事例紹介

大成株式会社 × 株式会社ヘッドウォータースの導入事例

社内外問わず「自ら発信する」ことを心がけるように (職種:営業、留学頻度:週1日、留学時:入社12年目)
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受け身の姿勢ではなく「自ら攻める」という動き方を学んでもらう
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プロパー社員が多く、他社を知らないため、視野が狭くなりがち
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スピード感が向上し、自ら発信する頻度が格段に高まった
他社留学を終えて元の職場に戻った「卒業生」と「送り出した人」にインタビュー。「留学前」「留学中」「留学後」のそれぞれの想い、そして「留学後に何が変わったか」「留学先で学んだことがどう活かされているか」について、体験談を語っていただきます。
今回お話を伺ったのは、総合ビルメンテンス事業を手がける大成株式会社。清掃サービスを手がける事業部で、課長代理として何十件もの現場の管理・監督を務める木村光介さんが、まったく異なるカルチャーを持つITベンチャーへの留学を経験しました。
大成株式会社所属 大成株式会社
留学先 株式会社ヘッドウォータース
他社留学期間

週1回/3カ月(2018年8月~10月)

留学した人 木村光介さん(留学時:入社12年目)
送り出した人 代表取締役専務・加藤憲博さん
直属上司・小澤雄一郎さん(クリーンカンパニー 東京事業部 部長)
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受け身の姿勢ではなく「自ら攻める」という動き方を学んでもらう
【他社留学 Before】
まずは代表取締役専務・加藤憲博さんに、なぜ他社留学を導入したのかをお聞きしました。
――他社留学の導入を決めた背景をお聞かせください。
加藤さん(以下、加藤) 当社はプロパー社員が非常に多いのです。他社を知らないので、大成の基準が世の中の基準であるという思い込みがあるのではないかと感じています。そこで、他社の社員になりきって働くことにより、他社のさまざまな面を見ることができる、そして、自社の良い面・悪い面にも気付くことができるこのプログラムはとても有意義だと考えました。
――他社留学で何を学んでほしいと思いましたか?
加藤 当社は長年、ビルメンテナンス事業を主に手がけ、実績を積んでいます。お客様と信頼関係ができているので、特に営業活動を行わなくても、お客様側から見積もり依頼が寄せられます。ですから、「受け身」の姿勢が身に付いているんです。ですから、「自ら攻める」という動き方を学んでほしい。
また、当社ではさまざまな新規事業にも取り組んでいます。ドローンによるオフィス巡回サービスや社員健康管理サービス、Webプラットフォームを通じたビル入居テナント向けサービス、バッテリー搭載型家具の導入など。今後も、ビルの価値を向上させるための新規事業プロジェクトを推進していきます。そのためにも、プロジェクトマネジメントのノウハウを身に付けることを期待しています。そこで、留学先企業はIT企業を希望しました。ITエンジニアたちの段取りの組み方、スケジュール管理の方法などを学び取ってくれれば、と考えました。
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プロパー社員が多く、他社を知らないため、視野が狭くなりがち
――他社留学する人を、どのように選びましたか?
加藤 今回送り出した木村君は、今の部署の前に経営企画部門で働いていたんです。「企画」の素地がすでに身に付いているので、プロジェクトマネジメントを学ぶにあたって吸収しやすいのではないかと考えました。そこで直属の上司である小澤さんに打診したのです。
直属上司・小澤雄一郎さん(クリーンカンパニー 東京事業部 部長)
小澤さん(以下、小澤) 他に推薦したい人がいるならその人でも構わない、とのことでしたが、私も木村君が適任だと思いました。他社留学は週1回ペースということで、本業と留学先の仕事を併行していかなければならない。それはとても大変でしょうが、木村君は柔軟性があるので、適応できるだろう、と。前向きな向上心も持っているので、他社を経験することで視野を広げてくれれば、と期待しました。
――木村さんは、他社留学生として指名を受け、どう思われましたか?
木村さん(以下、木村) 最初に頭に浮かんだのは「今の業務との両立ができるのか」ということ。また、まったく違う業界に行って、「受け身にならず、自ら積極的に行動できるのか」「受け入れ側の企業さんに対し、自分の価値を発揮できるのか」といった点にプレッシャーを感じました。
とはいえ、期待もありました。スピード感があり、各自が自立して働いている環境に身を投じることで、成長できるのかな、と。入社から10年経て、与えられた仕事をこなしていくことには自信を持っていましたが、自ら課題を見つけて、それに対して行動していくという点については、まだまだ弱いという自覚があったので。それを強化するチャンスかな、と思いました。
【他社留学中】
エッセンスからは留学先候補企業を4社提示。その中から、ロボット×AIアプリ開発でトップクラスの実績を持つヘッドウォータースを選ばれました。大成でもロボットやAIを活用した新規事業展開を模索していくにあたり、知見を取り入れたいとのこと。木村さんは営業部門に所属し、システム導入のコンサルティング業務に従事しました。
また、大成の新規事業の一つである「T-select」(Webを通じたビル入居テナント向けサービス)では、すでにヘッドウォータースとの協業も進んでいるため、その運用サポートも行いました。
――留学先では、どんなカルチャーショックを受けましたか?
