事例紹介

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社×株式会社MS&Consultingの導入事例

「全力でやりきった3ヶ月―他社留学は初めての海外旅行のようだった」(職種:監査部 留学頻度:週1日、留学時:新卒入社19年目)
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目的
他社におけるリスクベース思考、意思決定の手法、他部署とのコミュニケーションの方法等を学ぶ
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背景
異なる業界や企業を経験できる機会を作り、リーダー人材を育成する必要性があった
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効果
・社外で通用する能力や知識、今後の成長課題が自己認識できた
・コミュニケーションに自信がつき、新たに前向きに考える癖がついた
・会社をより良くしたいと思う気持ちが強まり、アイディアも出てくるようになり、以前にも増して前向きにモチベーション高く仕事ができるようになった
他社留学を終えた「卒業生」にインタビュー。留学前、留学中、留学後の想い、そして留学後に何が変わったかについて、体験談を語っていただきます。
今回お話を伺ったのは、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社。他社留学を経験したのは、監査部の金子さんです。留学先は、顧客満足度・従業員エンゲージメント向上のためのリサーチ及び経営コンサルティングに関する業務を行う株式会社MS&Consultingです。留学中は、自社での監査経験を活用し、不正防止や監査強化の仕組み作りに携わりました。
所属 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
留学先 株式会社MS&Consulting(エムエス・アンド・コンサルティング)
他社留学期間 週1日/3ヶ月間(2023年11月~2024年2月)
留学した人 監査部 金子 晋也さん(留学時:新卒入社19年目)
送り出した人 監査部 グループ長 八頭司 一弘さん

前向きな気持ちで始まった他社留学

——まず初めに、他社留学に参加した背景をお聞かせください。
金子さん(以下、金子) 会社からの指名を受けて参加することが決まったのですが、最初は「なぜ私が?」と驚きました。私は新卒入社で、他社での就業経験も出向経験もなかったので、不安な気持ちもありました。しかし、折角の良い機会なので前向きに捉え、参加することにしました。
——他社留学にはどんなことを期待して参加したのですか?
金子 私は監査部に所属しておりますので、監査に活かせることや意思決定の手法、他部署とのコミュニケーションの方法などを学びたいと考えていました。監査では、対象部署とのコミュニケーションが難しく、どうすれば人は動くのか、ということを学び、持ち帰りたいと思っていました。また、上司からは「視座を高め、多角的な視点を持つこと、自身の成長やキャリアアップに繋がる経験をすること」が期待されていました。

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 https://www.smbc-cf.com/

他社留学を振り返って

——留学を終えた今、3ヶ月間を振り返っていかがですか?
金子 やりきったな、という感覚です。最初は少し不安もありましたが、楽しもうと決めて進めました。留学先が非常に良い会社で、学びが多かったですし、本当に参加して良かったです。留学終了後にまたお会いする約束もしており、良いご縁をいただくことができました。他社留学の参加者に選んでいただいたことに感謝しています。
——留学先の方と良い関係性が作れたのですね。
金子 社員の方と一緒にランチをするなど、積極的にコミュニケーションを取っていくことで、距離が縮まって良い関係性を構築できたと思います。全力で楽しもうと決めて、留学先企業に興味を持ち、良い所を見つけて、好きになって、どんどん深掘りしていこうという気持ちで臨んだことが良い結果に繋がったのかもしれません。やはり自分から好きになっていかないと、相手にも好きになってもらえない、ということはあると思います。また、常に何か価値提供できるようにしようと決めてやり続けたことが良かったと思います。
——留学中は具体的にどのようなことをしたのでしょうか?
金子 最初に3つのテーマ—コールセンターのサービス向上、不正防⽌、内部監査の強化を提⽰していただき、最初の数回インプットを行った後に、どこに注⼒するかを考えて、不正防止に注力することに決めました。メインテーマにならなかったものに対しても、改善案を検討し、提⽰させていただきました。
不正防止に関しては、不正のトライアングルを活かしたアプローチを検討し、提案を行いました。留学先では、「これまでになかった観点であり、非常に役に立った」と仰っていただきました。また、データ分析においては、データを集めることに加えて、担当者へのリアルなヒアリングも必要であることを提案した結果、すぐに実施することが決まり実行しました。全く異なる業務においても、監査での経験や知識を活かすことができると実感することができました。

