事例紹介

株式会社ニフコ × 株式会社A.L.I.Technologiesの導入事例

「仕事はもっと面白くできることを学び、自信を得ることができた」 (職種:設計開発、留学頻度:週1日、留学時:中途入社3年目)
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目的
組織としての仕事の在り方、0→1にする発想力、モチベーションの向上と維持の方策について学ぶ
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背景
自動車業界は100 年に一度の大変革の時代を迎えているため、同じ目的に向かう個々や組織の意識を変化させ、自走力を持ったクリエイティブな技術者の育成が必要だった
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効果
自分の強みを活かし貢献できたことで今後の自信につながった/仕事はもっと面白くできることを学んだ
他社留学を終えて元の職場に戻った「卒業生」にインタビュー。留学中、留学後の想い、そして「留学後に何が変わったか」について、体験談を語っていただきます。
今回お話を伺ったのは、株式会社ニフコ。他社留学を経験したのは、設計開発に携わる富田 陽登さんです。空飛ぶバイクの開発やコンピューティングパワープールの開発、ドローンやAIを用いたソリューション提案など今後のグローバルで必要不可欠となるであろうプロダクトの研究開発・展開を行っているベンチャー企業、株式会社A.L.I.Technologiesへの留学を経験しました。留学中は、エアーモビリティ、ドローン・AI、演算力シェアリング、戦略・技術コンサルティングに関するプロジェクトに携わりました。
所属 株式会社ニフコ
留学先 株式会社A.L.I.Technologies
他社留学期間 週1日/半年間(2020年9月~2021年2月)
留学した人 商品技術センター 商品技術課 富田 陽登さん(留学時:中途入社3年目 )
送り出した人 技術開発センター 技術主幹 根津 幹夫さん
――まず初めに、半年間の他社留学に参加してみて、いかがでしたか?
富田さん(以下、富田) 単純に・・・楽しかったです。本当に楽しかったです!全く違う環境があるという前提の中で参加しましたが、プロジェクトでご一緒させていただいた方や他のセールスの方など、留学先の皆さんとコミュニケーションが活発にできたのが楽しかったポイントだと思います。皆さん良い人ばかりで、話を聞いてくださったり、話をしてくれたりしました。あとは、ドローンという自分の経験がゼロの分野、何もできない分野で、ちょっとずつ成果を出して、できることが増えていって、目に見える形で成果が感じられた。さらに、それに対してお褒めの言葉があって、という流れがあったので、楽しかったんだと思います。もしかしたら、留学先の配慮があって、本当の厳しい部分には触れないように甘やかされた部分もあったのかもしれないですが。留学を終えた今、留学以前よりも前向きに仕事に取り組めている気がします。
-―留学中の半年間は、実際どんなことをされていたのですか?
富田 初めの頃は既存部品を樹脂化する為の材料の選定などを任せて頂き、少量生産という制約の中で工法含めた提案をしていきました。留学先では、今まで樹脂材料を扱ったことが少ないとのことだったので、試作メーカーの紹介や各種工法の製品形状の制約など説明したのが始まりです。その他3Dプリンターを使用した部品製作が多かったため、3Dプリンターの推奨材料の提案や、推奨プリント方式の提案なども行いました。少し慣れてくると、ドローンに装着するアフターパーツの設計も任していただけるようになり、形状検討から発注、組付けまで行いました。その後のドローンの試験飛行の立会、その場でのチューニング対応やドローンの組立など行い業務の幅がどんどん増えていき、毎回ワクワクしながら出勤していました。転職経験があるということを伝えると、人事方面の業務も頂けるようになり、新規転職エージェントの開拓などを任せて頂くこともありました。
――今回週1回の留学ということで、現職との両立はいかがでしたか?
富田 上司の理解もあり、大きな困難というのはありませんでした。まだまだ社内で他社留学が浸透しているわけではないので、周りの反応はもっとドライだと持っていたのですが、周りの人たちが自分の留学に興味を持ってくれて、反応が思ったよりありました。上司にスケジュールについて相談しても、やりたいことをやらせてもらえるよう対応してもらえましたし、上司に恵まれたと思います。
(写真 富田さん)
――この半年間でどんなことを学びましたか?
富田 本当にいろいろな部分で学べることがありました。本質を意識して考える、モチベーションコントロール、0→1の発想力、度胸などが身に付いたと思います。これまで自動車業界にいた経験が長いのですが、ドローンは全く違う業界で、面白く、知見を広げることができ、好奇心が広がりました。また、自分の秀でている能力を再確認することができました。コミュニケーションの部分であったり、環境に適応しやすい部分であったり、どこでも対応できる、環境が変わってもいけるんだと再確認できました。ニフコ内だったらできたのに、他の会社ならできたのに、と悶々とするようなことはなかったです。成長と言いますか、成長のきっかけになりました。
この経験を通して、新たな環境でもコミュニケーションを取って、自分ができることを着実にやってチームに貢献していくことができる、という自信がついたと思います。4月から組織が大きく変わり、上司も変わって新しい環境になったのですが、今回の留学が活きてくるのかなと思います。
――留学前と留学後の変化について教えていただけますか?
