事例紹介

株式会社ニフコ×テテマーチ株式会社の導入事例

「挑戦と発見の半年間-他社留学がもたらした学びと変化」(職種:総務 留学頻度:週1日、留学時:中途入社17年目)
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目的
他社の広報対応に触れることで、新たな知識や視点を得る
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背景
異なる業界や企業を経験できる機会を作り、リーダー人材の育成や外部との協業に関する経験・知見を得て、変革を促進する必要性があった
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効果
・SNSに関する知識など、広報業務に活かせることを幅広く学ぶことができた
・短文を書く能力や仮説を立て改善策を考える力が向上し、分析能力があることに気づいた
他社留学を終えた「卒業生」にインタビュー。留学前、留学中、留学後の想い、そして留学後に何が変わったかについて、体験談を語っていただきます。

今回お話を伺ったのは、株式会社ニフコ。他社留学を経験したのは、総務部の小林さんです。留学先は、企業向けのSNSマーケティング支援を中心としたビジネスを展開するテテマーチ株式会社です。留学中は、広報業務、X(旧Twitter)の企業公式アカウント運用業務に携わりました。
所属 株式会社ニフコ
留学先 テテマーチ株式会社
他社留学期間 週1日/6ヶ月間(2023年10月~2024年4月)
留学した人 管理本部 総務部 小林 千尋さん(留学時:中途入社17年目)
送り出した人 開発本部 エグゼクティブ・エキスパート 根津 幹夫さん

留学前の想い

——まず初めに、他社留学に参加した背景をお聞かせください。
小林さん(以下、小林) 社内で他社留学の公募があり、応募して参加することが決まりました。現在担当している広報業務に関して、他社での知見を得ることにより経験値を高めたいと考え、参加を希望しました。
——小林さんは普段どのような仕事をしているのですか?
小林 総務部に在籍し、幅広い業務に携わっています。例えば、株式関連やリスクマネジメント関連の業務から、コーポレートサイト更新や会社案内・社内報の制作、プレスリリース配信のような広報関連など、担当業務は多岐にわたります。
——他社留学前はどんなお気持ちでしたか?
小林 楽しみな気持ちと不安な気持ちの両方がありました。新しいことにチャレンジすることは楽しみでしたが、所属企業では一人で担当している業務が多いため、留学期間中にどのように対応するか、両立できるのかといった点に不安がありました。
——他社留学にはどんなことを期待しましたか?
小林 広報関連業務に活かせる新たな知識や視点を得たいと考えていました。私はこれまで総務部で様々な業務を担当してきましたが、広報に関する知見が不足していると感じており、他社が具体的にどのような活動を行っているかを見てみたいと思っていました。

大変さを感じながらも充実した半年間

——他社留学に参加して、いかがでしたか?
小林 普段とは全く違う環境で、SNSについて学ぶというこれまでにない経験をさせていただきました。新しいことにチャレンジし、知識や理解を深めていくことはとても楽しく、最終的には自身の成長につながったのでは、と思っています。最初は「私には無理かもしれない」と思うこともありましたが、後半は大変ながらも楽しんで業務を進めることができました。自社での業務が多忙になり、留学先へ行けない時期もありましたが、留学期間を1週間ほど延長させていただき、無事に終了することができました。所属企業に在籍しながら、他社の異なる文化を経験することは、非常に得難い経験だったと実感しています。全ての関係者の皆様に心から感謝しています。

