事例紹介

株式会社ニフコ×TSUBU株式会社の導入事例

「行動する事、一歩踏み出すことの大切さを実感した半年間」(職種:事業開発 留学頻度:週1日、留学時:中途入社12年目)
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目的
新規事業開発のヒントを得る
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背景
異なる業界や企業を経験できる機会を作り、リーダー人材の育成や外部との協業に関する経験・知見を得て、変革を促進する必要性があった
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効果
・動くこと、そして動き続けることが大事だと気づいた
・留学先との協業に繋げることができた
他社留学を終えた「卒業生」にインタビュー。留学前、留学中、留学後の想い、そして留学後に何が変わったかについて、体験談を語っていただきます。

今回お話を伺ったのは、株式会社ニフコ。他社留学を経験したのは、プラットフォーム事業部の大山さんです。留学先は、太陽光パネルを使用した自家発電設備により栽培を行うスマート農業事業を運営するTSUBU株式会社。留学中は、ソーラーパネル併設型ハウスの施工及び農福連携プロジェクトに携わりました。
所属 株式会社ニフコ
留学先 TSUBU株式会社
他社留学期間 週1日/6ヶ月間(2023年10月~2024年3月)
留学した人 プラットフォーム事業部 大山 隆さん(留学時:中途入社12年目)
送り出した人 開発本部 エグゼクティブ・エキスパート 根津 幹夫さん

予想外の連続だった半年間

——まず初めに、他社留学に参加した背景をお聞かせください。
大山さん(以下、大山) 社内で他社留学の公募があり、応募して参加することが決まりました。昨年から新規事業を開発する部署に異動になり、他社留学を通して、ニフコとは異なる環境に飛び込むことで、新事業の探索を促進するためのネットワークやヒントを得たいと思って応募しました。
——留学前はどんなお気持ちでしたか?
大山 留学が決まってワクワクしていたのですが、しばらく経ってから「本当に行くのか?やっぱり行かなくてもいいかもしれない」と思い直したことがありました。今となってはなぜそう思ったのか、明確に思い出せないのですが、不安な気持ちが出てきたからかもしれません。実際に飛び込んで動いてみたら、なるようにしかならないし、大丈夫だとわかりました。留学前は余計なことをあれこれ考えて不安になることもありましたが、結果的には余計な心配でした。
——他社留学に参加して、いかがでしたか?
大山 この半年間、全てが予測不能で、予想外の連続でした。「目から鱗」な体験ばかりで、留学先の佐藤社長の考え方や動き方に衝撃を受けることばかりでした。半年間、無事に走り終えることできて、今はホッとしています。他社留学に参加して本当に良かったです。

TSUBU株式会社 https://tsubu.biz/

——良かったと思われるのは、どういった点でしょうか?
大山 他社留学をきっかけに社内の色々な部署の方と繋がることができましたし、社外での人脈も広がりました。想像していたよりもずっと多くのことが得られたので、参加して本当に良かったと改めて思います。参加させてくれた上司や担当者の方に感謝しています。
——留学前に不安を感じたとのことでしたが、留学後すぐに不安は解消されたのですか?
大山 いいえ、最初の1ヶ月はまだ手探り状態が続いており、どうしたら役に立てるかを見出せずにいました。また、これまでの人生で出会った人のなかで、佐藤社長が最もエネルギッシュでアクティブな方だったので、最初のころは委縮していたように思います。しかし、会う回数を重ねるに連れて気心が通じるようになっていきました。また、佐藤社長の活動をサポートできる場面も徐々に増えていき、不安が解消されていったように思います。
——留学中は具体的にどのようなことをしたのでしょうか?
大山 プロジェクトの前半3ヶ月は農業と福祉の連携に関する活動に参加しました。実際に福島の農家を訪問したり、福祉事業所の方々との打合せを重ねたり、ミニ勉強会を開催したりしました。後半3ヶ月はソーラーパネル併設型・農業ハウスの施工支援をはじめとして、Jクレジット獲得に向けた調査・書類作成やアクアポニックス領域における協業を検討しました。
(写真:大山様 三重県にて、農業ハウス施工のお手伝い)

留学を通しての気づき・学び

——留学を通して、どのような気づき・学びがありましたか?
大山 他社留学を通して、一番実感したことは、「動くこと、そして動き続けることが大事」だということです。元々私は、フットワークが軽い方ですが、新規事業という不慣れな領域に関しては、頭でっかちになってしまい一歩を踏み出せなくなる場面もありました。経験のある仕事であれば、どうすればいいのか、ある程度わかりますが、新規事業に関しては経験がないためどう進めていいか見当がつかず、行動を躊躇ってしまうことがありました。しかし、他社留学を通して、まずは動いてみることの大切さを痛感しました。
——どうしてそのように思われたのでしょうか?
大山 留学先は、佐藤社長がお一人で運営されている会社ですが、たった一人でもこんなに多くのことを手掛けられるのだということに驚きました。なぜ一人でもできるのかを考えてみると、「行動力」だったんですね。とにかく行動して、躓いてもそれに囚われず、また走り出す、というのを繰り返されていました。できない理由をあれこれ考えるのではなく、とにかく行動、そして複数の選択肢を常に持つ。一つの選択肢に依存し過ぎない。それを目の前で見させていただいたことで、動くこと、動き続けることの重要性を強く感じました。大変貴重な経験をさせていただき、ありがたかったです。
——佐藤社長の影響がとても大きかったようですね。
大山 そうですね、非常に大きな影響を受けたと思います。課題に直面したとき、「あの人だったらどうするだろう?」と想いを馳せることがありますが、今後、私が壁にぶち当たったときは「怯むな!突破しろー!!」と言っている佐藤社長が思い浮かぶような気がします(笑)これまで出会ったことがなかったような人と共に行動することで自分の世界観が広がっていく、そんなチャンスを得られるのが他社留学の醍醐味かもしれませんね。
——他社留学を通して、自社の優れた点はどんなところだと感じましたか?
大山 色々なことに気づきましたが、まずは安定した財務ゆえにチャレンジへの予算が潤沢にあり、社会的信頼度も高いと感じました。また、多種多様な専門性、スキルを要した人材が至る所にいて、相談が必要な場合も気軽に応じてくれる人が多く、新しい話題にも興味を持ってくれる人が沢山いることがわかりました。それから、当社は役職に関係なく、フラットに話せるカルチャーがあり、堅苦しさがないため、非常に恵まれた環境だと感じました。
(写真:大山様が施工のお手伝いをした三重県の農業ハウス)