富田 伴走者から「富田さんが行く前と行った後だと言葉が全然違う、ものすごくポジティブに見える」と言っていただきました。自分だと変化に気づかなかったので、そう言ってもらえて良かったと思っています。今回の留学を通して、もっと仕事を面白くしていけることがわかったし、自分の能力やキャラクター、コミュニケーションなどが他社で通じることがわかって自信がついたのもあります。以前は新しいことを始めることに対して面倒だなと思うこともありましたが、今なら「なんとかなるんじゃないかな。こういう状況だったら、自分はこういう働きかけをしよう」と思えます。
留学当初は全く異なる環境で自分の力を試さないといけないので緊張感があったのですが、留学の途中で留学先に慣れてしまって淡々と関わっている時期がありました。でも、これでいいのかなと考え直し、リセットしたタイミングがありました。変化できたのはそのタイミングだったのかもしれません。変化したのは周りの影響が大きかったんだと思います。皆さんすごい方ばかりだったので、その中で自分だけこれでいいのか、って思わされました。
――留学先にどのように貢献できたと思いますか?
富田 これまで留学先は樹脂に関する知見があまりなかったようなのですが、今回自分が関わったことで樹脂に関する知見をお伝えできたと思います。具体的には、樹脂を使った方がいいこと、使わない方がいい、もしくはできないことの再確認ができたそうです。最後には、「富田君のおかげで樹脂について知ることができた。前は何から始めていいかもわからなかったけど、今はどう進めていけばいいかわかるようになった。」と言ってもらえました。ベースの知識だけではなく、試作メーカーを紹介したりもしたので、そういった部分でも貢献できたと思っています。
――今後に関しての想いをお聞かせください。
富田 今期から大きな社内の組織変更がありまして、全く違う組織になったんです。知っている人も一部いますが、これまで関わってきた上司や同僚と離れ、また違うメンバーと一緒に仕事をすることになりました。中堅という立ち位置で自分はどんなことができるだろうと探っているところです。特に、技術的なことよりメンタル的な部分、周りを盛り立てること、組織の活性化、本質を意識することを語るなど、留学先で学んだそういったことが役に立てるのではないかと思います。ニフコは案外ベンチャー的で、個人主義的なところがあります。技術の蓄積が個人に紐づいてしまっていて、コミュニケーションで改善できることはたくさんあると思っています。
また、今後も引き続き、自動車業界だけでなく他業界の動きも観察することは続けたいと思っています。成長したいということよりも好奇心が大きいです。全然違う業界だと、働き方や考え方自体が全く異なっていて、技術的なところ以外でもたくさんの良い刺激があって、取り入れられることがたくさんあることがわかりました。例えば、自動車業界以外をお客様としていた技術者の方が自動車業界向けに仕事をしたら品質面で非常に苦労した話なども聞くことができました。今回の留学を通して、異分野、異業界に触れたことは純粋に楽しかったので、今後も継続して知見を広げていきたいと思っています。
――もし、もう一度他社留学に行けるとしたら応募しますか?
富田 もちろんです。今月からでも行きたいくらいです(笑)。また同じ留学先に行くのもいいですし、他の留学メンバーの話を聞いて、他の業界も面白そうだと思いました。逆に、当社よりも大企業に行っても環境の違いがあって面白いかもしれません。環境が変わるところならどこでも楽しいと思います。
――どんな人に他社留学を勧めたいですか?
富田 他社を経験してない役職者の方に参加いただくのがいいのではないでしょうか。影響が大きいと思います。私自身は転職経験がありますが、転職経験のない人が参加すればもっともっとインパクトがあって、変わると思います。他の会社のやり方を知ってそれに合わせて動いていく経験があるといいなと思います。他の会社のやり方を経験することで、もう一つの正解が見えてくるんですよね。どのやり方が正しい・間違っているということではないこともわかってきます。
当社は個人主義的なところがあって、組織全体で動いていく部分がちょっと弱いと感じています。そのため、当社よりも大きい企業に行って組織全体で動いていく経験をしてもらうとか、ベンチャーでHR系の業務に携わってもらうとか、そういった異なる環境に行くことで面白い化学反応があるのかなって思います。当社の社員は個人で動ける人が多いので、どこに行っても大丈夫だと思います。
今回の留学もそうですし、同時期に留学したメンバーたちとのワークショップも含め、悪い想い出はなくて、全部が楽しく、参加して本当に良かったです。今年度も新たに他社留学の公募があると聞いているので、同時期に留学したメンバーと共に留学経験者として関わっていきたいと思っています。自分の変化があってもすぐに会社全体が変わるわけではないことはわかっているので、留学中の気持ちを継続させて、小さな変化を積み上げていくことが大事だと思っています。
<留学先責任者からのコメント>
~株式会社A.L.I.Technologies Edge Robotics本部 事業開発ユニット 林晋作様、経営企画本部 人事ユニット 徳永綾乃様より~
今回、ドローンの組み立てや客先向けのオプションの設計などをお任せしましたが、樹脂の知見が当社にはなく、富田さんに教えてもらったことが非常に多くありました。また、試作メーカーを紹介していただき、とても助かりました。最初は馴染めない部分もあったと思いますが、パーツの設計などで話すきっかけも増えて、自ら仕事の進め方、方法について意見を持ち、それを提案していただけたように思います。お任せしたことに対して真面目に対応していただき、最後まで責任を持って遂行していただきました。こちらからの問い合わせに対しても迅速に対応していただきました。いろいろ動いていただき、ありがとうございました。
会社名 株式会社ニフコ
業種  工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密成形部品の製造・販売
URL https://www.nifco.com/