事例紹介

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社×EDGE株式会社の導入事例

「新たな仕事の進め方を習得し、経営者目線を持つことの大切さを学んだ」(職種:人事、留学頻度:週1日、留学時:新卒入社8年目)
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目的
スピード感のある仕事の進め方、異業種の仕組み・ノウハウの獲得および社外と比較した自身のスキルレベルの把握
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背景
異なる業界や企業を経験できる機会を作り、リーダー人材を育成する必要があった
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効果
新たな仕事の進め方を習得できた/自身のスキル・所属企業について客観的に見ることができた/経営者目線を持つことの大切さを学び、視座が高まった
他社留学を終えて元の職場に戻った「卒業生」にインタビュー。留学前、留学中、留学後の想い、そして留学後に何が変わったかについて、体験談を語っていただきます。
今回お話を伺ったのは、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社。他社留学を経験したのは、人事部採用グループの三瓶さんです。留学先は、人事課題解決に特化したHRテック「エアリー」シリーズの開発、ワークエンゲージメントの実現に関するコンサルティングを行うベンチャー企業、EDGE株式会社です。留学中は、クロスセル・アップセルにより売り上げ向上を図る仕組みづくりに携わるプロジェクトに参画しました。
所属 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
留学先 EDGE株式会社
他社留学期間 週1日/3ヶ月間(2021年12月~2022年3月)
留学した人 人事部採用グループ 三瓶 剛史さん(留学時:新卒入社8年目)
送り出した人 人事部 主幹 中村 幸一さん

様々な期待を胸に、初めての社外活動に参画

――まず初めに、他社留学に参加した背景をお聞かせください。
三瓶さん(以下、三瓶) 今回は上司からの指名を受けて、参加することが決まりました。私は元々好奇心旺盛な性格で、学生時代にはベンチャー企業でインターンをしたり、ボランティアをしたりしていました。しかし、社会人になってからは社外での活動に携わることができていなかったので、他社留学に参加する機会をいただくことができてありがたいと思いました。留学前は楽しみな気持ちもありましたが、不安もありました。
――他社留学にはどんなことを期待して参加しましたか?
三瓶 仕事をしている中で、当社は異業種との関わりが少なく、新しいアイディアや取り組みが生まれにくい環境であると感じていました。そこで今回の留学を通して、異業種の仕組みやノウハウ、スピード感を持って取り組んでいる他社の仕事の進め方などを学びたいと思っていました。また、私は転職経験がないので、社外と比較した自身のスキルレベルの把握もしたいと考えていました。
――他社留学中はどのようなプロジェクトに携わったのですか?
三瓶 EDGE株式会社では、3ヵ月間「クロスセル・アップセル」により売り上げ向上を図る仕組みづくりに携わりました。具体的には、EDGE株式会社が展開するエアリーフレッシャーズクラウドを利用しているお客さまのニーズに合わせたアプローチ方法の検討や他に展開するサービスでお客さまのお役に立てないかを模索することに取り組んでいました。

