【越境コラム】VOL.3
管理職になりたくない若手が増える今、マネジメントの「あり方」を問い直す

かつては「昇進=キャリアアップ」が当たり前とされていましたが、今の若手世代の多くは違います。
ある調査では、若手層の60%以上が「管理職になりたくない」と回答。
その背景には「責任の重さ」「業務量の増加」「残業の増加」など、管理職に対するネガティブな印象が根強くあるようです。

実際、現場でも管理職の半数以上が「仕事が多すぎる」という声があり、
信頼関係の構築や部下の育成といった本来の役割を十分に果たせない状況に直面しています。
今や中間管理職の育成は、「個人の努力」では解決できない、「組織全体の重要課題=急務」となっています。

ラーニングイノベーション総合研究所によって2024年に実施された
「管理職意識調査」では、以下のような結果が見えてきました。
・新任マネジャー(1~3年目の課長層)は、「自身の判断力」に強い不安を感じている傾向が、他の階層と比べて2倍以上。
・ベテランマネジャー(4年目以上)は、「部下とのコミュニケーション」「部門・チームの成果達成」に強い課題意識を抱えています。
出典:ラーニングイノベーション総合研究所「管理職意識調査2024」
https://www.all-different.co.jp/topics/20240905

特に中小企業では、「プレイングマネジャー」が多く、
優秀なプレイヤーがそのままマネジメントに抜擢されるケースが大半です。
しかし、座学だけの研修では通用せず、
管理職として現場での実践に結びついていないケースが多く見られ、本人も、経営者も悩みを抱えているのが実情です。

こうした現場の声を受け、当社では中小企業(50~300名規模)向けの次世代リーダー育成プログラム「ネクストフォーラム研修」を2024年に立ち上げました。
導入企業からは、こんなリアルな課題が寄せられています。

・数字や目の前の業務に追われ、育成が後回しになってしまう
・同じ環境・関係性の中でマンネリ化し、成長のきっかけが見えない
・「マネジメント」の基本や方法がそもそもよく分からない
・社内研修だけでは新しい刺激や変化が得にくい

マネジメントの「正解」は一つではありません。
企業の規模、業種、社風によって、求められるスタイルやスキルも大きく異なります。
そのため、外部との接点を通じて「他社との違いを知る」ことは、非常に有効な成長の機会になります。

「ネクストフォーラム」では、管理職育成において最も大切にしているのが『自己変容力』です。

変化する組織・社会の中で、自らを変える力を持つこと。
それが、やがて会社自体を変える力につながっていくと考えています。

プログラムでは、異なる企業から集まったマネジャーたちがチームを組み、
多様なマネジメントスタイルを共有しながら、新たな視点を得ていきます。

たとえば、1000名規模の課長と、300名規模の部長が同じチームで議論するケースも。
性格もキャリアも組織の規模も異なる中で、お互いの価値観に触れ、自分の「当たり前」を問い直す時間が生まれています。

小さな気づき、たとえば「部下への声のかけ方」ひとつでも、翌日からのコミュニケーションが変わったという声も多数。
「明日から使える」実践的な学びがあることも、好評の理由のひとつです。

「今さら聞けない…」「本当にこれでいいのか不安…」「“あるべき管理職像”って何?」
そんな漠然とした不安を持つマネジャーは多くいます。ですが、その不安や葛藤こそが、他の誰かの役に立つこともあるのです。

同じ立場での出会いと交流が、誰かの励ましになり、自分自身の挑戦にもつながる。
そして、その経験が自信となり、組織全体にポジティブな影響を与えていく──

そんな「希望を持てるマネジャー」が増える組織づくりを、これからもサポートしていきます。

ネクストフォーラム参加者からの声