「社外で挑戦することによって、普段の業務では得られない新たな視点や経験を得ることができた」日本TCSユニオン田中 達也さんのプロボノ活動体験談

プロボノとは、主に大企業に勤める社員が、自身の仕事上のスキルや知識を活かして行う社会貢献活動です。
近年、幅広い職種や年齢層で広がりを見せるプロボノ。弊社のプロボノプログラムでは、参加者と受入れ先とのマッチングのうえ、多種多様な業種からのメンバーで形成されたチームをつくり、約40日間のプロボノ活動に取り組みます。
 
今回は日本TCSユニオン田中 達也さんにプロボノの体験談を語っていただきました。
新たな挑戦を求めて社外へ

——最初に自己紹介をお願いします。

田中さん(以下、田中)  現在入社5年目で、企業向けのシステム開発や運用保守の業務に従事しています。

——今回、なぜプロボノに参加したのですか?

田中 労働組合でプロボノの募集があり、通常の業務から一歩外に出て自分の実力を試したいと考えたこと、また普段の仕事とは異なる分野で新たな知見を得たいという気持ちから参加しました。

——どのようなプロジェクトに参加したのですか?

田中 白神山地ふじさと観光協会のプロジェクトに参加させていただきました。当協会は、秋田県藤里町の観光窓口として設立された団体で、世界遺産である白神山地の美しい自然や登山、ハイキングのスポット、地域の特産品などの情報を観光客に提供しており、観光案内やイベント情報の発信を行っています。私は、人の手を加えていない白神山地の自然に魅力を感じ、その魅力を発信する活動に興味を持ったため参加を希望しました。

——今回はどのようなテーマに取り組んだのですか?

田中 白神山地は青森県と秋田県にまたがる山地ですが、多くの観光客が訪れる青森側に比べ、秋田側の白神山地はまだ認知度が低い現状があります。そのため、今回のプロボノでは、どうすればより多くの人に秋田白神山地を知ってもらい、足を運んでもらえるか、という課題に取り組みました。


——プロボノに参加してみて、いかがでしたか?


田中 短期間の活動において、協会の皆さんやチームメンバーが活発にアイディアを交換する場は、とても刺激的でした。白神山地に秋田側・青森側という概念があることすら知らない状況からスタートしましたが、知れば知るほど秋田白神山地に愛着が湧き、現地に行きたい気持ちが強くなりました。

多様なメンバーと共に

——どのようなチーム構成だったのですか?

田中 メンバーは4名で、年齢層は20代から60代までと幅広く、異業界・異職種の方々が集まりました。それぞれが異なるバックグラウンドを持っていたので、視点やアプローチの仕方が多様で、充実した議論ができました。

——議論はどのように進んでいったのでしょうか?

田中 議論を進めていく過程では、協会の方がリードして進めてくださり、私たちのアイディアに対しても否定することなく、「いいですね、それではこの方向で調べてみませんか?」と提案してくださったので、活発に議論が進みました。また、参加者同士でLINEグループを作っていたのですが、プロボノ期間中、常にやり取りがあり、多くの意見が交わされ議論が深まりました。

——実際どのような活動を行い、どのような成果を残したのでしょうか?

田中 具体的な活動内容としては、
・秋田白神山地の認知度向上と集客のための調査・企画立案
・秋田白神山地が外部にアピールできる魅力・強みの再発見とその発信方法の検討
の両輪で進めました。最終的な成果物としては、期間中にアイディアを出して実行したもの・これから実行したいものを一覧にまとめた資料、季節ごとの魅力とその時期にできるアクティビティをまとめた資料を作成しました。また、実際に足を運んでもらうにはツアー例があった方がイメージしやすいのではないかと考え、二泊三日の具体的なツアープランの例を作成しました。私たちのような外部の人間だからこそ、気づくことができる新たな魅力や思いついたアイディアもあり、貢献できたのではないかと感じています。


多くの気づきに繋がったプロボノ活動

——プロボノ活動を通じての気づき・学びを教えてください。


田中 事業に対するスピード感が、普段の業務よりも速く、限られた時間の中でアウトプットを出すためには、もっと成長が必要だと感じました。また、様々な業種の方々と共に活動を進める中で、同じ課題に対するアプローチが多様であり、その結果として出てくるものも異なったことから、多様性を実感し、大いに学びを得ました。だからこそ、リーダーとしては、より具体的なアウトプットを求めるのか、それとも新しい発想を促し自由に進めてもらうのか、状況に応じてチームをリードしていく必要性も強く感じました。

——リーダーとして大変なことはありましたか?

田中 皆さんが自主的に動いてくださり、多くのことをやってくださったので、大変だったというよりは、むしろ助けられたという気持ちの方が強く、ありがたかったです。

——最後に、これからプロボノに参加される皆様へメッセージをお願いします。

田中 最初はわからないことが多いかもしれませんが、それも含めて楽しんでいただけたらと思います。レールが敷かれていないからこそ得られる学びや、普段の業務との違いを実感できる部分も多いと思います。自由であること、制限がないことに楽しさを見出し、ぜひこの40日間のチャレンジを楽しんでください!

【受け入れ企業からの活動後コメント ~白神山地ふじさと観光協会様より~】
積極的にリーダーに立候補された姿勢に、まずは敬意を表するとともに感謝申し上げます。淡々と司会進行しながら全体を取りまとめていく姿や、それぞれの強みにフォーカスして宿題をアサインしていく手法は参考になりました。リーダーという立場上、忖度するところもあったかもしれず、ご自身としてはお考えを十分披瀝しないままだったかもしれませんが、それでも人気のあるキャラクターに着目した点はとても新鮮に感じ、「目から鱗」でした。直ちに先方へ問い合わせる行動力にも感心させられました。今後も引き続き多くの引き出しを活かし、周りを巻き込むファシリテーション能力を磨き上げていっていただければと思います。Strike while the iron is hot. ぜひ近いうちに白神山地並びに藤里町へお越しください。