事例紹介

ピジョン株式会社 × ユニロボット株式会社の導入事例

「目的思考」の大切さを学び、視野や発想の幅が広がった (職種:プロダクトデザイン、留学頻度:週1日、新卒入社9年目)
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目的
スタートアップ企業ならではの柔軟でスピード感のある仕事のスタイルや、常に新しいことを生み出していく態勢を体験し、仕事の進め方やマインドを学ぶ。また、視野や発想の幅を広げることで新たな気づきや着眼点を得るため
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背景
外の世界を観ることで新しい視座、価値観を培いたい
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効果
「目的思考」の大切さを学び、視野や発想の幅が広がった
他社留学を終えて元の職場に戻った「卒業生」にインタビュー。留学中、留学後の想い、そして「留学後に何が変わったか」について、体験談を語っていただきます。
今回お話を伺ったのは、ベビー用品全般を扱うピジョン株式会社。同社でプロダクトデザイン担当として勤務する大原さんが、AIロボット「unibo」をはじめ,コミュニケーションテクノロジーの事業を展開するベンチャー企業への留学を経験しました。留学先のHPリニューアルサポートを通じた企業ブランディング向上プロジェクトに参画いただきました。
所属 ピジョン株式会社
留学先 ユニロボット株式会社
他社留学期間 週1回/3カ月(2020年9月~11月)
留学した人 デザインソリューション部 クリエイティブデザイングループ 大原将友さん(留学時:新卒入社9年目)
送り出した人 デザインソリューション部 クリエイティブデザイングループ マネージャー 正木久美子さん
――今回の他社留学は公募制で決まったと聞いておりますが、なぜ自ら手を挙げたのですか?
大原さん(以下、大原) そうですね、私自身、自ら課題を見つけて、それに対して行動していくという点については、まだ弱いという自覚があり、それを強化するチャンスだと思ったので手を挙げました。昨年、担当のデザイン開発業務の他に、他メンバーのサポート役として部分的なディレクションを任せられたことがありました。1担当者とは違った考え方、業務スタイルが求められ、俯瞰して状況を見る経験は自分の考え方に変化をもたらしました。担当業務を要領よくこなすだけでは変化は生まれない、自分から柵を飛び越えて働きかける必要性を痛感した1年でした。
また一方で、昨今、要領よく仕事を進めることが多くなったような気がしていていたのですが、自分自身の納得感、こだわりを持った仕事がしたい思いも強くありました。ベンチャー企業に身を置くことで、意識変化と自身の研鑽につなげたいと思い、チャレンジすることを決めました。
-―留学先にはどんなことを期待して留学をしたのですか?
大原 私は所属企業でプロダクトデザインを担当しています。異なるスタイルや思考法、スタートアップ企業ならではのスピード感やタスクマネジメントを学び、ピジョンにおけるデザイン開発の在り方を考え直してみたい、場合によっては応用できないかという思いを持っていました。また、加速する市場変化の中で、商品の新奇性と開発スピードはとても重要であると感じていたので、異文化に飛び込むことで、改善のヒントをつかみ取り自社に還元したい思いも強く、高い期待も持っていました。
――3ヶ月の留学を終えて元の職場に戻られましたが、この3ヶ月の留学期間を振り返ってどうですか?
大原 そうですね、3ヶ月を振り返ってみると、少しの達成感を感じた一方、「全力でやり切った」とは言えない部分があります。できることはやったと思いますが、最後の1ヶ月でモヤモヤとした気持ちが生まれ、気づきによって晴れたり、留学が終わったと思ったら後悔が残ったりと、、、ハッピーエンドのドラマではなかったと思います。ただ、失敗や後悔から得られた気づきは体に染み込むものなので、忘れてしまうことはないと思います。留学期間中は、伴走者との面談で「目的意識」について話せたのがとても大きかったです。留学先から評価してもらった自身のスキルは社外に出たからこそ価値があるとわかったことですし、やっぱり良い経験になったと改めて思います。
(写真右 大原様)
――所属企業と留学先企業の違いはありましたか?
