ネット環境を駆使して場所にとらわれず働く!新聞社勤務から、フリーのディレクターとして活躍する意義とは

ネット環境を駆使して場所にとらわれず働く!新聞社勤務から、フリーのディレクターとして活躍する意義とは
新聞社勤めからフリーランスに転向した、伊藤さん。札幌市在住のフリーランスとして、校正から多くの案件のディレクターとしてライターさんと企業とのパイプ役を担うなど、幅広く活動しています。ネットを駆使して“地方でも都市部と変わらないほどのクライアントと繋がりをもって働ける”ということを体現している伊藤さんは、新聞社時代以上に案件を通して様々な人とつながり、ランサーズの「地域ディレクター」として活躍の場を広げています。そんな伊藤さんの素顔に迫ります。
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元新聞記者。現在はフリーのディレクターとして活動

新聞社勤め時代に、取材や記事の執筆、校正や編集、紙面のレイアウト、色ゲラチェック(原稿の試し刷り)まで一通りの流れを学んでいる伊藤さん。紙面作りのどの工程の仕事にも習熟している経験を活かして、現在はフリーのディレクターとして活躍しています。さらに、昨年から“地域ディレクター”なる職も務めているといいます。

どういった経緯でフリーランスになったのか、そしてディレクター職をなぜ選んだのか……。また、地域ディレクター職とはどういった仕事なのか、詳しくお話しを伺ってきました。

新聞社勤務で培った知識と経験を活かし、フリーランスに

ーーどういった経緯でフリーランスになったのでしょうか?

大学を卒業後、北海道のローカル新聞社に勤めていました。新聞社勤務時代は、外周りを主とした記者として、文章校正、編集、新聞紙面のレイアウトや色ゲラチェックと一連の流れを全て経験し、忙しく毎日を過ごしていました。ただ、新聞社は一番イノベーションが起こりづらい業界だと考えていました。実際に約8年勤めてきましたが、変化を求めたくて退職しました。

その後、転職したソフトウェア会社では広報担当として採用されたものの、事務職など1年弱で4回の異動を経験しました。会社から必要とされていない感覚があって、仕事そのものも楽しめていなかったのを覚えています。収入を分散させることを考えクラウドソーシングで受注をはじめたら、結果気持ちもやや楽になったんです。

そして、積極的に新聞社勤めで培ったノウハウを活かして、ライティングや校正、編集といった様々な案件に携わることでランサーズ内での実績を重ねていきました。その中で、29年1月から“地域ディレクター”という役割も任せていただけるようになったんです。

ーー“地域ディレクター”とは、どういった活動をしているのでしょうか?

ランサーズが地方創生事業として行っている「新しい働き方セミナー」で、講師と受講生とを繋ぐパイプ役のような活動をしています。

案件の受発注で利用しているランサーズでは地方創生事業に力を入れていて、その中でも地方在住の人に向けた講座「新しい働き方セミナー」なるものを開講しています。自宅でネット環境を駆使して働くハウツーを教えるこのセミナーで、各地域の受講生と案件とを繋ぐ“地域ディレクター”として参画する機会を与えていただきました。

具体的にいうと、受講生一人ひとりに寄り添いセミナー中のつまずきを解消することはもちろん、悩み解消のための指導やセミナー実施後はSkype会議を開いてのフォロー、案件の紹介まで行うのが地域ディレクター職です。多忙ですが、自分の成長に直結していると感じています。気付いたら、新聞社勤めの会社員から、転職を経て最終的にフリーランスのライターそして校正者、地域ディレクター……と、なっていたんです。

Webメディアに興味があり、ランサーズに登録。時間も収入もフリーな生活へシフト

ーー会社勤めからフリーランスになって変わった点は?

簡単にいえば、時間と収入がフリーだということです。はじめは、よくインターネット記事を見ていたこともあって、Webコンテンツ制作に積極的に携わっていました。新聞社時代にライティングからレイアウト、校正と一通りの流れを掴んでいたため、WEBライターとしてよりも、編集者、校正者として活動をしていきたいと感じるようになりました。自分でしたい仕事、選んだ仕事ができるようになったことが変わった点といえますね。

ーーライターとしてよりも校正者として活動をしたいと考えるようになった理由は?

