「仕事をすることは息をすることと同じ」。副業18年目のベテランが語るワークスタイル。

「仕事をすることは息をすることと同じ」。副業18年目のベテランが語るワークスタイル。
「勉強目的で友人の仕事を手伝っていたら、いつの間にか副業になっていた」と語る高木雄太さん(仮名)の本業はグラフィックデザインの企画職。18年もの前から本業に近いデザイナーとして副業を実施。長年空き時間で副業を続ける熱意はどこから生まれるのか。
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副業をこなすことは「新しいゲームをクリアする感覚」

都内企業でグラフィックデザインの企画・ディレクターとして活躍する高木 雄太さん(仮名)は、デザイン領域のお仕事をされて20年以上の大ベテラン。当時インターネットが主流でない時代からWebデザイナーとして経験を積み、その後、パンフレットや書籍など紙モノのデザインまで幅広くお仕事をされてきたそうです。

同じデザイン領域とはいえ、Webについてはイチからから学ばないといけないことも少なくなかったと語る高木さん。それでも現状に満足せず、「もっと色んな技術を知りたい」という欲求は尽きないといいます。

18年前に友人の手伝いから始まった副業は、様々な知識を与えてくれて、最終的には出版社からブログの書籍化の話をいただき、著書を出すまでに至ったとのこと。とにかく「新しいことが知りたい」=「新しいゲームをクリアしたい」。本業でも多忙で決して時間があるわけでもない中、彼を突き動かすのは溢れ出る知識欲でした。

新卒入社したころから「副業禁止」の文化に疑問

ーー本業のお仕事はどんなことをなさっていますか。

都内の会社でグラフィックデザインの企画や、ディレクション業務を担当しています。過去にはいくつかの会社を渡り歩いてきましたが、元々手を動かす立場のデザイナーを長く経験して、今はほぼ企画業務がメインという立場になりました。

実は、現職ではランサーズで発注者側として、グラフィックデザインのデザイナーさんにお仕事をお願いしています。フリーデザイナーさんのディレクションも担当なんです。

ーー昔からデザイン領域でお仕事されていたんですか。

新卒で入社したタイミングでは別の職種でした。ただ、上京したころから、いつかはフリーのデザイナーで食べていきたいと強く思っていたため、社内調整を繰り返してなんとかCADのオペレーター業務に就くことができました。その後は、デザイナー職としていくつかの会社で働かせていただき、今の会社にたどり着いています。

ーー若いうちからフリーランスや副業をお考えだったんですね。

はい。今でも記憶にあるのは、新卒で入社した会社では、副業禁止の契約書にサインをしなくてはならなかったんですが、正直、その場で辞めたいと思いました(笑)。

でも、せめてデザインの知識を得てから違うことを始めようと思ったので、CADオペレーター職に就かせてもらい、必死に独学でデザインの知識と技術を学んでいきました。

ーー今の会社では副業を許されているのでしょうか。

副業禁止のサインをした会社を辞めてから副業を開始したんですが、それ以降に勤める会社からは同様のサインを求められることがなかったので、以来ずっと継続して行なっています。

公式に副業を推奨している、承認が出ている、というわけではありませんが、ランサーズのようなフリーランスを支援するサービスの発展や、副業を推奨する今の時代の流れは私にとって非常に嬉しい環境になってきていて、本当に助かっています。

やったことがないことでも副業であれば果敢に挑める

ーー副業思考は常にお持ちだった中で、最初はどんな仕事から始めたんでしょうか。

18年ほど前に、友人の仕事の手伝いから始まりました。そこからは紙モノまで幅を広げ、冊子や書籍デザインなどもするようにもなりましたし、自分のブログ経由で出版社から声がかかり、雑誌への寄稿や、Webメディア記事の執筆依頼を受け、夢のライター業もさせていただけるようになりました。

ーー自分がやったことの無い仕事でも、副業側では受けることが多いんでしょうか。

興味のある内容であれば積極的に受けています。依頼者側が任せたいと言っていただく、かつ自分が行なうことで成功イメージができる仕事であることが前提です。

副業では未経験のことにチャレンジする機会が多く、知らなかったことを学べるので知識欲が大変満たされています。

「自分がしたことがない仕事をする」=「新しく出たゲームを攻略する」ような感覚もあります。あまり仕事と思えないくらい、楽しく取り組ませてもらっています。

ーー本業と副業の切り分けはどうしてますか。

通勤中の電車のなかでも、メールチェックやデザインレイアウトなど、意外とさまざまなことができます。本業が終わり、帰宅前にカフェに寄ってから作業をしたり、土日に集中して進めるなど、柔軟に時間を使っています。

大変嬉しいことにお仕事を依頼していただく方が多く、営業活動無しで副業ができています。技術トレンドを学ぶ時間が多く取れ、自分の知識量が増えていくことが幸せです。

ーー今後のご自身における働き方に関する展望などありますか。

「副業は自己欲求を満たすもの」になってきていると感じています。デザイナーとしての仕事が副業でできているのであれば、本業はデザイナーでなくてもいいかなと思うようになりました。昔から会社で働くよりも、フリーデザイナーになるイメージが強かったので。

今後は、本業は生活を担保するため、副業は知識欲という自己欲求を満たすため、という切り分けて働くようになっていくかなと考えています。

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