事例紹介

株式会社ニフコ×一般社団法人Earth Companyの導入事例

「幸せと豊かさを感じた貴重な半年間-終了後は留学ロスに?!」(職種:購買 留学頻度:週1日、留学時:新卒入社16年目)
目的 アイコン
目的
未知の環境に飛び込み、他社の風土を体験することで視野を広げる
背景 アイコン
背景
異なる業界や企業を経験し、組織内の人材育成や外部との連携・協業への対応について知見を得たかった
効果 アイコン
効果
・留学先での人々との出会いや、様々な取り組みや価値観・風土に触れることで、自組織との違いを知り、視野が大きく広がった
・どんな環境でも乗り越えていける自信がついた
他社留学を終えた「卒業生」にインタビュー。留学前、留学中、留学後の想い、そして留学後に何が変わったかについて、体験談を語っていただきます。

今回お話を伺ったのは、株式会社ニフコ。他社留学を経験したのは、購買部の佐瀬さんです。留学先は、次世代に残せる未来を創出することを目指し、社会変革を起こす「人」と「団体」を支援・育成する一般社団法人Earth Company。留学中は、団体が提供する研修事業やSNSリニューアルにおけるサポートなどに携わりました。
所属 株式会社ニフコ
留学先 一般社団法人Earth Company
他社留学期間 週1日/6ヶ月間(2023年10月~2024年3月)
留学した人 購買部 佐瀬 佳奈美さん(留学時:新卒入社16年目)
送り出した人 開発本部 エグゼクティブ・エキスパート 根津 幹夫さん

留学前の想い

——まず初めに、他社留学に参加した背景をお聞かせください。
佐瀬さん(以下、佐瀬) 社内で他社留学の公募があり、上司に声をかけていただき、経験者の感想も聞いて面白そうだなと興味がわき、参加することを決めました。私は当社以外の企業経験がなかったので、異なる業界や職種を体験する良い機会だと思いました。留学前はどんな体験ができるかワクワクしていましたが、一方で他の会社で通用するのか、不安な気持ちもありました。
——他社留学には、どんなことを期待して参加しましたか?
佐瀬 他社を経験したことがなかったので、所属企業との違いを知りたいという気持ちがありました。他社の優れた点を取り入れるかを判断するにも、違いがわからないとできないですよね。違いを知ることで、新たな選択肢を得て、視野を広げられたらいいなと思っていました。特に興味があったのは、他社の風土や社員のモチベーション維持管理への方策です。仕事に直結することでは、全従業員に対して会社目標をどのように共有するかを学びたいと思っていました。また、日常業務のスピード感、多忙さ、部署間の連携なども実際に留学することで体感したいと思っていました。

幸せと豊かさを感じた半年間

——今回留学されたのは、どのような団体だったのですか?
佐瀬 一般社団法人Earth Companyは、次世代につなぐ未来のために、人と自然が共繁栄する”リジェネラティブなあり方”※を追求する団体です。事業としては
①アジア太平洋の社会課題解決に取り組むチェンジメーカーや起業家たちを支援する「インパクトヒーロー支援事業」
②リジェネラティブな未来を創る人を育成する研修プログラムを企業や学校に提供する「インパクトアカデミー事業」
③リジェネラティブなあり方を追求・体現する「バリ島エシカルホテル事業」
などを行っています。これまで私とは全く接点がなく、かつ、利益を追求しない非営利団体だったので、全く未知の環境を体験できるチャンスだと思いました。また、団体創設者の濱川夫妻や、チームメンバーにとても惹かれるものを感じ、留学先として選定させていただきました。
※リジェネラティブとは
「再生させる」という意味を持つ言葉で、問題の根本を解決し、現状をより良くするための取り組みを表します。サステナビリティと比べ、環境をより良い状態に再生させるというニュアンスが強いため、サステナビリティの一歩先をいくキーワードと言われています。