木村 やはり仕事のスピード感、進め方がまったく異なっていました。日常的に、ビジネスチャットやクラウドを使った情報共有が密に行われている。また、仕事をする場所はカフェ、コワーキングスペース、あるいは在宅ワークなど、その時々の都合に応じてさまざま。そのあたりが自社にはない環境でしたので、いい意味でショックを受け、勉強になりました。
大成では、多くのパートさんが働いているので、直接顔を合わせてコミュニケーションをとることで信頼関係を築くよう努めています。「皆で一丸となって頑張ろう」と、現場の士気を高めることを大切にしています。ですから、当初、Webツール中心のコミュニケーションに対してドライな印象も受けました。けれど、対面コミュニケーションが省かれている分、スピードが速い。皆さん、思いついたことを即座に発信し、即座にリアクションするので、膨大なタスクを素早く処理していけるのだな、と。ベンチャーの「スピードの速さ」の理由に納得しました。
木村光介さん(留学時:入社12年目)
――壁にぶつかったことはありましたか?それをどう乗り越えましたか?
木村 毎週、業務の終わりに、翌週までのタスクが課題として出されるんです。しかし、本業が多忙になると、やはり後回しになってしまうことがありました。そんなとき、3日くらい前には教育担当の人に連絡し、「ここまでしかできません」と相談。すると、タスクをさらに細分化してもらって負担分を減らすなど、調整していただきました。困ったことがあったら、ギリギリになって言うのではなく、早めに相談することを心がけましたね。
――他社留学中、小澤さんからはどんなフォローをされましたか?
小澤 僕は放任主義なので、あまりフォローはしていません(笑)。もちろん興味はあったので、毎週レポートを提出してもらおうかと、最初は思いました。けれど、かなり負荷がかかりそうなので、それはやめておこう、と。仕事の合間に「どういうことをしてるんだ?」と聞く程度にとどめました。
ですから、留学先の活動についてのフォローはしていませんが、自社での仕事のフォローはしました。留学先への出社日にお客様対応をする必要がある場合など、別のメンバーに代わりに対応してもらうなどして、調整を図りました。
――他社を経験してみて、「転職」という選択肢は思い浮かばなかったのでしょうか?
木村 それはまったくなかったですね。大成で働き続けることを前提に、自分自身や大成のために役立つことを学ぼうという目的で臨みましたので、そういう発想にはなりませんでした。
とはいえ、大変ながらもすごく楽しかったので、「また行きたいな」という気持ちはあります。ヘッドウォータースさんでも、他の会社でもいいので。毎週毎週、新しいことを経験し、今まで知らなかった知識やノウハウが増えていくのは本当に楽しかったので。
――小澤さんは、木村さんが転職を考えるのでは…という危惧はありませんでしたか?
小澤 木村君なら大丈夫、と思ってました。まぁ、もし他社を経験したことでうちの会社を辞めたくなるのであれば、「そんなに違うのか。何が違うのか」と、僕らも考えなくちゃいけませんよね。
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スピード感が向上し、自ら発信する頻度が格段に高まった
【他社留学 After】
――大成に戻った後、他社留学経験はどう活かされていますか?
木村 ヘッドウォータースさんの環境を経験したことで、「スピード感」と「優先順位を付ける習慣」が身に付きました。それは戻ってからの仕事も活きています。お客様からの問い合わせへの回答、現場から上がってきた問題の解決など、以前より反応が速くなったと思います。
小澤 お客様からもスタッフさんからも外注業者さんからも、日々さまざまな相談や要望が寄せられますが、優先順位付けやスケジュール管理がうまくなったと思います。膨大な仕事を整理できている。もともと期限をきっちり守るタイプでしたが、期限を待たずして早め早めに解決することが増えています。突発的な出来事に対する反応も早くなったかな。
――木村さんの変化は、他の社員さんやチーム全体にも影響を与えているのでしょうか?
小澤 木村君には1人、後輩を付けています。入社して半年の新人なんですが、木村君の動きを見ているので、スピーディに動いていると感じます。指示されたことにすぐにとりかかり、報告も早い。
あと、留学先は「ミーティングに無駄に時間をかけない」という方針だったそうで、これは木村君から聞いて僕自身も勉強になりました。「意味のないミーティングはやらなくてもいいのかな」と気付きましたね。まとめたものを共有した上でミーティングを行うなど、効率化を図りました。
また、木村君はもともと意見をしっかり言うほうではありましたが、以前よりさらに発信が多くなりました。周りのメンバーもそれに触発されてか、いろんな意見が出てくるようになったと思います。
木村 社内外問わず、「自ら発信する」ことを心がけるようになりました。ヘッドウォータースさんでは、自分から「こうしていきましょう」「こうしたいと思います」と積極的に意見を発することも経験しました。プロジェクトの一員として、自分の担当のところで止まってしまっては、次の工程に進めない。自分の役割を責任持って自己完結させるためにも、自分自身の考えで推進することの大切さを学べました。それも、自分の中で大きく変わったところだと思います。
他社留学中、エッセンスは月1回面談を行うほか、都度サポートを行っています。
木村 エッセンスさんとの面談で印象に残っているのは、1ヵ月ほど経ったときの「もっといろいろ質問していいんですよ」というアドバイスです。それまでは、人に聞く前に自分で調べてから……と思っていたのですが、「質問することもコミュニケーションになる」と言われて、「なるほど」と思いました。それからLINEやチャットツールも使いながら細かく質問するようになりました。
会社名 大成株式会社
業種 

ビルメンテナンス

URL https://www.taisei-bm.co.jp/