留学後の変化

——留学後、変化のあったこと、取り入れたことはありますか?
大山 「まずはやってみよう」という仕事の進め方を場面に応じて取り入れられるようになったと思います。新事業担当になる前、私は営業としてカーメーカー様や自動車部品メーカー様との折衝をする機会が多くありました。担当していた部品群が車の安全性に関わる部品だったこともあり、物事を慎重に進める必要がありました。新事業チームへ異動してからも、つい慎重になり過ぎて「まずやってみよう」というスタンスが不十分だったこともありました。
しかし、今回の留学を通して異なる仕事の進め方を知ることができて、「まずは行動」というギアチェンジを抵抗なくできるようになったと思います。新事業の探索という先の見えない段階では、行動する事がとても大事だと実感しました。動いても何も収穫がないことも勿論多いのですが、そこで止まらずに動き続けることで少しずつ進んでいくんです。留学先での学びを生かし、「行ってみる、やってみる、引いて視る、ダメだったらまた次を探してみる」というのを日々繰り返しています。
——ご自身の変化によって、周りの反応はいかがですか?
大山 伴走者の方から「変わったね、別人のようだよ」と言われました。自分でも半年前と比べて、意識や行動が大きく変わったと実感しています。半年間かけて、自分の体の中の水が入れ替わっていったような感覚です。
また、留学先との協業案件について社内の技術系部署に相談したところ、自動車部品とは全く異なる領域だったため、打ち合わせ後に「こういうのも面白いですね」と笑顔で言ってもらいました。購買関連の部署の方にも協力してもらい、「こういうネタならどんどん持ってきてください、大歓迎です!」と言ってもらったこともありました。新しいことに対して興味を持ってもらえたことが嬉しかったですし、まず受け入れてもらえたことに非常に感謝しています。
——社内でも協力者が増えているようですね。
大山 そうですね、自分の夢ややりたいことを実現するには、社内で協力してくれる仲間が不可欠です。そのために、私自身が積極的に情報を発信していくことが重要だと考えています。熱い想いを持ちながらも、周囲に仲間がいなくて一人で悶々としている人や、すでに諦めてしまった人もいるかもしれません。私が情報を発信することで、社内にいるチャレンジスピリットをもった人たちがより活性化し、目標の実現に向けて共に協力して進んでいけたらと思います。
(写真:福祉事業所が運営するカフェにて、農福連携の打合せ)
——留学後も、留学先との協業が続いていると聞きました。
大山 そうですね、留学先と協力しながら進めているところです。留学の最終日に佐藤社長と「他社留学としては今日が最後で、シーズン1が終わったところだね。でも、私たちの協業はこれからも続くから、明日からはシーズン2だね」と盛り上がりました。どこまで自社のためになるのか、世の中の役に立てる事業になるかはわかりませんが、とにかく挑戦を続けます!
——他社留学に参加するか迷っている方にメッセージをお願いします。
大山 最近では、どの企業でも積極的なチャレンジが求められていますが、チャレンジしたいけれど何をすればいいかわからない人もいるかもしれません。そんな方には「他社留学」という手段があることを知ってもらえたらと思います。
他社留学に参加したことで、予想外の成果がたくさんありました。例えば、今日も外部の会社と打ち合わせをしましたが、他社留学を通じて知り合った社内の別部署の方が繋げてくれて、一緒に行くことができました。一つの繋がりがさらに別の繋がりを生み、どんどん広がっていきます。椅子に座って考えているだけでは何も生まれませんが、行動することで新しい繋がりが生まれます。私の体験を聞いて、自分も動いてみようと思ってもらえたら嬉しいです。
<留学先からのコメント> ~TSUBU株式会社 佐藤様より~
半年間、事業開発のプロセスを共に体験し、取り組むことによって、お互いに様々な気づきや発見、学びがあったように思います。いつも頭を使っている大山さんにとっては、何度も現地に赴き、頭を使うより体を使って行う作業を繰り返すことによって、違った感覚や気づき、学びが生まれたのではないかと思います。大山さんは、非常に頭が良く、整理することが得意で、慎重な方だと感じました。また、新規事業を促進する営業、または新規案件を探す営業として、非常に優秀だと感じました。今後もご自身の特徴を生かして事業開発に携わっていただくことが良いのではないか、と考えます。他社留学は一旦終了しましたが、引き続き大山さんを通じて、連携を図っていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
会社名 株式会社ニフコ
業種  工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密成形部品の製造・販売
URL https://www.nifco.com/