テテマーチ株式会社:https://tetemarche.co.jp/

——留学先はどのような会社でしたか?
小林 留学させていただいたテテマーチ株式会社は、企業向けのSNSマーケティング支援を中心としたビジネスを展開している企業です。2015年の創業以来培ってきたSNS運用支援やブランドプロデュースなどのコミュニケーションプランニングに加え、独自の研究機関、データ分析ツール、ビッグデータなどを保有しています。今回、私は他社留学によって広報業務に関する知見を得たいと考えていたため、同社への留学を希望いたしました。
——留学中は具体的にどのようなことをしたのでしょうか?
小林 Xの公式アカウントの運用業務に携わりました。毎週開催されるセミナーやコラムの紹介、社員の登壇情報などの情報発信を行いました。Xには文字数制限がありますので、例えばセミナー紹介の投稿の場合でも【どんな背景】のもと、【どんな人】向けに【どんな手法を使って】【どんなことが学べる】セミナーであるのかをまず自分が理解した上で、参加申込へ誘導できる短文を作成する必要がありました。
また、留学先で業務を行う中で「自分のようなX運用初心者向けに、運用ノウハウなどの情報がまとめて発信されていたら嬉しいな」と考え、留学期間の最後には「Xを学ぼう週間」という企画で、X運用に関するお役立ち情報を連続投稿させていただきました。
——半年間、順調に進んだのでしょうか?
小林 最初の頃は「何をすればいいのか?」と思い悩み、早く終わってほしいと思うこともありました。周りの皆さんが忙しそうにしているのを見て、自分が動くことで余計な手間をかけさせてしまうのでは、と遠慮し、待ちの姿勢が強くなってしまっていたんです。しかし、悩んでいても何も始まらないと気づきました。そこで、途中からは開き直り、「あまり気にしてもしょうがない」と考え、自分ができることをやろうと気持ちを切り替えました。これがきっかけで、自分でネタを探してXの投稿案を作成し、先回りして行動するようになりました。その結果、業務がスムーズに進み、より自信を持って取り組めるようになりました。
——最終的に留学先から高評価を得られたと聞きましたが、その要因は何だと思いますか?
小林 正直なところ、このような評価を得られるとは思っていませんでしたので驚きました。諦めずに粘り強く取り組んだことが、良かったのかもしれません。あとは、なぜこうしたのか?こう考えたのか?という質問をされた時に、明確に理由を説明できることを心掛けて投稿案や資料を作成するようにしていたことを覚えています。
——留学を通して、大変だったことはありましたか?
小林 そもそものベースが異なっていたので、大変だったことは色々ありました。使用するシステムが全く異なっていたため、順応するのが大変でしたし、皆さんが使っている言葉の意味がわからず戸惑ったこともありました。例えば、「個チャで送ります」と言われた際、意味がわからず困ったのですが、後で「個別チャット」の略であることがわかりました。このような基本的な部分での苦労もありました。
また、広報のプロフェッショナルの方々と比較すると、自分の理解が追いつかない部分が多く、広報業務に関する経験の差を感じました。さらに、所属企業での担当業務で、至急変更が必要になった案件があり、その対応に追われた期間は特に、両立が大変でした。

留学を通しての気づき・学び

——留学を通して、どのような気づき・学びがありましたか?
小林 私は15年以上総務部に在籍してきたため、普段と全く異なる環境で業務を行うのは非常に新鮮でした。また、最近は自分が教える立場になることが増えていたため、今回、教わる立場になったことで、普段とは逆の視点を得ることができました。自分にとっては当たり前のことでも、他の人々にとっては必ずしも当たり前ではないという基本的なことに改めて気づかされました。この気づきを通じて、他のメンバーと一緒に仕事をする際は、相手に寄り添い、その人に合わせた対応をすることの重要性を実感しました。
また、最後の一週間で、Xの公式アカウントで連続投稿を行いましたが、その際、留学先で社内アンケートを実施し、皆さんの意見を参考にしました。多くの方にご協力いただき、企画を形にできたことは大変ありがたかったです。また、所属企業では私一人で、または私が主導で業務を進めることが多かったため、私の提案に対して「こうしたらもっと面白くなるよ」というフィードバックをたくさんいただけたことも印象深く、大きな学びを得ることができました。

