事例紹介

株式会社ニフコ×株式会社ヘッドウォータースの導入事例

「自分発信の半年間—学んだことをすぐに取り入れ、改善し続けた」(職種:エンジニア、留学頻度:週1日、留学時:新卒入社5年目)
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目的
テレワーク時代にあっても、チームを推進していく手法を学ぶ
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背景
異なる業界や企業を経験できる機会を作り、リーダー人材を育成する必要性があった
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効果
・コミュニケーションを円滑にするためのツールやプロセスを学んだと共に、対話にも価値があることに気がついた
・多くの問題解決の成功事例を見ることで、自分にできることは多々あることに気づいた
他社留学を終えた「卒業生」にインタビュー。留学前、留学中、留学後の想い、そして留学後に何が変わったかについて、体験談を語っていただきます。

今回お話を伺ったのは、株式会社ニフコ。他社留学を経験したのは、生産技術部設備技術課のエンジニアである湯田さんです。留学先は、株式会社ヘッドウォータース。AIシステム開発を通して企業の経営課題を解決するソリューション事業を展開するベンチャー企業です。留学中は、自動化のためのWebアプリケーション開発プロジェクトに携わりました。
所属 株式会社ニフコ
留学先 株式会社ヘッドウォータース
他社留学期間 週1日/6ヶ月間(2023年10月~2024年3月)
留学した人 生産技術部 設備技術課 湯田 晴也さん(留学時:新卒入社5年目)
送り出した人 開発本部 エグゼクティブ・エキスパート 根津 幹夫さん

留学前の葛藤

——まず初めに、他社留学に参加した背景をお聞かせください。
湯田さん(以下、湯田) 社内で他社留学の公募があり、応募して参加することが決まりました。公募の担当者の方に声をかけていただいたのが応募のきっかけではあるのですが、参加について検討する中で、このまま社内で仕事を続けていても、大きな変化や成長はないかもしれない、と思うようになりました。断る選択肢もありましたが、「多忙だから、仕方ない…」と言い訳する自分がいることに気づいてから、段々と「仕方なくない、かっこ悪い自分でいたくない」と思うようになり、チャレンジすることを決意しました。
——他社留学にはどんなことを期待して参加したのですか?
湯田 関わったことのない多くの人と協力して価値を創出する体験をしながら、テレワーク時代にあっても、チームを円滑に推進していく手法を学びたいと考えていました。また、私はエンジニアなので、技術的なことや上流工程も学べると良いと考えていました。参加を決めた当初は不安もありましたが、参加が決まったからには楽しもう!と気持ちを切り替え、参加しました。

株式会社ヘッドウォータース https://www.headwaters.co.jp/

自分発信の半年間

——他社留学に参加していかがでしたか?
湯田 そうですね、自分から動かないと何も始まらないことがわかり、自ら動くことを意識することになった「自分発信」の半年間でした。常に留学先に対して何がGiveできて、自分は何をTakeしたいかを考え、自主的に行動し続けたように思います。もがき続けた半年間ではありましたが、基本的に自分がやりたいことをベースに進めることができたので、しんどいと感じたことはなかったです。
——留学中は具体的にどのようなことをしたのでしょうか?
湯田 プロジェクト期間の初期には、留学先で使用している技術を使った試作プロダクト作りのメンバーとしてアイデア出しや検証を行い、私が提供できること、価値をアピールしました。それとは別に、Azure Open AIの技術が留学先で役に立てそうだと考えたので、留学先で行われていた勉強会に参加してインプットをしながらAIプロダクトの試作・検証を実施しました。また、当社は自動車部品メーカーですので、それを活かして、自動車部品メーカーの勉強会を実施しました。
(写真:湯田様)