決定的に校正のほうが向いているかな……と感じたのは、他ライターとの差別化を図ろうと思ったときです。はじめはライターと校正の両輪で動いてきましたが、正直ライター活動で差別化を図るのは難しいと思っていました。もともと、新聞社では新人研修時に校正やレイアウトを学ぶのが一般的です。その後に、取材をし、原稿を書くというライターへの道に行く流れを知っていたので、校正を経由していないライターさんと仕事することにそもそも違和感がありました。

自分がレイアウトや校正、取材から原稿を書くまで一通り経験して得た知識を活かして、クラウドソーシング経由で集まったコンテンツの読みやすさを編集し、情報の信頼性を担保するための編集や校正校閲、ファクトチェックに特化した方が、活躍していけると思い行動に移しました。

ライターさんが納品した原稿が読みづらく、情報の信頼性が保てない、と悩むクライアントが案外多いことに気付きました。図書館に足を運び、ときにはインターネットコンテンツに課金もしながら、財務諸表や英語の文献、法令や判例、白書ものなど幅広い資料をあさり案件に携わっています。

ーーなにもかもがフリーとなった今、特に力を入れているのはどんなポイントでしょうか?

何時までに出社する……という決まった流れが無くなったことで、働く時間については考えるようになりました。つい、夜に集中して仕事をしてしまう傾向にあったので、昼夜逆転してしまうと感じて案件選びを工夫しました。早朝に稼働しなければならない案件をいれたり、公開された原稿を2時間以内にチェックしたりと、わざと時間に制約がある案件をいれて。時間にメリハリを作りました。フリーランスだからこそ陥りがちな生活リズムの乱れを回避するために、受注する案件を吟味し自分に適したものを見つけ受注に繋げています。

ーーフリーランスになって変わったことはなんですか?

新聞社は経営が苦しく、どこまで部数減に歯止めをかけるか、ミスをどこまで最小限に抑えるか…に主眼を置いて仕事をしていました。

今は紙、Web両方の媒体で仕事をいただいていますが、新聞社勤めの頃のように堅実な仕事を求めるクライアントよりも、野心的で先進的な取り組みをしているクライアントの案件を優先して受けるようにしています。クライアントにつられて、生活も仕事も楽しみながら前向きに過ごせるように変化したことを実感しています。

また、働き方で言うと、会社の看板を借りて仕事をしなくなった分、取材する案件は苦労しがちですね。今後は、官公庁に取材する案件を受ける予定がありますが、記者クラブに入ってない小さな媒体の名前を借りるので不安だというのが本音です。クラウドソーシング経由で取材案件に取り組む人たちを見ていると、はじめから自分の名前でバシバシ取材に行っているあたり、正直頭が下がる思いでそれがまた、自分への刺激になっています。

ランサーズの地域ディレクターとして活動する意義とは……

ーー地域ディレクター職として活動する意義を教えてください

地域ディレクター職に就いてからは、セミナーを受講されている皆さんの“強み”を客観的に見つけられるようになりました。いろんな人の強みを見て、自分を奮い立たせ成長出来ています。

さらに、皆さんに指導をする立場になることで、ライティングに関する気付きが多くあります。いつまでも向上心を持ち続けられる部分も、地域ディレクター職の魅力だな、と感じているんです。

また、僕自身、田舎に住んでいて「生きづらさ」を感じる部分がすごくありました。田舎の働き口はすごく限定的で、属することができるコミュニティも限られています。でも、ディレクター職に就いて講座を実際に回してみて、地域内にリアルな職場や家庭環境とはまた違うコミュニティを作ることができました。地域に貢献できた手応えがあります。

ーー自分の成長に繋がる職であること以外に、充実していると感じる部分はありますか?

自分が抱えている案件をセミナー受講者に紹介するのが嬉しいです。案件を通じて受講者の皆さんへのフォローアップが出来ることはもちろん、報酬として還元できているというのも嬉しい循環だと感じています。WIN-WINの関係を築けているというのがなにより良いことだと実感しています。

皆さんから信頼していただけているというのがなによりも嬉しく、実際に受講した方から「伊藤さんが地域ディレクターで良かった」と聞くと、とっても嬉しいです。ネットを駆使して地方と繋がり、収入を得ることはもちろん人脈も広げられています。

ーーフリーランスとして毎日忙しく活動されている伊藤さん、今後の目標について教えてください

より広く、人と案件と繋がりたいという気持ちでいます。仕事を広げていくとひとりで全部の仕事を回していくのは無理で、どこかしらの工程を誰かにお願いしたいな、というのが地域ディレクターの仕事を受ける動機のひとつでもありました。現段階ではまだ多くはないけれど、ある程度仕事を受講生にシェアできているので、もっと受ける案件を増やしながら地域そのものを受注チームとして強化していけたらと思っています。

そして、インターネットコンテンツのリッチ化に伴って情報性の担保やしっかりした編集はメディア企業にとって必須だと思うので、そこにフリーランスとして寄与していきたいです。多くの案件と関わり、たくさんの人から信頼を得ながら、自身の編集、校正業務と並行して行う地方創生事業の地域ディレクターを務める……それを通じて、もっと成長していきたいですね。

(おわり)

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