第7回『人材育成者向け”オンライン”勉強会』開催リポート

テーマ:今、研究開発部門に「越境」が必要な理由

2020年7月17日(金)、オンライン勉強会を開催しました。

今回は、
「今、研究開発部門に『越境』が必要な理由」をテーマに
素敵なゲストを2名お招きして、勉強会をおこないました。

 

★ゲスト紹介★
1人目:上田 宏幸 氏
カゴメ株式会社  執行役員 イノベーション本部長(研究機能)


2人目:瀬川 秀樹 氏
クリエイブル 代表取締役
元株式会社リコーにて新規事業開発センター副所長や未来技術総合研究センター長を歴任

 

昨年の12月から毎月開催をしている勉強会は、今回で7回目となりますが、
当日のご参加者様は、開発本部の方や技術研究職の方が、多かった印象でした。

当日は、ゲストによるテーマトークをメインに進行し
リアルな現場のお話をなど、お聞かせいただきました。


★テーマ★

  1. お二人が考える現在の「研究開発部門」の課題
  2. 「やってみよう!大丈夫!」と言っても中々動けない人もいますが、
    そういった場合、どんなサポート、きっかけを用意すると、動けるようになるのか
  3. 上田様より、カゴメの研究開発部門として取り組んでいる挑戦
  4. 瀬川様より、リコー時代取り組んだ挑戦。
    そして今、組織から出て見えること、挑戦していること

 

今回は①と②の議論内容を共有いたします。

 

★議論内容★

 テーマ①『お二人が考える現在の「研究開発部門」の課題』では、

上田様

  • 今の時代、経営は長期思考から短期思考になっている(市場主義からのプレッシャーが強いと長期的な視点を持ちにくい)
  • 経営がふん詰まりを起こすと、研究開発部門に過剰な期待をしだす
  • 合理主義の人たちに説明する際は、ある程度、はったりが必要
  • はったり=嘘つきというイメージあるが、そうではなく創造的正当化のこと

 瀬川様

  •  課題は2パターンあって研究開発自体の問題と「会社としての研究開発の位置づけ
  • 前者に関しては、研究開発部門は、他部署から何をやっているのかわかりにくい部署(会社のお金を使って何をやっているんだ、思われやすい)
  • 後者の問題は、縦割りで研究者という位置づけにされていること

 

テーマ②『「やってみよう!大丈夫!」と言っても中々動けない人もいますが、
そういった場合、どんなサポート、きっかけを用意すると、動けるようになるのか』では、

上田様

  • まず褒めてあげること(強制させては意味がない)
  • 自身がやっていることの説明をしっかりしてあげる
  • やっていることが、会社のどこに影響を与えていると思うか、などの問いを投げてあげる
    頭でわかっていても言語化できないケースがあるので、質問して聞くことは大事)

 瀬川様

  • 大丈夫だということを教えてあげる(安全地帯をつくってあげる
  • 「やってみよう!大丈夫!」という掛け声だけ(抽象的)のケースが多いが、具体的に行動を示してあげることが大事
  • 組織設計をする(例えば、技術職の階層を作る報酬や権限をつけるなど)

 

Zoomのチャット機能を駆使しながら
ご参加された方々より、適宜、質問を受け付けながら
それにお答えする、という場面も何度かありました。



あっという間の1時間で、ゲストの2人も、話し足りない様子でした。
その現場のトップを経験されたお二人だからこそわかる
研究開発部門の課題や、これからどう変革していくべきかなどの
テーマトークは大変勉強になりました。

勉強会の終了後、視聴されていたご参加者様より
「私が研究開発部門にいた頃を思い出しました。
『君のことはちゃんと気に掛けてるよ』というメッセージを伝えると、
一人でこもりがちな研究者たちを励ますことになるでしょうね。
刺激的な1時間でした。』という早速のご感想をいただいたり
多くの反響をもらった勉強会でした。

次回は、8月28日(金)17時~18時にて開催予定です。
次回も特別ゲストをお招きして実施する予定ですので、お楽しみに!

皆様のご参加、心よりお待ち申し上げております。