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株式会社ニフコ×ハロースペース株式会社の導入事例
株式会社ニフコ×ハロースペース株式会社の導入事例
「ベンチャー×大企業の共創プロセスを体感して」(職種:事業開発 留学頻度:週1日、留学時:中途入社8年目)
目的
・社会的価値や市場のニーズを理解し、ゼロからビジネスを生み出すプロセスを学ぶ
・新たな価値観の発見およびベンチャー企業のスピード感を体感する
背景
異なる業界や企業を経験できる機会を作り、リーダー人材の育成や外部との協業に関する経験・知見を得て、変革を促進する必要性があった
効果
・ベンチャー企業が大企業とビジョンを共有し、協力関係を築くプロセスを経験できた
・ベンチャー企業のスピード感を経験し、ベンチャー企業の視点を理解することができた
他社留学を終えた「卒業生」にインタビュー。留学前、留学中、留学後の想い、そして留学後に何が変わったかについて、体験談を語っていただきます。
今回お話を伺ったのは、株式会社ニフコ。他社留学を経験したのは、事業開発室の磯谷さんです。留学先は、次世代モビリティ・次世代エネルギー技術の開発・販売を行う熊本発のスタートアップ、ハロースペース株式会社。留学中は、自家発電型スマートEバイクに関する営業やマーケティングのサポートを行いました。
所属
株式会社ニフコ
留学先
ハロースペース株式会社
他社留学期間
週1日/6ヶ月間(2023年10月~2024年4月)
留学した人
事業開発室 磯谷 直樹さん(留学時:中途入社8年目)
送り出した人
開発本部 エグゼクティブ・エキスパート 根津 幹夫さん
留学前の想い
——まず初めに、他社留学に参加した背景をお聞かせください。
磯谷さん(以下、磯谷)
社内で他社留学の公募があり、応募して参加することが決まりました。新たな環境に身を置き
自分自身を試してみたい
、また、価値観を広げ、新たな可能性を見出すことで
成長に繋げたい
という想いがあり、参加を希望しました。留学前は、楽しみな気持ちが強かったです。
——磯谷さんは普段どのような仕事をしているのですか?
磯谷
事業開発室に所属しており、マーケティング業務を担当しています。
——他社留学にはどんなことを期待していましたか?
磯谷
社内だとなかなか感じることができない
「社会にもたらす価値」や「市場は何にお金を払うのか」
といった視点を学びたいと考えていました。また、所属企業にはない価値観やゼロからビジネスを立ち上げるためのプロセス、さらにベンチャー企業のスピード感など、新規事業開発に活かせる要素を学びたいと思っていました。
次世代モビリティ開発を行うスタートアップへ
——留学先はどのような会社でしたか?
磯谷
留学させていただいたハロースペース株式会社は、熊本発のスタートアップで、外部充電不要の自家発電型スマートEバイク、超電導自動車などの次世代モビリティの開発、メタバース事業、エンターテインメントDX事業などに取り組む企業です。技術力が高く、社員数が少なく、新しいことに積極的にチャレンジしている企業への留学を希望しており、その中でも当社との親和性が高く、協業の可能性がありそうな企業ということで、希望させていただきました。
ハロースペース株式会社:
https://hello-space.co
——留学中は具体的にどのようなことをしたのでしょうか?
磯谷
自家発電型スマートEバイクに関する営業やマーケティングのサポートを行いました。海外のベンチャーキャピタルが主催するピッチイベント用の資料を作成したり、打ち合わせに同行させていただいたり、重要な部品選定のための調査を行ったりしました。初めて作る資料もありましたが、これまで社内で培ってきたスキルが役立ったと思います。また、留学中に協業の可能性があるかを探るため、当社と留学先で打ち合わせを行い、一緒にビジネスアイデアを検討しました。留学終了後も1年ほど実証実験に向けて議論を重ねていきましたが、最終的には実証実験の実施には至りませんでした。
着実に成果を積み重ねた半年間
——他社留学に参加して、いかがでしたか?
磯谷
半年間の留学を通じて、
視野が広がり、価値観
が変わりました。大変だと感じることはなく、むしろ楽しみながら取り組むことができたと思います。自分が興味のある分野の企業に留学できたので、内容がとても入りやすく、最初から高いモチベーションで臨むことができました。留学先の抱えている課題と、自分がやりたいことがある程度一致していた点も良かったですし、色々お任せいただけたので、自由に取り組むことができ、充実した時間を過ごすことができました。事業開発のプロセスを実際に経験することができ、社内では得られない次に繋がる貴重な経験を積むことができたので、参加して本当に良かったと思います。
——半年間、どのように進めたのでしょうか?
磯谷
留学先の取り組みは多岐にわたっていましたので、まずはどの様なことを推進しているのか、持っている課題は何かを教えてもらい整理しました。ユニークな技術に対して多くの企業やベンチャーキャピタルが興味を持っており、協業関係の組み方や資金調達のための戦略などについても議論させて頂きました。留学先の取り組み内容と現在地を理解した後、ベンチャーキャピタル主催のピッチイベントの資料作成を行い、週1回の打ち合わせで内容を調整していきました。同時に同社の技術に必要な重要部品の調達のため、適合する技術を持った会社を調査し、問合せから打ち合わせの実施にいたりました。
(熊本県にて留学先開発のE-BIKE試乗会の様子)
——留学先での経験を通じて自信がついたのではないですか?