一般社団法人Earth Company:https://www.earthcompany.info/ja/

——留学中は具体的にどのようなことをしたのでしょうか?
佐瀬 研修事業の提供先・提携先となりうるマレーシアなどの学校・企業の調査やリストアップ、10周年記念に向けたインスタグラムリニューアルの企画サポートなどを行いました。また、イベントにも何度か参加させていただき、イベントブログ記事を初めて作成する事にも挑戦しました。それから、普段の活動はリモートですが、年末に日本とバリ拠点に対面で集まり団体全体で行われる総括のAnnual Team Meetingと夜の懇親会にも参加させていただきました。
——Annual Team Meetingと夜の懇親会に参加してみて、いかがでしたか?
佐瀬 初めてお会いするメンバーもいましたが、皆さん本当に優しくユーモアがあり、素敵な人ばかりで、本当に楽しい一日でした。各チームからの発表を聞かせていただきましたが、困りごとを打ち明けられる心理的安全性が確保されていて、幹部メンバーが受け止める姿勢を持っていると感じました。また、創設者の強い想い、使命感、チームへの感謝の気持ち、すべての発言が嘘偽りなく伝わってきて、感動しました。私自身も話す時間をいただくことができ、出会いへの感謝やwell-beingやリジェネラティブの考えが勉強になっていることを伝えられて、大変良い機会となりました。
(Annual Team Meetingの様子)
——今回の留学を、一言で表現するとしたらどんな言葉になりますか?
佐瀬 一言で表現すると「楽しかった」です。参加していた半年間は、通常業務をこなしながらなのでもちろん大変でしたが、現職のメンバーにもサポートいただき、気持ちよく他社留学を満喫・全力投球することができました。このような素敵な機会をいただけたことに感謝です。
——楽しいというのをもう少し具体的にお話いただけますか?
佐瀬 他社留学は研修なので、仕事の一環として留学先の業務に参加していましたが、私としては仕事という感覚はなかったです。今回は週1日の参加だったのですが、その1日が私の“オアシス”になっていました。誰と話をしても、打ち合わせ後は気分が明るくなって、リフレッシュできた気がしました。皆さんの発する明るくポジティブなエネルギーが伝染して、こちらまで前向きでハッピーな気分になることができました。
——どうしてリフレッシュできたのだと思いますか?
佐瀬 些細な事でもすごく褒めてくれるんです(笑)。 大人になって仕事中に褒められる事ってなかなかないですよね。それに、留学先の皆さんがとにかくポジティブ。皆さん心豊かですごく自然体だったので、私自身も自分らしくありのままでいられて、非常にリラックスできたのだと思います。ご一緒させていただいた時間は、本当に豊かな時間で、幸せでした。そのため、留学が終了するときは、悲しくて仕方なくて、泣きそうなくらいでした。留学後しばらく、“留学ロス”状態でした(笑)
(バリと日本を繋いだミーティングの様子)

留学を通しての気づき・学び

——留学を通して、どのような気づき・学びがありましたか?
佐瀬 社会課題や環境課題をテーマに、人生を通して取り組んでいる人たちを目の当たりにできたこと、そして組織のミッションがメンバー全員に浸透していた点が一番印象に残っていて、大変勉強になりました。また、この半年間を通して、彼らの提唱する“リジェネラティブなあり方”や、人類が直面している社会課題・環境問題に対し、無関心だったところから、関心が向いたことは自分の中で大きな変化であり、視野も大きく広がったと思います。
それから、この分野で何の知識もなく、現職経験を基にどう貢献できるか明確でない中で、留学先が私を受け入れてくださり、半年間ご一緒させてもらったことを考えると、どんな環境でも乗り越えていける自信に繋がりました。また、即戦力に繋がる新メンバー採用の様子などを垣間見ていると、今回の留学を通しての繋がりにとてもご縁を感じるとともに、私をリジェネラティブな未来を目指す同じ船に乗せて頂いたことにとても感謝しています。
——留学先の皆さんから受けた影響がとても大きいようですね?
佐瀬 そうですね、“人”からの影響といういのは大きいと思います。留学先の担当者の方とリジェネラティブについて対話をする機会が多々ありましたが、そのすべてが私の心に響きました。同じ事業をしている別の団体に行っても、同じように響いたかはわからないです。Earth Companyの皆さんが言うから説得力があったように感じましたし、何かを言われてもすんなり自分の中に入ってきたような気がします。内容も大事なのかもしれませんが、結局は“人”が大事なのだと思います。
——留学先からも、佐瀬さんから良い刺激・学びがあったと聞きました。
佐瀬 それは本当に嬉しいです。インスタグラムのリニューアルに関わらせていただいたのですが、私はインスタグラムを全くやっていなかったので、学んだことを元に考えて、こうした方がいいのでは?と素直にアウトプットしていきました。そういった何も知らない素人意見が、留学先にとっては新鮮な気づきになっていたようで、貢献できて良かったです。