留学を通しての気づき・学び

——留学を通してどんな学び・気づきがありましたか?
湯田 留学先では、メンバー全員がテレワークで働いているのですが、コミュニケーションに重きを置いて、情報共有の頻度を高くすることで仕事を円滑に進めていました。ツールやプロセスを整理することが重要だと思っていましたが、今回の留学を通して対話も大事であることに気づきました。
また、人と対話するには自己開示力も必要で、この半年間で伸びた能力だと思います。知らない人ばかりの環境だと、自分は何ができて、何をしていきたいのか、どういうことを考えているのかを言わないと何も進まないんです。言ってみたらやらせてもらえることもありましたし、やはり言わないと始まらなかったんですよね。相手から引き出すだけでは足りなくて、自分を開示していくことで初めて対話が成り立つことがわかりました。
——自己開示をしながら、周りの方とコミュニケーションを取っていったのですね。
湯田 そうですね、自己開示をすることで周りの方を巻き込んだ活動にも繋げることができました。今回の留学を通して、全く別の業界の人と関わることで新しい発見が沢山あることにも気づいたので、当社5名と留学先4名の計9名でのアイデア出し会を自身が主導で企画し、実施しました。そこで他社留学の経験を共有し、異業種同士の対話の機会を作り、参加者に良い刺激を与えることができました。
——所属組織の優れている点について気づいたことはありましたか?
湯田 まず、やりたいことをやらせてもらえる環境であることが優れた点だと感じました。留学先で使っていた、あるツールの機能を自部署でも活用したいと思って、すぐに課長に提案したのですが、すぐに受け入れてくださり、実行に繋げることができました。また、それ以外にも勉強会の開催なども提案したのですが、すぐに開催させてもらうことができました。
それから、安定感のある事業があるということも当社の強みだと感じました。安定した事業があるからこそ、多くの業務が標準化され、合理化した仕組みが出来上がっていることがわかりました。標準化することで原価を下げられることもあり、メンバーも標準化に熱心であると改めて気づきました。
(写真:湯田様)
——では、留学先の優れている点で取り入れたいと感じたことはありましたか?
湯田 留学先のエンジニアの皆さんの主体性が素晴らしかったです。留学先では、自分でキャリアを作る意識があり、仕事の動機も能動的で、それが生産性の向上に繋がっていると感じました。当社にもその意識を取り入れることで、より能動的に仕事をして、生産性の高い状態でアウトプットできるよう、皆が成長していけるとより良いと思います。

留学後の変化

——留学後、変化のあったこと、取り入れたことはありますか?
湯田 留学前は、私が担当する課内のプロジェクトに対して、なかなか協力が得られないことがありました。現状を変えるために、レクチャーや資料の共有などを実施したこともあって、できることはやり尽くしたと思っていました。しかし、留学先で問題解決の成功事例を色々と見ることができ、まだできることは沢山あることに気づきました。遠慮しないでもっとやっていいんだ、と思うように変わり、行動に繋げることができるようになったと思います。
具体的な行動に関しては、今回は週1日の留学だったので、留学が終わるのを待たずして、留学中から留学先で使っているツールや取り組みで良いと思ったものはすぐに課にフィードバックしていました。改善のための取り組みは純粋に楽しくて私自身のモチベーションも上がるので、今後も活動を継続していくつもりです。社内には同じ越境経験者が多数おりますので、仲間と協力しながら今後もモチベーション高く、地道に組織をより良くするための行動を続けたいと思います。
——もう一度他社留学の機会があるとしたら、参加しますか?
湯田 はい、チャンスがあるなら、是非参加したいです。またソフトウェア関連企業に留学するのもいいですが、全く異なる業界でも楽しそうですね。経営層とご一緒させていただくプロジェクトなども、全く違う経験ができて面白いかもしれません。
<留学先からのコメント> ~株式会社ヘッドウォータース 取締役 石澤様より~
当社に貢献しようと、意欲的に行動していただきました。ご自身で色々と考えて動こうとしており、前向きな姿勢を感じました。規模の小さな会社に留学したからこそ、大手企業にいると気づけないことに、沢山気づくことができたのではないでしょうか。
今回の他社留学の成果として、当社の課題をレポートに纏めてもらったのですが、非常に参考になる意見をいただき、感謝しております。今後も他社とのネットワーク作りや人脈作りを大切にしながら、主体性を持って活動を続けてください。今回の経験が、湯田さんの今後のキャリアに活かされることをお祈りしています。半年間ありがとうございました。
会社名 株式会社ニフコ
業種  工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密成形部品の製造・販売
URL https://www.nifco.com/