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気づきを得て行動変容を続けた3ヶ月

――プロジェクトを進めるにあたって、どのように留学先の方とコミュニケーションを取っていったのですか?
三瓶 今回はフルリモートでの業務だったのですが、1ヶ月目は自分から能動的なコミュニケーションが図れませんでした。留学先の担当の方がとても忙しい方だったので、こちらからアクションを取らないと何も進みませんでした。担当以外の方とのコミュニケーションに関しても、自分から作ろうとしない限り増えていかなかったので、自分から能動的に動いていくことが大事なのだと気づきました。
その反省を踏まえて、2ヶ月目以降は「できることはないですか?」「今〇○で困っているのですが、これまではどうやっていたのですか?」など積極的に自らコミュニケーションを取るように変えました。そうしていく中で、徐々に留学先の方から採用担当者としての意見を求められるようになっていき、自分の役割や存在意義を見出していただくことができました。それが今回の留学における自分の中での大きな成果だったかなと思います。
また、コミュニケーションの量が増えることで、留学期間中に自分が何をすべきか徐々に明確になっていきました。留学先の現状やこれまで実施してきたこと、うまくいかなかったことなど、色々な情報を聞いたうえで、留学先に意見・提案できたことが良かったです。
――プロジェクトは順調に進めることができたのですか?
三瓶 1ヶ月目はこれまでの会社での仕事のやり方と同様に、留学先の担当者の方に細かく確認しながら進めていました。しかし、留学先の方からその進め方だとスピード感に欠けるし、もっと自分で判断しないといけないとフィードバックをいただいてからは軌道修正しました。留学期間が3ヶ月と限られていたので、高速でPDCAを回さないといけない状況でした。留学先では、“P”に時間をかけず“DCA”を高速で回していたので、新たな業務の進め方を学ぶことができました。
また、途中でミッションを見失った時期がありました。最初の1ヶ月は、留学先の課題がわからず、自分が何をすべきか全く見えていませんでした。営業やカスタマーサクセスの方などと話をする中で人手が足りていないことに気づき、「それなら私が何でもやります」と言って本来のミッションとは異なることまで対応していた時期がありました。
ただ、2ヶ月目に入って今回与えられたミッションとは違うことをしているのは自分のバリュー発揮に繋がらず、もったいないと気づいてからは改めて自分のすべきことを考え直し、行動を変えました。周りとの調和を図ることは大事なことですが、ミッションを遂行していく上では周りの顔色を伺い過ぎてはいけない、感情的な部分まで持ち込んではいけないと気づくことができたので、コミュニケーションの在り方についても考えさせられる機会になりました。
それから、プロジェクトの最終的な成果としては、初めから「絶対に成果を出す」と決めていたものの、3ヶ月で売上に直結するようなことができなかったことが自分の中では心残りでした。プロジェクトの一環で留学先の顧客企業へDMを送ったのですが、反応が芳しくありませんでした。ただ、他社留学が終わってから、私が作った営業資料をきっかけにアップセルに繋がった案件ができたそうなので、その報告を聞くことができたときはとても嬉しかったです。

新たな行動により別の課題が見えてきた

――今回は週1回の参画だったとのことですが、所属企業の業務と兼務するのは大変でしたか?
三瓶 そうですね、本業と並行して進めていくのは大変でした。伴走者にも相談してアドバイスをもらってからは、他の人に協力してもらいながら進めていくことにしました。私は約4年間採用業務をやってきましたが、これまであまり他の人に頼って仕事を進めてこなかった気がします。しかし、自分がやってきたことを周りに伝えていかないと、いつまで経っても採用という枠から抜け出せないですし、もっと色々な経験をした方が自分のキャリアにとってもプラスになると思ったので、自分が手を動かさなくてもいい体制作りを徐々に進めていきました。このようなことも経営者目線に繋がると思いますし、今後のキャリアを積んでいく中で大事な視点を得ることができたと思います。
一方で、どこまで教えればいいのか、という新たな課題にぶつかっています。大まかな指示で動いてもらった結果、最終的なアウトプットが求めているものと異なったこともありましたし、求めているアウトプットを出してもらえるように細かく丁寧に時間をかけ過ぎてしまったこともありました。どの程度の指示でアウトプットできるかは人によっても違うので、人それぞれに応じた関わり方を試行錯誤しているところです。伴走者からも「ただ指示するだけではなくて、これを通じてどう成長できるかも伝えていけるといい」とアドバイスをいただいたので、それも参考にしていきたいと思っています。
(写真右:三瓶様)
――留学先の方から、三瓶さんの「謙虚さ、素直さ、仕事が丁寧である点」などを評価していただいたと聞きました。
三瓶 ありがとうございます。「丁寧」という点に関しては私の強みだと思うのですが、スピード感がないということと裏返しだとも思ったので、悩ましい部分です。丁寧にきっちり仕事をすることも大事ですが、スピード感を持って仕事を進めていくことも大事ですよね。当社は留学先とは規模や業種、組織体制も異なるので、留学先と同じようにはできません。社内で承認を得るときの効率的だと思う進め方があるのですが、スピード感を持って進めていけるよう見直しが必要なのかもしれません。