佐瀬さんが作成したサステナビリティ関連イベントのブログ記事https://www.earthcompany.info/ja/blog/sustainable_kintaroame2023/

——全く知らないことについてアウトプットするのは大変だったと思いますが、なぜそれができたのだと思いますか?
佐瀬 それは“責任感”でしょうね。留学したからには、何かしら貢献しないといけない、何もせず帰るわけにはいかない、という成果へのこだわりもありましたし、本当に出会いに感謝していて、学ばせていただくことばかりだったので、せっかく与えていただいたタスクで何とか貢献したいという強い気持ちがありました。
留学中は週1日の参加だったので、次の回までに共有することを準備して、当日はそれをシェアして、というのを繰り返す中で徐々に理解が深まっていき、さらにそれをシェアして、、、というのをとにかく続けました。アウトプットというより、私なりの理解や疑問などを色々発信して、コミュニケーションを取っていった感じです。

留学後の変化

——留学後、変化のあったこと、取り入れたことはありますか?
佐瀬 なるべくポジティブでいたいと思いますね。空気感は組織づくりにとても大事なので心がけています。また、留学先の皆さんを見習って“自然体でいることも意識しています。私自身は元々感覚的な人間なのですが、購買という仕事柄、合理的・論理的に考えることを求められ、サプライヤーとの折衝などでは中々自然体でいることは難しいですが、それでも意識的に自分の状態を観察するようになりました。インナーサステナビリティの重要性を学んだのも留学経験の一つです。
——今後に向けて何か考えていることはありますか?
佐瀬 私は個人が成長したり、目の前のことを楽しくやっていたりすれば、それが間接的に会社への還元になると思っていますので、引き続き楽しく仕事をしながら、成長していきたいです。直接的でないにしても、個々人の影響は非常に大きいと考えています。また、成し遂げたいことがあるときに、同じ温度感で共有できている仲間がいることは嬉しいですし、大事なことだと思っています。仲間との時間や空間であれば、自分が自然体でいることもできると思うので、大事にしていきたいです。それから、留学先とは今後も関わりを持って、社会課題や環境課題に取り組み続け、自分にできることを進めていきたいです。
——これから留学をされる方に向けて何かメッセージはありますか?
佐瀬 自分だけの世界に留まらずに、世界には色々な人がいて、様々なことが起きているということを知ることはとても重要だと思います。私の場合は、一会社員として参加しましたが、人類へ目を向ける個人へ変革しました。無知であると気づくことも必要です。もしかしたら、知らない方がよかった…と思うこともあるかもしれませんが、それを知って悩み、もがいて苦しむことで、新たに見えてくるものもあると思います。私は他社留学の機会をいただいて本当に感謝しています。人それぞれに異なる経験になると思いますので、是非ご自身にとって良い機会にしてください。
<留学先からのコメント> ~一般社団法人Earth Company 小松様より~
弊団体の活動にとても興味を持って関わってくださり、非常に良好な関係の中で業務を進めることができました。インスタグラムのリニューアルへの貢献や、研修事業のマーケティングへの貢献はもちろん、佐瀬さんがフィードバックしてくださった、留学の中で感じた学びや気づきは、私たちが企業に提供する研修企画においても、非常に参考になりました。心理的にもスタッフに非常に近い場所で関わってくれたように感じていたので、留学が終了する時は、長年勤めたスタッフが退職するようで寂しかったです。
営利を目的とする企業とは異なる環境での体験が、そのまま現職の業務に活かせるかはわかりませんが、この半年間で視野も広がったと言ってくださっていたので、是非その広がった視界で見えるものを大切にしながら、新たなチャレンジを続けていってください!半年間ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

会社名 株式会社ニフコ
業種  工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密成形部品の製造・販売
URL https://www.nifco.com/