大原 所属企業では、良い悪いではありませんが、仕事の範囲が明確に分かれており、自分の守備範囲が決まっています。ベンチャーでは、個人にすべてが任されるので、断片的に仕事に関わることとの違いを体験することができました。仕事が分断されると目的意識も曖昧になりますし、全体が見えないだけに停滞感が出てしまう、ということもわかりました。
留学期間中は、自分が任された業務に関してどう進めていこうか?ということに意識が向いていたので、停滞感はありませんでした。例えば、ピジョンでの仕事なら、これまでの経験もありますので先が予測しやすい、このままいけばこうなるよね、みたいな落としどころがわかります。でも、留学先では、落としどころが見えないし、その一方で成果を出さないといけない緊張感もあり、非常にエキサイティングな関わり方をしたと思います。
――先ほど伴走者との面談の話が出ましたが、大きな気づきがあったとのことでしたね?
大原 留学期間中に伴走者と面談させてもらったのですが、「目的思考の大切さ」に気づくきっかけになりました。自分にとってはとても大きな気づきでした。また、最後の1ヶ月となった時点で自分が去った後のプロジェクトについても考えるようになり、停滞してしまう懸念を抱いていたのですが、伴走者と面談することで「他責で考えてしまっている自分」がいることに気づかされました。これがきっかけで、残りの留学期間を全力でやり切ることができました。
こういった気づきを得られるのは他社留学ならではだと思いました。目に見える知識やスキルではないものの、体験を通じて身に沁み込むものなので、消えることのない価値だと思っています。
――今回の留学で、ご自身の目標であった「柔軟でスピード感のある仕事のスタイルを学び、常に新しいことを生み出していく態勢を身に着ける」ということは達成できましたか?
大原 そうですね、最初の1ヶ月は自社とのギャップを感じて、スピード感のある仕事のスタイルを体験するに留まりましたが、1ヶ月目以降は、60%の出来だったとしてもメンバーに共有し、意見を求めるような仕事のスタイルを意識して行動しました。そうすることで手直しは多いものの、軌道修正が容易になりスピードを上げることもできたと思います。
また、新しいことを生み出す意識として「組合せ方」が1つの重要な要素ではないかと思いました。組合せの選択肢を広げるためには、多方面における情報収集と分析、固定概念で候補を早々に捨ててしまわないことも大切です。今後は、チーム単位のアジャイル開発の要素を取り入れ、進んでいたとしても戻れる余白を残した進行方法を考えていきたいと思っています。
――もう1つの目標であった「異なる業界におけるアイデア発想や情報収集の手法を学び、視野と発想の幅を広げる」ということについては、いかがでしたか?
大原 先ほどお伝えしたことと関係しているのですが、何かを始めるときに情報を集め始めるのではなく常日頃からアンテナを張っておくことが大切だと思いました。今回コミュニケーションデザインについて考えることが多かったのですが、普段意識的には見ていなかった雑誌や広告などから着想を得たり、メンバーとのコミュニケーションから得た特性などがヒントになったりしました。
――所属企業に戻られましたが、今後留学で学んだことをどのように活かしていきたいとお考えですか?
大原 先ほどお話したことを自身の仕事に活かしていくことはもちろんそうなのですが、今、社内課題の解決とデザインをつなげることを企画検討しています。通常、業務範囲内でデザインできることは限られています。でも、デザインで解決できることはもっとあると思っています。例えばオフィス環境を整えるために、デスク周りの整理整頓を促すお道具箱をデザインし3Dプリンターで作ってみたり、アルコール消毒がしやすいホルダーや在宅勤務推進のためのポスターなど、、、こういうチャレンジを積み重ねていくことでデザイナー自身のスキルアップや、社内的な価値も高まり、守備範囲を広げることに繋がっていくと思います。
また、こういった活動が小さな達成感を感じられる機会になり、モチベーションに繋がっていくのではと思っています。今回の留学で学んだことを周りにどう伝えていこうか、どういう方法を取ったらいいか迷っていましたが、デザインの可能性を引き出す活動を通して、自分が今回の留学で学んだことを体現するのが一番だと思いました。

関連記事: 大原様 留学中インタビュー(1ヶ月経過時) http://nanasan.essence.ne.jp/release/2883.html

会社名 ピジョン株式会社
業種  育児・マタニティ・女性ケア・ホームヘルスケア・介護用品等の製造、販売および輸出入、ならびに保育事業
URL https://www.pigeon.co.jp/