第9回『人材育成者向け”オンライン”勉強会』開催リポート

テーマ:なぜJAXAは越境学習をおこなうのか

2020年9月30日(水)、オンライン勉強会を開催しました。
今回は、
「なぜJAXAは越境学習を行うのか」をテーマに
素敵なゲストを2名お招きして、勉強会をおこないました。

JAXA様は今年度、第二期の他社留学生が4人、昨年度は2人の計6人が
越境経験をしております。なぜ越境学習に取り組む事になったのかを
担当者のお二人にお伺いをしてみました。

当日に上がったTopixについて一部レポートさせて頂きます。

※ご参加できなかった方のために…
今回も、特別ゲストを2名お招きしましたので、簡単にご紹介いたします。
★ゲスト紹介★
1人目:上村 俊作 様
JAXA 新規事業促進部事業開発グループ長
2人目:小谷 勲 様
JAXA 新規事業促進部事業推進課 主任

★Topix★
1.なぜJAXAが越境を学習を行うのか
2.どのように越境者を選んだのか
3.今後の展望について
4.質疑応答

当日の議題は4つ。
今回のレポートでは一部共有いたします。
(※全てのテーマについては、Facebookコミュニティ【他社留学「勉強会グループ」】にご参画いただけますと
当日の動画が見れますので、是非ご参加ください。
https://www.facebook.com/groups/336957903820208

Q.登壇者お二人は越境を経験し、現在人材育成として越境を導入していますが、
 その背景や理由について教えてください

▼上村さん
これまで研究開発がメインで言われたものを作ってきたという歴史があるが
これからは産業振興や利用の拡大が求めらている。
民間の事業者やビジネスとの連携が必須になる為、寄り添って協力する為にも
リスクの取り方・意思決定・投資、ビジネス開発の方法など理解をする必要があった。

3度の出向を経て、頭を下げることも含めて修羅場を経験し、
今、新事業促進部で民間企業との連携業務に非常に役にたったと思っている。

▼小谷さん
これまでロケット開発のみで狭い範囲での付き合いで、全てだと思った。
ワシントン駐在時は、外交官のような立ち位置で政府のお世話をしたり、
NASAとJAXAの渉外担当やアメリカの宇宙系民間企業との日本との連携、
シンクタンク的な役割等のコンサルティング業務を行っていた。

印象的だったのは、アメリカのキャリアパスの考え方。
ポジション採用の為、社内であってもマネージャーポジションは公募をかけており、
黙っていれば昇進するという仕組みはない。
キャリアパスは、自分で選んで自分で描いていく。
日本の場合は、人事が決める。その大きな違いを感じた。

自ら選択して経験を得れる越境できる他社留学の仕組み化は、
日本企業において、そして人材流動化を
促していこうとしているJAXA組織においても、施策が良く合った。

 

 

Q.なぜJAXAが越境学習を行うのか

・2018-2024の7年間「JAXA人材育成実施方針」を掲げ
プロジェクト・研究開発を着実に遂行すると共に、
民間事業者や諸外国等と連携し、社会に対して積極的に
企画・提案を行うことのできる人材を育成する事を目指している

・キャリアの軸となる技術力・専門能力の育成をベースとしつつ、
ステークホルダや非宇宙航空企業を含む外部組織への出向、
自身の専門領域以外の部署など、すべての職員に対して
専門領域以外のキャリアを経験する機会として、越境学習を導入

 

Q.JAXAで求められる提案力とは

・5つのポイントがある。
L 異業種を理解する力
L 異分野とのコミュニケーション力
L 異分野との統合する力
L 形にする力
L 推進力
・JAXAの強み弱みを理解し、民間への越境を経験した後、
そのままを活かすのではなく、JAXA組織として何をすべきか再認識をする
・他社留学では週1回6ヶ月間の中で、小さくてよいから
形を作ることを目標している。

人材育成におけるキーワードとして、「共創」や「人材の流動化」を
掲げているJAXAにおいて、週に1回半年間、民間企業と共に
プロジェクトを進めながら学ぶ他社留学のスキームが
非常にフィットしたと言います。

また、今後の展望として、JAXAは兼業も進めており、
越境スキームも活用しながら、人材流動化をあげて、
日本の宇宙産業をとにかく盛り上げたいと強く話されておりました。

10月の勉強会は、決まり次第ご案内させて頂きます。
ぜひ、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

 

【過去のオンライン勉強会レポート】

第8回「研修設計のプロと考える企業研修としての「越境学習」の効果とは」
https://www.essence.ne.jp/report/20200828

第7回「今、研究開発部門に「越境」が必要な理由」
https://www.essence.ne.jp/report/20200717

第6回「Withコロナ時代だからこそ大企業に必要なマインドセットとは」
https://www.essence.ne.jp/report/20200604

第5回「アフターコロナ時代を生き抜くミドルシニアのキャリア形成とは」
https://www.essence.ne.jp/report/20200526

第4回「ベンチャー企業から学ぶ持続的なリモートワーク術」
https://www.essence.ne.jp/seminar/20200422/1

第3回「ダイバーシティ経営における越境学習の効果とは?」
https://www.essence.ne.jp/1409408

第2回「次世代リーダ育成における越境学習の効果とは?」
https://www.essence.ne.jp/1377835

第1回「イノベーション人材育成における越境学習の効果とは?」
https://www.essence.ne.jp/1345286