてください。

換気で押さえるべき3つのポイント

 次に「換気」に関してですが、総務部として知っておくべき基本的な「3つのポイント」とお勧めのアクションをご紹介させていただきます。

ポイント1:換気の強弱は「換気回数」であることを理解しよう!

【換気回数には目安があります】

そもそも換気回数とは

「1時間に何回、その空間の空気すべてが外気と入れ替わったか」

を指します。つまり「換気1回/1時間」とは、1時間に1回その空間の空気が新鮮になったということです。

換気回数の目安としては、

・通常のオフィス設計では ⇒ 0.5回程度
・感染症やウイルス対応 ⇒ 2.0回程度が必要(一般ガイドライン)
・タバコ部屋など ⇒ 10回~20回

が適当です。

ポイント2:換気の種類とポイントをざっくり理解しよう!

【換気には実は4つの方法があります】

(1)一種換気=給気と排気をともに機械の設備で行う
 いわゆるオフィスではこれがメインとなります。外気の温度によって外気を混ぜる割合をコントロールしていきます。

(2)二種換気=給気は機械設備で行い、排気は(排気口や隙間から)自然に行う
 クリーンルームや病院の集中治療室などで活用されます。(オフィスでは、ほとんど利用はありません)

(3)三種換気=給気は自然に入り、排気を強制的に機械で行う
 いわゆるトイレやお風呂などでの換気を指します。

(4)四種換気=自然換気です。外気を100%取り入れる方法です。
 中間期(春や秋。まさしく今です!)などでは外気温度が冷房送風温度(15℃~20℃)に近いのでそのまま換気することが有効です。健康にも良いです。

ポイント3:空気の流れをイメージしよう!

 給気と排気を機械設備で行う一種換気の場合は、空気は空調機のリターン(排気)の方向へ流れています。オフィス空間の場合は天井リターンを行っていることがほとんどですので、排気は上へ流れていきます。

 会議室などのドアを開けたら、エアバランス(正圧負圧)にもよりますが多少の2次換気効果(一回空気が巡回し、フィルターを通した空気がもう一回流れてくること)も期待できます。(こちらはぜひビルの管理会社にご相談ください!)

※正圧負圧とは…
 通常の外気圧より、気圧が高い状態を正圧といいます。換気において、給気のみを続けると室内に空気が送り込まれ続けるので正圧になり、排気のみ続けると負圧になります。つねに室内外の気圧を同じに保とうとするので、正圧状態の部屋からは、空気が出ていこうとします。そのため、すきま風などは入らなくなります。負圧の部屋には室外から空気が入りこもうとします。

 給気は自然に行い排気を機会で行う第三種換気による空気の流れは、一般的にご想像できると思いますが、トイレやその他換気扇へ向かって空気が出て行くことになります。(=あらゆる隙間から新鮮な空気が入ってくる方向に空気が流れていきます)

現状(コロナ×春期)を踏まえた総務部の対応ポイント

 簡単に今の時期に総務部に取り組んでいただきたいポイントをお伝えします。

○ビル管理会社と確認して、どこまで換気回数を上げられるかトライする

 オフィスの大半は一種換気ですが、上記のとおり「外気の混ぜる割合(%)」は調整できます。今は幸いにも春の良い時期(外気温度が冷房温度と近い)なのでビル管理事務所や担当者と相談してぜひ「100%外気入れ替えモード」を検討してください!外気温度によってはエネルギー消費は増えますが、いまはそんなこと言ってられません。

〇三種換気のトイレもあなどれません。ぜひ確認してください

 ビル管理と相談し「トイレの排気をMAXでお願いします!」とすることで、換気量は自然に増えますのでアクションの余地ありです。

○窓がある場合はもちろん、四種換気を推進してください(窓を極力あける)

○空気の流れをイメージする

 新型ウイルスに限らず風邪などの感染者(疑いある場合も)は空気の流れの「川下」へ置くという配慮をしてください。家庭でもこのポイントは必須となります。ぜひ社内でアナウンスを!

コロナ対策を通して空気設備や換気を学ぼう!

 ビルやオフィス設計によっては現在の換気方法にも限界がある場合も多いです。その場合は「ウイルス集塵型のフィルター」「湿度調整のコツ「VAV、ペリメータ空調のバランシング」などのあの手この手がございます。急ぎのご相談などありましたら、このご時世ですのでお気軽にお問い合わせください。可能な限りアドバイスいたします。

 今回のコロナ対策をしながらも、空調設備や換気の基本を学べる機会でもあります。その意味ではコロナが去ったあとでもこの知識は今後の快適で健康的なオフィス環境を演出できる土台ともなります。オフィス環境へ責任のある総務部門としても身が引き締まりますね。

 総務部の皆さん、引き続き応援しています!

金プロご登壇のWEBセミナーのご案内

アフターコロナのオフィス戦略
-スペース20%−50%削減と福利厚生充実を抱き合わせることで実現する働きやすさ改革-

 コロナ禍をきっかけに広がる在宅ワークの浸透により、オフィスの意義や目的が大きく変わろうとしています。
 今回、総務のプロフェッショナルとして外資企業および日本企業の総務責任者を歴任されてきた金英範様をゲストに迎え、これからのオフィスのあり方やスペース削減と福利厚生サービス充実の両輪実現による社員エンゲージメント向上の方法、そして同時に実現させるITインフラ拡充を含めた総合戦略と計画の手順などを具体的に伺います。

▼こんな方におすすめ:
・テレワーキング成果を受けて、オフィス削減・改革をお考えの経営者・総務人事の方
・社員のエンゲージメント向上に興味のある方
・これからの不動産・オフィスのあり方価値について知りたい方

▼内容
・金英範プロによるプレゼンテーション
・Q&A
・プロパートナーズサービスのご紹介

▼日時
5月28日(木)17:00-18:00
※16:55より入室可能

▼配信方法
・zoom(申込者に配信URLをお送りします)

▼参加料
無料


サイト内検索

人気記事TOP5

プロ活用事例はこちら

新卒採用を全てオンラインで完結させる上で気を付けるべきポイントとは?

パーソルキャリアにて13年間、人事コンサルや人材紹介、自社採用などの経験を持ち、独立後はベンチャー企業の採用や人事制度・オペレーション設計などの支援をする山田 寿志 氏に、新卒オンライン採用についてお話をお伺いしました。

【コロナ対策】在宅ワークの四重苦に陥ってませんか?

総務プロとして活躍されている金英範プロに聞く「新型コロナウイルス対策」。今回は「テレワークにおける体調管理」についてコラムを寄稿いただきました。

【コロナ対策】空調と換気で快適なオフィスと自宅空間をつくる

総務プロとして活躍されている金英範プロに聞く「新型コロナウイルス対策」。今回は空調・換気方法について寄稿いただきました。

勤怠管理は?生産性は?「リモートワークあるある」と総務の使命とは

前回、「コロナ禍は「働く場所」再考のチャンス?総務はオフィスをプロダクトと捉えよ」の記事でサービス開発の観点でオフィスを開発すべきと説いた元WeWorkのワークプレイスストラテジストの本田優様と元アマゾンジャパンのデータサイエンティストの須崎博紀様に、今回はテレワーク下で求められる勤怠管理や生産性の可視化、そしてこれから必要な総務としての使命について伺いました。

【オフィス新時代】今こそ「スペース削減と福利厚生充実」のチャンス

在宅ワークの拡大により、オフィスの目的や存在意義が問われています。この度、外資系企業の総務責任者を歴任されている金英範プロに「オフィス削減と福利厚生充実による社員活性化」をテーマにコラムを執筆いただきました。

全26件中 1〜 5件を表示