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——色々活かすことができたということですが、難しさを感じたことはありましたか?
金子 今回、データ分析業務があったのですが、仮説通りに進まず、時間ばかり過ぎてしまいました。本来、もう少し早く切り替えるべきだったのですが、沼にはまり、軌道修正に時間がかかってしまいました。途中でやめるという選択は、すごく難しかったです。今まで進めてきたことを活かしたい、ここで止めるのはもったいないと思う気持ちが芽生えてしまいました。やりながら考えて、必要があれば修正するのではなく、やることを決めたらそのとおり進めることだけを考えてしまったことが原因でした。留学期間が限られていることもあったので、っと早い段階で軌道修正をする決断が必要だったと思います。

他社留学を通しての気づき・学び

——今回の経験を通じて気づいた自分の強みや、通用すると感じたことがあれば教えてください。
金子 今回の他社留学では、思っていたよりもコミュニケーションをスムーズに取ることができました。私はずっと人見知りだと思っていたのですが、全く知らない人達の中で、自分がやらなきゃ何も始まらないという状況で、自分はどんな状況でもがむしゃらにできるという自信つきました。留学先からも、私の仕事に対する姿勢や積極的に話すコミュニケーション能力について評価いただいたので、ここが自分の強みだったと気づくことができました。
——今回の経験を通じて、新たに身に付いたことはありましたか?
金子 今回の留学で、スムーズに進まず思い通りにいかないこともありましたが、それを前向きに捉え直し、どう進めていくのかを考えて、気持ちを切り替えながら毎回臨んでいました。前向きに考える癖が身に着いた、ということでしょうか。
——今後の自分の課題、強化する余地があると思ったことはありますか?
金子 コスト意識の部分です。監査業務の場合、コストを細かく意識するよりもリスクに焦点を当てることが多く、会社全体としての利益をどう生み出すかを考えることはあまり多くありません。コスト意識を監査業務でも活かすことが出来たら、自分はもっと成長できると思ったので、今後意識すべき部分だと思いました。
(写真:金子さん)

他社留学後の変化

——留学後、何か変化はありましたか?
金子 まずは、やりたいことが増えました。今の部署をより良くしたいと思う気持ちが増して、アイディアも色々出てくるようになったので、すごく楽しいです。だからこそ、「部に貢献したい」「結果を出したい」という気持ちが強くあります。また、以前よりも考えながら動くように変わりましたし、能動的にアクションを起こすようになり、留学のおかげで自分が活性化しました。
——実際に何か行動で変化が見られたことはありましたか?
金子 監査で調査をしている時、担当部署に確認が必要な事案が見つかったのですが、これまでと異なるフローで関係者と連携して対処したことで、スピーディに解決できたことがありました。一日でも早く解決するためのフローを考え、関係者を巻き込み、対処することにチャレンジした結果、早期解決に繋がり、色々な方から感謝されました。
また、留学後、部署内で来期計画をディスカッションする場があったので、新たな制度を取り入れたいと提案しました。残念ながらリソースの問題で来期中の導入は見送りとなったものの、再来期に向けて準備を進めているところです。関係する部署の担当者と打ち合わせをしたり、社内人脈を使って随時情報収集をしながら、具体的な話を進めています。いずれも、留学で視座が高まったことや自信がついたこと、前向きに考えられるようになったこと、能動的にスピーディに行動することができるようになったことが活かされているのではないかと思います。
——留学先の文化で取り入れたことはありましたか?
金子 褒める文化です。留学先での最後の業績発表会の時に、皆さん沢山褒めていました。褒められるということは、細かいところまで見ているということだと思います。しっかり見ているからこそ、こういう良いところがある、と気付くことができるんです。とても素敵だと思ったので、自分も取り入れてやっています。半径5mから、いかに変えていくかが非常に大事だと思うので、まずは自分の身の周りから始めて、社内全体に褒める文化を広げていきたいです。
(金子様:写真右から2番目)

