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2017/04/24 【イベントレポート】ビズテリア・クラブ主催「働き方改革」自社展開プラン共創ワークショップ

様々な分野で活躍するビジネスパーソン達が集まり、一緒に考え、相互に教え合う場を提供するビズテリア・クラブ。そんな同社が4月17日、「働き方改革」自社展開プラン共創ワークショップと題したイベントを開催した。

近年、注目を集めている「働き方改革」。 企業にも「働き方改革」への対応が求められ、長時間労働是正や副業・兼業解禁に頭を悩ませている担当者も少なくないはず。しかし、いざ、新しい取り組みを行おうと思っても、「何から始めるべきかわからない!」というのが、企業担当者の本音ではないか。

今回開催されたワークショップは、タイトルにもある通り、エッセンス株式会社、株式会社あしたのチーム、株式会社リブ・コンサルティングという「働き方改革先進企業」3社の取り組みを聞き、参加者同士のディスカッションを通して、自社の「働き方改革」に対するアクションプランを作成することをゴールとしたもの。 「何から始めるべきかわからない!」という働き方改革担当者にはうってつけの内容だ。

▲株式会社リブ・コンサルティング 組織開発コンサルティング事業部長 山口博氏

ファシリテーターを務めたのは、株式会社リブ・コンサルティング組織開発コンサルティング事業部長の山口博氏。

同氏の所属する株式会社リブ・コンサルティングは、世界約50か国で展開している世界最大級の意識調査機関Great Place to Work(R)の2017年日本版において3年連続で「働きがいのある会社」ベストカンパニーに選出されるなど、「働き方改革」のリーディングカンパニーとして注目を集めている。

▪段階的社外活動促進 -複業・兼業のススメ-

▲エッセンス株式会社 プロパートナーズ事業部長 吉水氏

イベントのトップを飾ったのは、弊社エッセンス株式会社 プロパートナーズ事業部長吉水氏。当社は特定分野に特化したプロフェッショナル人材の紹介サービス「プロパートナーズ」や大手企業の社員をベンチャー企業へ他社留学させる「ナナサン」という他社留学研修事業を展開しており、社外人材・社内人材両面の最適な活用を提案している。

働き方改革の最大の焦点である「生産性向上」に対しては、働く個人が副業や兼業で自社以外の場所でも価値発揮することが重要であるとし、そのためには企業が段階的に副業・兼業を推進していく必要があることをお話しした。

当社の他社留学研修サービス「ナナサン」は副業・兼業の足掛かりとして活用していただきたいサービスである。このサービスを通して、企業は自社の社員をどこでも通用するような人材に育てることができるだけでなく、自社の人材がどこまで通用するのか試すことができる。「ナナサン」に参加した社員は他社での経験に自信をつけて、新しい視点やマインドで本業に励むことができるようになるという訳だ。

▪働き方改革に不可欠な「あしたの」人事制度

▲株式会社あしたのチーム 経営企画本部事業企画部マネージャー 森氏

続いて登壇したのは株式会社あしたのチーム 経営企画本部事業企画部マネージャー森氏。同社は、中小企業に対し人事評価制度構築サービスを展開しており、社員全員が明確な目標のもと、意欲的に業務に取り組むことができる環境づくりを支援している。

同社の人事評価制度の最大の特徴は「絶対評価」。社員一人一人が自分自身で目標を設定し、上司はその目標を他者との相対評価ではなく、絶対評価を行う。場合によっては減俸や降格もあり得るというが、同社のサービスを導入した企業の社員は明確になった目標に向かって驚きの成果をあげるという。目標が明確になることで、生産性向上だけでなく、「場所や時間にとらわれない働き方」も実現できるだろう。

▪自社の「働き方改革」アクションプランを創る

▲気になったワードをプロセスに落とし込むのは、予想外に難しいことがわかる

参加者に指示されたのは、先進企業2社のプレゼンテーションの中で参考になった部分を付箋に書き出すこと。その付箋をプロセスマッピングと書いてあるシートに、自社で行うときのプロセスを意識しながら、順に並べていく。一人一人が自社の状況に照らし合わせながら、真剣にシートを作成した。

▲模造紙に「自社で明日から行いたい働き方改革」を記入する参加者。全員が真剣だ。

その次に行われたのは、「自社で明日から行いたい働き方改革」を模造紙に書き込むこと。書き方やフォーマットの決まり事はなく、各々がプロセスマッピングシートを見ながら思い思いのことを書いている。

▲自身でもコメントを書き込む山口氏。この会場では全員が参加者になる。

続いて、ファシリテーター山口氏から出たのは「皆さん、いろいろなグループの模造紙にコメントを書いていきましょう」という言葉。自分の意見を公にし、最短時間で他者からのフィードバックを受けることができる、画期的な手法だ。 筆者も、自分では思いつかないような様々な意見に触れながら、いくつかのコメントを残した。

▲「働き方改革」と一言で言っても、マインドや人事評価、生涯設計のコメントも並ぶ

コメントの中には、当社から発表した他社留学研修サービス「ナナサン」ついて、「他社留学を受け入れる側も、何を得たいのかを明確にしておくと良い」や「自分ももっと若手のころに他社留学を経験したかった」といったご意見が書き込まれていた。

▲全員でコメントを見て意見を出し合う参加者

その後は、全員でコメントを見ながらの総括と意見出しを行った。 意見出しでは、「社員一人一人が、社内の評価だけでなく、自分自身が他社に行ったとき何ができるかといったことも考えながら目標は設定すべきだ」や「他社留学は、自分が他社で何ができるかを見つめなおすいい機会であるとともに、イノベーション創出にもつながりそう。日本人だけでなく外国人が入ると、文化の違いがあって面白いと思う」といった様々な意見が出る。中には、「長時間労働についてだが、自分の子供に今の自分を見てみてどう思うか聞いてみるといい」といったユニークかつ納得させられる意見も。

ディスカッション後は、再度、明日から行う働き方改革重要施策を洗い出し、重要度、緊急度の2つの視点から整理した。これによって各社の「働き方改革」が一歩進むだろう。

▪まとめ

最近、話題に上ることが多い「働き方改革」。議論の矛先は、長時間労働の是正にばかり向かうが、本質は「労働生産性の向上」であることを忘れてはならない。労働生産性向上は企業が社内規定の変更や制度の整備を行えば、すぐに成し遂げられることではない。

働き手一人一人が、自身の価値を最大限発揮することが重要であり、そのためには、『自分は今、何がデキルのか』ときちんと向き合い、自身の会社に留まらず、様々なところで新しいノウハウや視点を獲得することが大切になる。 企業としても、社員が他社で今までにない刺激を受け、新しい気づきを得、それを自社に還元してくれれば、イノベーションが生まれやすくなる。

当社も、「働き方改革」を担当する方々から生の声をお聞きし、他社留学研修サービスへの意識が高まっていることを再認識することができた。 今後も、いただいた意見を参考に、サービスをブラッシュアップしていきたい。