【CEOコーチに訊く】どんな状況でも「決めたことは、実現する」

 緊急事態宣言の解除後も、連日新型コロナ感染者の報道が続いています。第2波、第3波の懸念もある中で、これからはまさに「新しい日常」を構築していく時機にあると言えます。コロナ感染を警戒しながらどのように経済活動を行っていくのか、経営者の皆様にとっては難題に直面している状況かと存じます。

 このたび、CEOコーチの久野和禎様に、経営者から一番いただくお悩みや、CEOコーチとして伝えていること、今後経営者が事業を展開していくにあたっての心構えをお伺いいたしました。

久野和禎(ひさの かずよし) 氏
コノウェイ株式会社 代表取締役社長 プロコーチ/講演家
一般社団法人フィードフォワード協会 代表理事 一般社団法人コグニティブコーチング協会 副代表 テンプル大学講師(認知心理学:コーチング) 東京大学経済学部卒。筑波大学MBA(International Business専攻)首席卒業。大学卒業後に起業、2社を並行して経営した後に人材系企業を経て、複数の外資系大企業で多様なマネジメントポジションを担う(タイコエレクトロニクス(米)、フィリップス(蘭)、ビューローベリタス(仏))。ProFuture株式会社(旧HRプロ)の常務取締役 兼 COOを経て、コノウェイ株式会社を創業、代表取締役社長に就任。認知科学を基礎とした自社ブランドの「CEOコーチング®」「ゴールドビジョン®メソッド」「フィードフォワード®」の普及を図っている。大企業社長、中小企業社長からサラリーマン、OL、一流スポーツ選手やトップアーティストまで幅広い対象のクライアント層に対してコーチングを行っており、グループ、マンツーマンで数千人に対してのコーチング実績を有する。

◆著書
『CEOコーチング』(日本経済新聞出版社)、 『ゴールドビジョン』(PHP研究所)、『「組織が結果を出す」非常識でシンプルなしくみ』(開拓社)、『いつも結果を出す部下に育てるフィードフォワード』(フォレスト出版)がある。

経営者は「立ち止まらない」

ーーまず「経営者が今悩んでいること」について教えてください。

 1つ目に売り上げ減少、2つ目にテレワークなどの働き方・オフィスのあり方、そのほか新規ビジネスの作り方、お金の借り方・集め方があります。新規事業は新サービス・新商品の話と、新販路(海外を含めた販路)の話ですかね。人材育成も当然相談としてはありますね。

ーーご専門はコーチングだと思うのですが、ご相談内容は経営の領域含め多岐に渡るんですね。

 僕はCEOコーチングが専門ですから、経営全般のコーチングを行っています。

ーー久野様がコーチングを通して今の状況に対して提供されている価値とはどのあたりにあるのでしょうか。

 自粛期間中も基本的には2パターンありました。

 コーチング自体はずっと続けているんですが、「どうしても今だから会いたい・続けたい」という方と、「ちょっと1〜2ヶ月延期しましょう」という方2パターンいらっしゃるんです。

「今だから続けたい」という方の中には危機を感じていらっしゃる方もいる一方で、チャンスを感じている方もいらっしゃって。

 困った状態も起きていて、ある分野では業績が落ち込んだりしているけれど、別の分野でチャンスを見出してそこに力をかけている方も多いので、基本的に「経営者は立ち止まらない」ということが最重要であると考えています。

 立ち止まらないで顔を上げて、世の中を広く見ている分にはチャンスは広がるもので、チャンスが見えてくればそれに取り組んでいくことでまた動いていく、ということがよくわかります。

 当然ながら、ちょっと失速やスピードが落ちる事業分野に関しては、そのスピードを落とさないように、売り上げが落ちすぎないように、メンバーのモチベーションが下がりすぎないようにケアをすることが重要です。

 それと同時に、新しい分野が必ず生まれてきている中で、そこに光を見出しながらメンバー・社員とともに進んでいくということが、経営者に求められていることですね。

「テレビは見ないでください」

ーー久野様からはどのようなアプローチでお話をされるのでしょうか。

 基本的には「自分の頭で社会の情報をみましょう」ということを言っています。一番基本としているところは「とりあえずテレビを見るのはやめてくださいね」と伝えています。

 テレビはいろんな意図があるので言及はしないですが、「テレビの言うことを経営者が信じてもしょうがないでしょ?」とは伝えてます。それよりも経営者は2段も3段も高い視点で物事の先を見ていかなければいけないので、テレビを見ている経営者は間違えますよね。

