エッセンスのプロボノの魅力
——知見を得るために人材を受け入れる方法は、色々な形があると思いますが(社員、インターン等)、エッセンスのプロボノの良さはどんなところだと思いますか?
良い意味で「緩さ」があるところだと思います。お互いに強いコミットメントを求める場ではないという点がいいですね。例えば「営業促進」のように、「いつまでに何件成果を出す」というような明確な目標があるテーマについては、社員や業務委託の方に依頼してやるべきだと思っています。プロボノはどちらかというと、「体験・研修を通じて生み出されたアウトプットを受け入れ企業側がどう生かすか」ということなんだと思います。
個人的には、プロボノ参加者は、「壁打ち相手」や「調査的な役割ができる方々」だと思っています。一方で、他社の類似サービスでは、本気の企画に取り組んで、成果を出すことが求められるケースもありますよね。そうなると、当社側も同じように強くコミットしなければならなくなってしまいます。つまり、「ちゃんと結果を出さなきゃいけない」というプレッシャーが生まれます。目的の違いをしっかり整理しておかないと、参加者にとっても、受け入れ側にとっても、しんどくなったり、すれ違いが起きたりする可能性があります。その時々の目的や状況に応じて、関わり方を使い分けることが大切だと思っています。

——参加者の皆さんの最終的なアウトプットを見ると、決して“緩い”ものではないという印象ですが。
もちろんです。「緩い」と申し上げましたが、決して内容が軽いというわけではありません。お互い限られた時間の中で、アウトプットに向けて真剣に取り組んでいるからこそ、その時間を無駄にしたくないと思っています。私たちも時間に余裕があるわけではありませんし、参加者の皆さんも忙しい中で関わってくださっている。だからこそ、お互いの努力がきちんと“形として残る”ようにする必要があります。
——受け入れ企業の社長として、成果物の完成度や進捗を細かく求めたり、具体的な要望をすることはあるのでしょうか?
もちろん、目標はしっかり持って進めます。ただ、それによって誰かが無理して残業するようなことは、本意ではありません。だからこそ、優先順位を見ながら、お互いに無理のない範囲で進めていくことを大切にしています。「緩い」という言葉を使いましたが、それは“何も求めていない”とか、“放任する”という意味ではありません。