CxOの意味とは?CEO、CFO、CTOなど主要15役職の意味と役割まとめ

経済のグローバル化が進展する昨今、国内の企業においても、「コーポレートガバナンスの機能強化」や「意思決定の迅速化」の重要性が問われています。その対応の一環として、CxOの設置が広まっています。
 
本記事では、CxOとは何を指すのか、どのような役割を持つのかなどのほか、主要なCxOの内容を解説します。

CxOとは

CxOとは、「Chief x Officer」を略した言葉です。
Chiefには組織の責任者という意味があり、Officerには執行役という意味があるため、CxOは、企業における「x」という役割や業務に関して最高位の地位に就く人を指す言葉です。日本語では「最高〇〇責任者」という言葉で表されます。

CxOと取締役・役員の違いは

CxOと取締役・役員は似たように感じられますが、実際は法律上の根拠の有無に違いがあります。

取締役は会社法上選任しなければならず、役員も会社法で該当する役職が定められていますが、CxOにはそのような規定はありません。

CxOは、企業が最適な業務を執行するために独自に設置する役職なのです。

根底にある考え方は

CxOの設置は、コーポレートガバナンスの徹底のために経営の監視役と事業の執行役を明確に分離する経営体制を敷く目的で、1980年代にアメリカで広まりました。

日本においては、1997年に、日本の総合電機メーカー が取締役会の機能強化を図る目的でCxOを設置したことが始まりだといわれています。

CxOを設置するメリットは

CxOを設置することで、以下のようなメリットを得られます。

経営と現場のつなぎ役ができる

業務の執行は、経営者が決定した方針に基づく必要があるため、現場の従業員はその方針を正確に理解しなければなりません。

一方で、経営者が方針を決定する際は、現場の混乱を防ぐため、現場から理解が得られるような内容である必要があります。

そこで、CxOがつなぎ役を担い、経営者が決めた方針を現場の従業員に伝え、また現場の声を経営者に伝えることで、経営者は現場の状況を理解した方針を決定でき、現場の従業員も決められた方針を正確に理解できるようになります。

責任の範囲が明確になる

CxOを設置することで、それぞれの責任者が管轄する業務の分野が明確になり、責任の範囲も明確になります。

そのような体制を構築することで、CxO自身が持つ専門的な能力やノウハウなどを最大限発揮しやすくなり、管轄する分野の業務執行を的確かつ効率的に実施できるようになります。  

経営と業務執行の役割を分けられる

事業の方針や計画に基づいた業務の執行管理をCxOが担うことで、取締役は経営業務に専念できます。

するとコーポレートガバナンスの機能強化や意思決定の迅速化の実現も可能になり、環境変化に対応した事業戦略を立てるなどの重要業務に取締役が時間を割けるようになります。

よって、短期視点と中長期視点のバランスの取れた経営を行えるようになります。

CxOの主な種類15選

さまざまな業務分野でCxOが設置されています。主な15種類のCxOを解説します。

CEO

CEOとは「Chief Executive Officer」の略で、最高経営責任者という意味です。経営に関する全責任を負い、最終的な経営判断を下す役割を担う立場のことです。代表取締役社長・会長などがCEOを兼任する事例が多くみられます。

COO

COOとは「Chief Operating Officer」の略で、最高執行責任者という意味です。CEOが立てた経営戦略を実行に移すことに対して責任を担う立場のことです。CEOに次ぐNo.2の地位として扱われる事例が多くみられます。

CFO

CFOとは「Chief Financial Officer」の略で、最高財務責任者という意味です。企業経営における財務面での戦略を立てて、実行に移す責任を担う立場のことです。取締役が決定した方針に基づく事業を遂行するための予算を明らかにした上で、コストの管理を行い、必要となる資金を調達するなどの業務を行います。

CTO

CTOとは「Chief Technical Officer」の略で、最高技術責任者を意味します。企業経営における技術面での戦略を立てて実行に移す責任を担う立場を指します。
企業間競争で優位に立てる技術を明確にし、開発を行い、活用体制を整えるなどの業務を行います。

CMO

CMOとは「Chief Marketing Officer」の略で、最高マーケティング責任者という意味です。企業経営でのマーケティング面の戦略を立てて実行に移す責任を担う立場を指します。
企業全体のマーケティングに関する責任を負い、市場におけるシェア拡大やブランド強化などを実現するための業務を行います。

CSO

CSOは「Chief Strategy Officer」の略であり、最高戦略責任者という意味です。CEOが立てた経営戦略を確実に実践するための戦略を立案し責任を担う立場のことです。
CSOは中長期的な視点で、全社横断的に経営戦略を実践できる体制を立案する役割を持ちます。

CIO

CIOとは「Chief Information Officer」の略で、最高情報責任者という意味です。企業経営における情報運用面での戦略を立て、実行に移す責任を担う立場の人を指します。
社内での情報管理システムを構築し機能させるための業務を主に担います。

CHRO

CHROとは「Chief Human Resource Officer」の略で、最高人事責任者という意味です。企業経営における人事政策面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。今後の経営に必要な人材を育成し、最適な制度運用を行うなどの業務を担当します。

CCO

CCOとは「Chief Communication Officer」の略で、最高コミュニケーション責任者を意味します。企業経営における対外コミュニケーション面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。また、記者会見や顧客対応などの対外的なコミュニケーションを最適化させるための業務も担当します。

CAO

CAOとは「Chief Analytics Officer」の略で、最高分析責任者を指します。企業経営におけるデータ活用面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。必要なデータを収集し的確な分析を行うことで、経営課題を解決するための戦略を立案します。

CPO

CPOとは「Chief Privacy Officer」の略で、最高プライバシー管理責任者を意味します。企業経営での個人情報保護面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。最適な個人情報保護管理の体制を立案し、個人情報漏洩による経営上のリスクを回避するための業務を担当します。

CISO

CISOとは「Chief Information Security Officer」の略で、最高情報セキュリティ責任者を意味します。企業経営におけるセキュリティ管理面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。最適なセキュリティ管理の体制を立案し、機密情報の漏洩などによる経営上のリスクを回避するための業務を担当します。

CBO

CBOとは「Chief Branding Officer」の略で、最高ブ
ランディング責任者を指します。企業経営におけるブランド管理面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。市場におけるブランドイメージを確立し、マーケティング力を強化するための業務を行います。

CLO

CLOとは「Chief Legal Officer」の略であり、最高法務責任者という意味です。企業経営における法務面での戦略を立て、実行に移す責任を担います。訴訟などを回避し、企業の法的リスクを最小限に抑えるための業務を行います。

CDO

CDOとは「Chief Design Officer」の略で、最高デザイン責任者を意味します。企業経営におけるデザイン運用面での戦略を立てて実行に移す責任を担います。マーケティングの効果を高めるための製品や広告などに関するデザインを立案する業務を執行します。

まとめ

CxOを設置することで、取締役は経営業務に専念できるようになります。これにより、コーポレートガバナンスを実現しつつ、事業を取り巻く環境の変化に最適に対応できる経営が実現します。

企業として継続や成長もしやすくなるため、自社にあった役職の設置を検討してみましょう。

執筆者プロフィール:
大庭真一郎(中小企業診断士、社会保険労務士)
大庭経営労務相談所 代表 東京都出身。東京理科大学卒業後、民間企業勤務を経て、1995年4月大庭経営労務相談所を設立。「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心として、企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。

エッセンスおすすめWEBセミナー

プロインタビュー記事

タグ - Tag