これから参加される方へ

——留学開始前の自分に声をかけられるとしたら、何と声をかけますか?
金子 「大変かもしれないけれど、頑張ってチャレンジしよう!」と言うと思います。私自身、今まで他社を見たことがなかったので、今回参加することで、自分の何が社外で通用し、何をさらに鍛える必要があるのかを自己認識できたことが、何よりも大きな価値でした。そういった事を伝えたいです。
他社留学は、初めての海外旅行に行った時の感覚に似ていると思いました。楽しみも多い反面、自分の言語が伝わるのかもわからないし、不安も多々あります。それでも勇気を出して行ってみたら、意外と話ができて、勉強してきたものが活かせて、自分が通用することもわかって、楽しんで帰ってくることができた、というような感じが、似ていると感じました。
——他社留学を充実させるには、どのような点が大事だと思いましたか?
金子 色々な方とコミュニケーションを取ることが非常に重要だと思いました。他社留学の期間は限られているので、早い段階から担当者の方だけでなく、色々な人と接点を持ち、そこからさらに別の方との接点に繋げていただくような動きができるといいと思います。留学期間の終わりに、中途入社の方の業績発表にオブザーブ参加させていただく機会がありました。その時に、ちょうど私が進めていたことと関連するお話をされていたので、その方たちともっと早く話しておけば、沢山の情報が得られ、より良い提案ができたかもしれないと思いました。
もちろん私から紹介してほしいと言ったこともありましたし、担当者の方から紹介していただくこともありました。しかし、動きながら少しずつわかって、広がっていくこともあるので、コミュニケーション量は多い方が良いと思います。
——これから他社留学に参加される方にメッセージをお願いします。
金子 今までやってきたことは確実に身になっているので、不安に感じることもあると思いますが、思い切り楽しんで来てください。楽しんでいれば、結果はついてきます。失敗してもいいから、与えられた経験を目一杯、全力で楽しんでください。失敗するかもしれないと小さくまとまってしまうくらいだったら、自分の持てる全力で取り組んで、失敗したほうが得るものが多いと思います。頑張ってください!
<留学先責任者からのコメント> ~株式会社MS&Consulting 取締役 渋谷様より~
当初の期待以上の成果を出していただき、非常に満足しています。最終日には、メンバーから金子さんがもう来てくれなくなるのか、という声が上がるほど、良い関係性を構築していただき、組織に浸透してくれました。他者と短期間で関係を構築する力は、非常に高いレベルにあり、小手先のコミュニケーションスキルではなく、信頼を得るための貪欲な姿勢や価値提供をしようとする意欲、そして、その過程で着実に価値提供を行なっている点が素晴らしいと感じました。また、短期間のうちに弊社メンバーの兄貴的な存在となって、周囲が相談に来るレベルになっており、人を育てる力もお持ちだと感じました。
最終成果発表の内容も、この短期間でよくここまで弊社業務をキャッチアップして、提案に繋げたなと感心するものでした。経営的に見ても、提案内容はすぐに着手すべきものと判断ができるレベルのものでした。弊社メンバー側から、この成果の進捗報告を3ヶ月後にさせてもらいたいという声も上がり、メンバーのモチベーションにも繋がったプロジェクトとして締めくくっていただきました。3ヶ月間、本当にありがとうございました。
会社名 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
業種  貸金業・保証業
URL https://www.smbc-cf.com/