 そうすると色々な情報を自分で整理して考えたときに、この先が見えてくる、未来が見えてくるので、そうすることによって自分なりのアプローチを作ることができます。

 幸い日本の新型コロナウィルスの状態は他国と比べると悪化していないので、別に普通にやっていけば大丈夫なんです。過度にびっくりして縮こまることの方がマイナスが大きいので、そこまで大騒ぎする必要はないんですよね。

 だから、そこを自分で確信して、自分で社員に伝えて、社員とともに顔を上げて進んでいけば、むしろチャンスが転がっていることに気がつくんですよ。

ーーそういったニュートラルな状態が作れるように伴走されるということですか。

 そうですね。

自分が決めたことは実現する

ーーより不確実性が増す状況の中で、経営者へのメッセージはありますか。

 基本的には自分が決めたことは実現するようにできています。脳の仕組上そういう風にできていて、私のCEOコーチングは脳と心の仕組みを基盤としているので、自分が「こうする」と決めれば時間がどれくらいかかるかは別として、そうなっていくし、歴史上何かを成し遂げた人はそのように思って、普通に実行しているんですね。

 それに対して「そんなことない」という教育を受けてきているからそう思えないだけであって、自分が決めたことというのはそこに向かって着実に進んでいくということなんです。それは外部の環境がどうであろうが関係ありません。

 戦争があろうが地震があろうが、たとえウイルスが増えて広がろうが関係ないのです。もちろん、スピードは遅くなったり、もしかしたらハードルや苦労は多いかもしれません。

 そうだとしても、決めたことに対して進んでいくことに対しては変わりはありません。特に影響はないということをお伝えしたいですね。

 もちろん到達までの道が多少凸凹しているのでハードルは感じるかもしれないのですが、「何が違うの?」という感じです。社長をそう思い込ませるというよりは、普通にそういうことになっているんですよ。例えば、「今晩ラーメン食べたいな」と思ったら食べられるじゃないですか。

コロナ禍は自分を鍛えるチャンス

 それはあまりに簡単な例ですが、もう少し大きくなって「来年会社を立ち上げたい」と思うなら立ち上げられるし、「売り上げを1億に伸ばしたい」と思うなら1億に伸ばすことができるんですよ。

 それができない理由を見つけるのではなく、できるということを知っていればできるんです。そういう意味ではコロナ禍は自分を鍛えるチャンスかなとも思うわけです。

 何もない時よりは鍛えられますので、今着々と進む力が高まっているのであれば、コロナが収束した際には前よりも早く走れる、ということが起こりえます。マラソンの高地トレーニングと一緒ですよね。酸素の薄い場所でトレーニングを積んでいれば、平地に出たときにより早く走れます。

 大事なことは事業を潰さないことなので、存続さえしておけばコロナが収束したときに逞しくなれます。むしろ楽しんでやって欲しいですね。もちろんヒリヒリはすると思うんですが、乗り切れるようであれば乗り切るようにやっていくということが基本ですかね。なので、「心配しなくても大丈夫ですよ」とお伝えしたいです。

「世界の日本」を取り戻す好機

 もう一つ追加してお話すると、ある意味では日本はすごくラッキーなんですね。なぜ日本が欧米のようにコロナが広がっていないかという点については解明されていないのでわからないのですが、ラッキーなのは変わりません。第2波・第3波が来ても変わらないんですよ。基本的には変わらない。どんなに変異しても変わらないわけです。

 そうすると、世界の中で日本が頑張らないといけないわけですよね。リーダーとして頑張っていく必要があると思います。

 中国や日本のようにコロナによるダメージが劇的ではない国が率先して経済としてしっかり立っていかないといけません。

「日本人ちょっとダメだったよね」という20〜30年間を経てしまいましたが「やっぱり日本はすごいよね」ともう一度言ってもらうチャンスだと思うので、ここでもう一度しっかり両足で立って、世界の皆さんに勇気を与える存在になって欲しいなとお伝えしたいですね。

 震災の時に日本はたくさん助けてもらいました。

 幸いコロナでの傷は浅いので、今度は私たちを起点に世界経済を回すくらいの意気込みでやってみてはどうでしょうか、とご提案したいです。

\久野和禎 氏に"無料"相談が出来る/

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