社内アンケート結果を活用して行ったX投稿-テテマーチ株式会社 公式X(@tetemarcheInc)より

——留学を通して、どのようなスキル・知識を獲得・強化できたと思いますか?
小林 SNSに関する知識やプレスリリースの書き方、メディアへのアプローチ方法など、広報業務に活かせることを幅広く学ぶことができました。皆さんもご存じのように、XをはじめとするSNSにはたくさんの情報が溢れています。その中で、自分が狙った相手に伝わる様に、いかに端的に分かりやすく、かつ効果的に情報を発信できるかは、実はとても知識やテクニックや分析力などが必要であることがわかり、それらに関連する知識を得ることができました。また、Z世代が多くSNSを活用していることから、Z世代の購買行動についても新しい知識を得られました。
スキル面では、短文を書く能力が向上したと感じています。先ほども触れましたが、Xでの投稿には文字数制限があるため、コンパクトにまとめながら効果的なキーワードを活用して文章を作成する必要がありました。この過程で文章構成力を養うことができたと実感しています。
——他社留学を通して、新たに発見した自分の能力はありましたか?
小林 これまでの業務では、自分の対応について効果測定を行う機会があまりなかったのですが、今回の経験を通じて、データを分析し仮説を立てて改善策を考える能力があることに気づきました。また、必要な情報を集めて、そこから最適なものを選ぶことも得意だと感じました。経験したことがないことにチャレンジできるからこそ、これまで気づかなかった自分の能力を発見できる点も他社留学の良いところなのかもしれません。
——他社留学を通して、自社の優れた点はどんなところだと感じましたか?
小林 自社の優れた点は、異なる属性の相手に対して排他的ではなく、誰でも受け入れる文化が根付いているところだと感じました。状況を知らない相手に対しても丁寧にサポートを提供し、親身になって対応する姿勢は非常にありがたいと改めて気づきました。とはいえ、それに甘えるのではなく、自分自身でも調べたり考えたりすることは大切ですが。

留学後の変化

——留学後、変化のあったこと、取り入れたことはありますか?
小林 相手の属性に左右されることなく、必要なことはしっかりと相手に伝えることを意識するようになりました。そして、根拠を持って伝えられるように、日頃から情報収集することを心掛けています。理由や目的を説明することは、こちらがどんな考えからその結果に至ったかを相手に理解してもらうのに役立つと感じています。
また、これまでは担当者だけで作業を進める業務が多かったため、それ以外の人と協力して仕事を進める機会は多くありませんでした。しかし、留学後はお互いに「手伝って」と言いやすい関係を築くために、他の人の担当業務にも積極的に関わり、普段から手伝えることを意識して動くようになりました。
——留学中に学んだことで、取り入れたことはありますか?
小林 自社でもグループや個別のチャットを使用することはあるのですが、以前は皆、読んだらそのままにするか、文章で返信する場合がほとんどでした。しかし、留学先では皆さんがチャットでの絵文字を活用しているのを見て、私も意識して使うようになりました。こちらの反応や気持ちをより簡単に明確に伝えられるし、こちらも相手の反応をひとめで知ることができます。働き方が変化し、テレワークなど顔を合わせずに業務を行うケースが増えている中、コミュニケーションを円滑にするのにとても有用だと思いました。とても小さなことではありますが、自分が意識的に絵文字を使うことで「チャットで絵文字活用」の文化を部内に根付かせていきたいです。
——再度他社留学に行けるとしたら、どんな留学先へ行ってみたいですか?
小林 私は今回、自分に不足している知見を得ることを目的としていたので、今度は自分の知識や経験が生かせる留学先を選んで、どこまで通用するかを試してみたいです。技術系の方だと自分の技術が活かせる企業へ留学することが多いと聞きました。どんな留学先が良いかは、その方の目的に応じて決めるのがいいのかもしれないですね。
<留学先からのコメント> ~テテマーチ株式会社マーケティング部ゼネラルマネージャー 出口様・吉田様より~
半年という短い期間でしたが、小林さんは大きな成長を見せてくださいました。最初は遠慮がちでしたが、徐々に自分から手を挙げて積極的に動くようになり、その姿勢がチームにも良い影響を与えたと思います。SNS運用だけでなく、他社の取り組みを知るきっかけを作るなど、横のつながりを大切にし、チーム全体にプラスの影響を与えました。会うたびに明るく楽しそうにしている姿が印象的で、また、仮説を立てたり、貪欲に学び続けたりする姿勢も非常に印象に残っています。
業務を進める中で、当社内でご自身ができることを認識した後は、対応できる範囲を広げ、自発的に企画を立てたり、興味を持って積極的に共有したりしてくださいました。責任感が強く、推進力もあり、半年間でクオリティーとスピードが向上したと感じています。留学期間を延長してでも、最後までやり切りたいと申し出てくださったことは、本当に素晴らしく、ありがたかったです。
会社名 株式会社ニフコ
業種  工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密成形部品の製造・販売
URL https://www.nifco.com/