「家族からプロボノに参加して生き生きとしていると言われました」三井住友海上火災保険株式会社の徳田有香さんがプロボノ活動で得たのは自身の大きな変化

 プロボノとは、主に大企業に勤める社員が、自身の仕事上のスキルや知識を活かして行う社会貢献活動です。

 近年、幅広い職種や年齢層で広がりを見せるプロボノ。弊社のプロボノプログラムでは、参加者と受入れ先とのマッチングのうえ、多種多様な業種からのメンバーで形成されたチームをつくり、約40日間のプロボノ活動に取り組みます。
 
 今回は三井住友海上火災保険株式会社に勤めながら、プロボノの活動に参加された徳田有香さんにプロボノの体験談を語っていただきました。

生涯現役で働くことが夢

 三井住友海上火災保険株式会社に勤めております徳田有香と申します。ポジション的には役職のない一担当です。

 今の会社を含めて合計3社経験しております。主人の転勤により9年ほど仕事に携わっていない時期もありました。子どもが小学校に入学したのを機に再度就職いたしました。

 現在は営業課で、大手企業の企業内代理店様を担当しております。各種保険の手続きなどの事務処理を主にさせていただいています。

 生涯現役で働きたいというのが私の夢で、70、80歳まで働きたいと思っています。そんな中、自身の素質はどのくらいのものなのか試したい、新しい世界に飛び込んでみたいという考えで今回応募いたしました。

 今参加しているボランティア活動が子育ての延長線上でしたので、仕事の延長線上でも何かできないかという気持ちもありました。

あまり経験したことがないリーダーをあえて引き受けた

 役割としては、今まであまり経験したことがなかったリーダーをあえて引き受けました。その一つの理由としてはPTA活動などに長らく携わっていたこともあり、短期間で活動に多くの時間が割けない人達が集まりどうやって成果物を出していくかという状況下でチームをまとめることが結構得意だと自負していたため、今回リーダーをさせてもらって皆さんが気持ちよく仕事ができるように努めました。

 ただし、この活動は企業人の集まりですのでPTAとは違うとはっきりおっしゃった方もいらっしゃって、なかなか難しいなと感じたこともありました。結局これは無償のボランティアなので、その無償のボランティアを皆さんがどういう感覚でやっているのか、どれくらいのことをやりたいと思っているのかをくみ取るのが最後まで難しかったです。

 また十分に人間関係が出来ていない中、意見を言いづらい部分もあったのか、なかなか最初は思っていることも話すことが出来ないメンバーがいるようにも感じました。最終的には短期間で皆さんが思っている事をまとめる形で調整は上手くできたと感じています。

(徳田さんは、伝統工芸を取り扱う有限会社こんせいのプロジェクトに参加して、体験事業の強化に取り組んだ。)

事業継続にあたっての誇りにつなげていただいた

 受け入れ企業様のように自営されている方はとても忙しいので、どうしても日々やっていることに対しての振り返りができないというご状況があります。それに対して、チーム内には数字分析が得意な方がいらっしゃったり、新たな視点からのアプロ―チを寄せてくれた方もいらっしゃいました。今までなかった視点からのご提案もさせていただけたのではないかと思います。

 また、企業様も業務内容を私たちにご説明していただく中で、「こういうことやっていたんだ」とご自身の口で話すことによって改めて振り返りをされたという場面もありました。今までも立派なことをされてきたけれども、振り返る機会がなかったという点に関してはすごく貢献できたのではないかと思います。

 あとは、本当に素晴らしい伝統芸能を引き継ぐという立派なことをされているにも関わらず、ご謙遜されてそのことに全然気づかれていなかったという部分がありました。再度自信につなげていただけたのかなと、事業継続にあたっての誇りにつなげていただいたのではないかと思っております。

自分の意見を発信する、それは大きな発見だった

 私は相手に対して角が立つ言い方はせず、なるべく陰に隠れて今まで仕事をしてきました。何事にも後ろから見守るスタンスでいました。ですが、今回短期間でどうにか成果物を出さないといけないと状況下に置かれて、意見を言わないと全くまわらないという経験をしました。そのことが現在本業の仕事にも活かされています。

 プロボノ活動に参加してから、家族からは生き生きしていると言われています。今までは言われた仕事をそのままやって、そのまま家に帰る、そして家に帰ってもただ単純に料理を作って…ということをやっていました。

 それが自発的に何かを調べてみたりする意欲が沸いてくるようになったり、他のプロボノ活動を覗いてみたりとその変化は自分にとって大きかったです。

今後の参加者へのメッセージ

 最初は躊躇してなかなか一歩踏み出すことができないかと思うのですが、いざ踏み出してみると色々な世界が意外と簡単に手に入ると思います。なので、躊躇ってやらないのはもったいないので、迷われているくらいであればならぜひ参加してみてほしいです。