多くのことを学び、自信にも繋がる経験ができた

――他社留学に参加してどんなことを学びましたか?
三瓶 総じて色々なこと学べました。能動的に動くことの重要性を感じることができましたし、自分の「採用」の知識が他社でも役立つことを知ることが出来ました。中でも特に大きな学びが「経営者目線」を持つことでした。同い年で取締役をされている方がいて、会社の重要な意思決定をされているのを目の当たりにして、非常に刺激を受けました。その方は経営者目線を持ち、会社のリソースを踏まえた上で、短期間でどれくらい会社をスケールさせられるかを常に考えていました。これまで私は人事・採用担当者という枠組みの中で頑張ってきたつもりでしたが、部署全体・会社全体を見る意識が欠けていたことに気づきました。
――組織の違いを通して学んだこともありましたか?
三瓶 意思決定の速さは学ぶべきところだと思いました。お客様や市場を見て、その時々に応じて方針を転換していく柔軟性はすごいと思いました。また、留学先でのコミュニケーションも参考になりました。フルリモートということもあって、ツールを使って普段から頻繁にコミュニケーションを図っていました。当社もオンラインで仕事をすることもあるので、取り入れたい部分だと思いました。
逆に、社外に出ることで当社のリソース(人、モノ、情報など)が恵まれていることなどにも気づきました。教育体制が整っており、何か困った時には周囲がフォローできる体制が整っていること、ツールや設備面や施策を打つ時の予算等は比較的確保しやすいこと、社内で蓄積されている過去の経験や情報を踏まえた上で課題や仮説が立てやすい環境にあることなど、たくさんの良い面にも目を向けることができました。
――色々な学びを得ることが出来て、良い時間を過ごすことができたのですね。
三瓶 そうですね、色々学んだことがあったのですが、自分の自信に繋がった部分もありました。一社で働き続けていると、採用担当者としての自分のキャリアがどれだけ価値のあるものなのか、一般的にどう評価されるかがわかりませんでした。しかし、今回留学先のプロジェクトに参画することで、採用担当者の経験がHR系の会社や人事向けサービスを提供している会社の中では非常に重宝されることがわかり、自信になりました。このような気づきがある他社留学を勤務中に経験させていただき、会社には本当に感謝しかないです。
――今回の他社留学で学んだことをどう組織に戻って活かしていますか?
三瓶 4月から人事部の採用グループから企画グループへ異動になりました。これまでとは業務の内容が異なるため、まずはインプットする必要がありますが、今回の他社留学で学んだ能動的に行動すること、スピード感を持つことを意識しながら業務に取り組んでいます。また、企画グループは、従業員の働き方や組織を発展させていくための施策を検討する部署なので、留学中に学んだ「経営者目線」がより求められる立場のため、実践を続けているところです。留学後からは「経営」に関わるような本を読むなどして知識の習得も続けているので、より高い視座を持って行動を続けることで、より良い組織作りへ貢献していきたいと思います。
<留学先責任者からのコメント> ~EDGE株式会社 小中様より~
三瓶さんは素直で謙虚なお人柄で、フィードバックしたことをすぐに取り入れ改善していくことができる力をお持ちでした。成果に対しては貪欲であり、高いアウトプットをコミットしたいという熱意も強く、特に後半の動き方の変わりようが素晴らしかったです。採用担当としての目線や考え方、三瓶さんならではの思考でアウトプットしていただき、弊社としても非常に学びの多い期間でした。私やメンバーにとっても刺激のある良い機会になったと思います。3ヶ月間本当にありがとうございました!
会社名 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
業種  貸金業・保証業
URL https://www.smbc-cf.com/