磯谷
そうですね、自信がついたというよりは
「動くしかない」という確信
が得られました。自分が動かないと何も始まらなかったので、自分から積極的に動くことで、次第に道が開けた気がします。一方で、今振り返ると、もっとできたのではないかという反省もあります。前半はインプットが主だったため、今考えれば、インプットしながらも何かしらの成果を出すことができたのではないかと思います。インプットだけで終わらせてしまったのは、当時の意識が低かったからだと感じています。
ただ、当時は留学先の話が専門的で難しく、専門用語がわからないことも多かったので、インプットだけでも必死でした。そのため、もっと理解できていれば、できることがあったのではないかと思います。色々勉強して理解できるようになったからこそ、そう感じるのかもしれません。
留学を通しての気づき・学び
——留学を通して、どのような気づき・学びがありましたか?
磯谷
スタートアップが大企業とビジョンを共有し、共感を得るプロセス
は非常に面白くて、これまでにない経験を得ることができ、自身の成長を感じました。留学先は社員が少ない企業だったので、常に社長とご一緒させていただいたのですが、熱量や想いで事業を動かしていくのを間近で見させていただき、非常に新鮮でした。社内では、リスクや売上、効率を重視したり、無駄なく綺麗に進めようとしたりするところが往々にしてありますが、留学先は真逆で、まず世の中を変えたいという想いや熱量があって、目線が全く違いました。そしてそれを裏付ける技術力があるからこそ、積極的な動きができるのだと感じました。
また、
ベンチャー側の風景が見えた
のは非常に稀有な経験だったと思います。留学期間中、留学先と私の上司を引き合わせた時、私自身はニフコの社員として打ち合わせに行ったのですが、留学先の社員としてニフコと話しているような感覚がありました。今後、ベンチャー企業と協業を進めていく際に活かせる貴重な経験が得られたと思っています。
——他社留学を通して、自社との違いを感じたのはどんなところでしたか?
磯谷
所属企業では
質を重視する
傾向が強い気がしますが、留学先では
スピードが重視
されていました。スタートアップならではの特徴でもあると思いますが、スピードを重視し、その後ブラッシュアップやピボットを繰り返して進めていくスタイルでした。留学途中で、質の高い完璧なものが求められていないことに気づき、自分が品質にこだわりすぎて、作業のスピードが遅くなってしまっていると感じました。それに気づいてからは、スピードを重視して、ある程度仕上げて共有し、フィードバックをもらって改善していく方法に切り替えました。文化の違いを感じながら、学び、随時調整していきました。一緒に仕事をする相手が
どのくらいの精度とスピード感でアウトプットを期待しているのか
を汲み取ることは大事だと学びました。
(熊本県にて留学先開発のE-BIKE試乗会の様子)
——求められているものが違うことになぜ気づけたのでしょう?
磯谷
途中で一度、いつもより精度が低い状態でアウトプットを見ていただいたことがありました。その時、留学先の反応が良かったので、完璧さを求められているのではないとわかりました。今回の経験で、質を優先する進め方、スピードを優先する進め方の両方を知ることができたので、
状況や一緒に働く人によってどちらが適しているかを見極め、柔軟に対応
できるようになったと思います。
留学後の変化
——留学後、どのような変化がありましたか?また、何か取り入れたことはありますか?
磯谷
新規事業の進め方が変わったと思います。以前より
スピードを重視した進め方
ができるようになりました。特にスピードが遅い理由として、会議室で議論する時間が長いことに気が付きました。留学先はどんどん現場に出て行って、現地現物で確認しその場で判断されていました。そのため、私も今まで以上に外に出ていき、事実をもとに考え実行するようにしています。
——ご自身の変化によって、周りへの影響はありましたか?
磯谷
今回の留学後からより積極的に行動することで結果が少しずつ出てきました。そのことにより私の発言に
説得力が出てきた
と考えており、意思決定において今まで以上に私の意見を尊重してくれていると感じています。
写真左から2番目:株式会社ニフコ 福本様、3番目:磯谷様(留学先メンバーと共に)
——再度他社留学に行けるとしたら、行ってみたいですか?
磯谷
行くと思います。具体的にどういう企業へ留学したいというのは思い浮かばないですが、再度新規事業に資するところで、スタートアップの速いスピード感に触れたいです。今回は週1日の参加でしたが、次はもう少し
日数を増やしたい
です。週1日は留学先と一緒に業務を進めますが、自分だけでも調査や検討する時間が必要なので、日数が多い方が余裕を持って進めることができると思います。
<留学先からのコメント> ~ハロースペース株式会社 代表取締役 岩下様より~
基本的には感謝の気持ちしかありません。磯谷様には、こちらの要望に対してすべて対応していただき、私の手が回りきらない部分もサポートしていただき、非常に優秀な方だと感じました。お持ちの知識をフル活用し、メーカーの選定や商談の進め方、折衝なども大変スムーズに対応してくださいました。ニフコ様とのご縁は、当社にとって非常に有益なものであったと感じています。6ヶ月間、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
会社名
株式会社ニフコ
業種
工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密成形部品の製造・販売
URL
https://www.nifco.com/
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